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Cast >>Kaya Scodelario (Catherine Earnshaw), James Howson (Heathcliff), Nichola Burley (Isabella Linton), Oliver Milburn (Mr. Linton), Solomon Glave (Young Heathcliff), Shannon Beer (Young Catherine Earnshaw) ...
Director >>Andrea Arnold
Writer >>Emily Bronte (novel), Olivia Hetreed (screenplay)
Producer >>Robert Bernstein, Kevin Loader, Douglas Rae
Genre >>Drama
Country >>UK

 総合ポイント 3.75点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>4 演出 >>3 音楽 >>3

 レビュー
"Christian things to do"
ヒースクリフ(ジェームス・ハウソン)は外では嵐が吹き荒れる中、空虚な壁に向かって自暴自棄になっていた。黒人の少年(ソロモン・グレイブ)は、凄まじい雨の中、アーンショーに拾われ、彼の家に連れてこられた。身寄りの無い少年は、アーンショーが「キリスト教徒的な行為」によって、アーンショー一家の家族の1人になり、ヒースクリフと名づけられた。長男のヒンドリーは「兄弟じゃない」とヒースクリフに酷い仕打ちを繰り返した。妹のキャサリン(シャノン・ビアー)は、逆にそんなヒースクリフと仲良くなっていく。それが続くことで、2人の間には特別な感情が生まれるが、ある時をきっかけにキャサリンが近所のお金持ちの家のリントン家で手厚い歓迎を受け、その世界を知ってしまってからは、ヒースクリフと疎遠となってしまった。ある時リントン家の息子エドガーからプロポーズされ、それを知ったヒースクリフは家を出て行く。大人になったヒースクリフが「嵐が丘」に戻ってくるが...

イギリスのエミリー・ブロンテが書いた名作「嵐が丘」を映画化。ロビー・ライアンのシネマトグラフによって、その「嵐が丘」のゴシック要素が見事に再現されている。とても暗く、陰気で過酷。そこで生き抜き、愛を育むキャサリンとヒースクリフ。非常に残酷で生々しい。その過酷さ故に2人の愛は深くなり、そして残酷な程に憎しみ合う事になる。しかし元々の原作のちょうど間を取った形で、キャサリンとヒースクリフの関係だけが主に描かれている。台詞なども極端に少なく、映像にほぼ頼っている。ロビー・ライアンの映像は美しいが、それでも2時間ちょっとは、キツイ部分もある。しかし少年・少女時代を演じていた2人の演技が少年・少女とは思えない程に力強くもあり、甘美的。

ロビー・ライアンと監督のアンドレア・アーノルドが再現した「嵐が丘」。それは悲しいほどに美しいのだ。
(Reviewed >> 12/3/13:DVDにて鑑賞)

 100本映画
エミリー・ブロンテの「嵐が丘」を映画化。このイギリスの名作は、もちろん幾度も映画化されているが、黒人が主役のヒースクリフにキャスティングされるのは初めて。ブロンテは原作の中で、ヒースクリフを「黒い肌、黒い髪、黒い瞳」と描写している。とはいえ、どうやらブロンテが描写したヒースクリフは所謂アフリカ系の黒人ではなく、インド系の男性を描写したようだ。しかしこの映画ではヒースクリフをアフリカ系の黒人にして、映画に別の角度と要素を生んでいる。2時間ちょいある映画だが、「嵐が丘」の全てを網羅した作品でもない。ヒースクリフとキャサリンの愛憎物語を描いている。なので物語も、ヒースクリフがキャサリンのアーンショー家にやってくる所から始まる。

アーンショーの主が物凄い嵐の日、身寄りもない黒人少年(ソロモン・グレイブ)を家に連れて帰る。”キリスト教徒的な行為”として、この少年を育てる事にし、ヒースクリフと名づけた。家族にも、家族として接するようにと言うが、長男のヒンドリーは「兄弟なんかじゃない」と反発。その少年の肌の色にも反発したのだった。しかし妹のキャサリン(シャノン・ビアー)は、ヒースクリフに心を開いた。アーンショー一家が住むところは常に風が吹き荒れる荒野だった。ヒースクリフとキャサリンはそんな「嵐が丘」で、たくましく育っていくが、次第に2人には恋愛感情も生まれていく。しかし、近所にリントン家という上流家庭が来る。彼等にはキャサリンとヒースクリフと同じ年のころのエドガーとイザベラが居た。とある事をきっかけに、キャサリンはリントン家から手厚い歓迎を受けた。しかしヒースクリフは省かれた。上流家庭の事を知ったキャサリンは、それに夢中になってしまう。そしてエドガーにプロポーズされ、悩むも受けてしまう。ヒースクリフは家を出た。そして変わり果てた「嵐が丘」に、成人したヒースクリフ(ジェームス・ハウソン)が戻ってきた。身なりを整え、そしてお金も持っていたのだった...

まー、イギリスらしく暗い!w でもその陰気さが、「嵐が丘」を見事に再現していた。過酷さと残虐さ。そしてイギリスの映画って、子供をやたらと天真爛漫に描かない所も好きだ。子供だからこそある残虐さとかも見事に描写してみせる。とまあ、ヒースクリフとキャサリンの少年・少女時代を演じた2人もお見事でした!ヒースクリフは10代なのに哀愁があって、それが後に復讐と化していく。そしてこの映画には極端に台詞が少なくて、表情とかだけで伝わってくる部分も多いね。小間使いのネリーがヒースクリフに「貴方はプリンスね」というシーンが好き。その時にはヒースクリフの顔が非常に端整に見える。

しかし、10代のキャサリンを演じた女の子はとてもタフそうで強そうなのに、大人になったキャサリンはとても綺麗で華奢。絶対にキャスティングミス。ありえないわ、あれは。

でもさ、ヒースクリフって聞くと、私はどうしてもビル・コズビーの「コズビー・ショー」を思い出すわ!コズビーが演じたのが「ヒースクリフ」。まーーーーったく逆で、憎しみとか復讐とか絶対にない、子供好きで陽気な中年オヤジでしたけどねー。

それにしても「Wuthering Heights」を「嵐が丘」にした昔の日本人はセンスあり過ぎ。

 トリビア
エミリー・ブロンテの有名な小説「嵐が丘」を再び映画化。今回は主人公の一人であるヒースクリフ役を新人俳優で黒人のジェームス・ハウソンが演じた。ブロンテの小説の中では色が黒いジプシーで、インド・東南アジア系となっているので、インドやパキスタンにバングラデシュ出身の俳優を探していたが、結局イギリス生まれの黒人であるハウソンが1年のサーチの末に選ばれた。黒人がヒースクリフ役を映画で演じるのは初めて。

当初はナタリー・ポートマンがキャシー役、ミヒャエル・ファスベンダーもキャスティングされていた。

監督は女流監督アンドレア・アーノルド。

アメリカではまだ公開が決まっていないが、イギリスでは2011年11月11日から公開予定。

 その他

 受賞歴
* Black Reel Awards
2013 Nominated Outstanding Foreign Film

* Camerimage
2011 Won Bronze Frog : Robbie Ryan

* Evening Standard British Film Awards
2012 Won Best Technical Achievement : Robbie Ryan

* Golden Trailer Awards
2013 Nominated Best Sound Editing

* Irish Film and Television Awards
2012 Nominated Best Director of Photography (Film/TV Drama) : Robbie Ryan

* London Critics Circle Film Awards
2012 Nominated Technical Achievement of the Year : Robbie Ryan

* Stockholm Film Festival
2011 Nominated Bronze Horse : Andrea Arnold

*Valladolid International Film Festival
2011 Won Best Director of Photography : Robbie Ryan
2011 Won Honorable Mention : Shannon Beer & Solomon Glave

* Venice Film Festival
2011 Won Golden Osella Outstanding Technical Contribution : Robbie Ryan
2011 Nominated Golden Lion : Andrea Arnold

 サウンドトラック


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 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt1181614/
http://en.wikipedia.org/wiki/Wuthering_Heights_(2011_film)
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Last Modified: 2011-09-18
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