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●● レビュー 報いとリバイバル。アメリカでは「タイム」誌の表紙を飾り、出す本はベストセラーになる程人気の主教T・D・ジェイクスが書いた宗教的な自己啓発本を元に映画化された作品。 もちろん映画は宗教的に進む。しかし、もう一つ重視したい点は、キンバリー・エリスが演じた主人公は、フィクションであるという事。が、ラストで字幕で語られたように、誰にでも起こりうる物語。子供が犠牲になる日本だって、他人事じゃないって事。それだけで、胸が締め付けられる。 タイトルの通りに物語は進んでいく。タイトルが示すのは、女性が何かから解放された事を示し、特には何か問題から解放され、報復するという意味が強い。 T・D・ジェイクスが自分自身として映画に出演し、主人公ミシェルと会話するシーンが興味深い。ジェイクスが「子供の頃はどんなだった?」と聞くと、ミシェルは「黒人だった」と答える。「お婆ちゃんをお母さんと呼び、お母さんを名前で呼び、お母さんの何人ものボーイフレンドを~~おじさんって呼ぶような普通の黒人の女の子よ」。この台詞だけで、彼女の疎外感や彼女の問題を察する事が出来る。本当は、小さい頃のジャネット・ジャクソンみたいに(何かの賞の時のジャネットの真似だったのかな?)リトル・サリー・ウォーカーを、キュートで小さなボーイフレンドの前で歌い、スターを夢見る女の子。 そんな女の子がある夜の出来事で変わってしまったのだ。しかも、出来事は大人になっても彼女のチョイスで繰り返される。 キンバリー・エリスの貫禄ある主役は見ごたえが十分にある。デンゼル・ワシントンの共演した映画「John Q/ジョンQ」でも、「私はクリスチャンの女性なのよ」という印象的な台詞を口にしていたが、彼女にはクリスチャン女性らしさも見られるし、今回の映画で見せた堕落した姿にもドキドキした。また、久々に映画で見れたマイケル・シュルツ監督の作品として、十分に見ごたえがある。主人公がダイナーで食事を取っている時に、後に座るおばあさん達が気になるようになる、カメラワーク等、面白かった。 この映画こそ、「Redemption(償い)」という言葉が似合う。ジェイミー・フォックスが主役を演じた「Redemption」というタイトルの映画があるが、そちらはただ単にジェイミー・フォックスが演じた主役が報われるだけだった。そしてこちらの作品ではキリスト教のイベント「リバイバル」という言葉にかけて、彼女自身が自分の再生(リバイバル)をしようとしていた。 今回は、誰も償われない。けれど、彼女の心のドアは開かれたようだ。 (Reviewed >> 3/17/05) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア ブラックムービー系の映画祭のみならず、他の映画祭でも話題になった作品。ワイド公開はされず限定公開のみとなった。 「The Manchrian Candiate/クライシス・オブ・アメリカ」で再びデンゼル・ワシントンと共演したキンバリー・エリスが主役。共演に「Ray/レイ」のクリフトン・パウエル、「Kingdom Come/カモン・ヘブン!」のロレッタ・ディバイン、「Coach Carter」のデビー・モーガン、「The Glass Shield」のマイケル・ボートマン等に加え、原作者のT・D・ジェイクス本人も出演。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0399901/http://en.wikipedia.org/wiki/Woman_Thou_Art_Loosed Not available from Allcinema |
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