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●● レビュー "This s a story not of two races but of two people who met in Italy just after the war... This is his story."戦争が終わったばかりのイタリアの港町。若い女アンジェラ(カルラ・デル・ポッジョ)が貨物列車に無銭乗車していた。列車と並走してアメリカ軍人とイタリアの男がドンパチやり始めた。アンジェラは怖くなって列車の中で丸くなっていたが、運悪く男たちは列車に乗り込んできてしまった。そこでまた銃で撃ち合いを始め、アメリカ軍人ジェリー(ジョン・キッツミラー)が負傷してしまい、イタリア男は逃げた。アンジェラが助けを求めてジェリーは救われたが、アンジェラは聞き分けのないMPに捕まり修道院に入れられてしまう。そこで出会ったマーチェロ(ジュリエッタ・マシーナ)とは喧嘩になったが、みんなで脱走したのを機に仲良くなった。しかし外に出た所で、アンジェラの唯一の頼みの綱である兄弟がもう居なくなった事を知った。そしてアンジェラは偶然にまたジェリーと出会い、仲を育んでいくが... 人を愛し動物を愛し無垢で純粋な女性も変えてしまうのが戦争...とても切ない恋物語を描いたフェリーニ。全てが絶望へと向かっていく希望のないネオリアリズモ。世の中弱い者たちは食われるのみなのだ。 この映画で面白いのが、英語タイトルのPity(哀れみ)が黒人側への哀れみではなく、戦争で色々な物を失った人々への哀れみが表現されている点である。アメリカ黒人も貧しいイタリア人からしたら「持っている」のだ。それでもさりげなく黒人への差別も入れているのがこの映画の上手い所である。そして状況を上手く呑み込めないアンジェラと、呑み込んで自分を犠牲にして欲しいものを手に入れたマーチェロの関係性の描写が上手い。 最後ももちろん鬱展開である。ああ戦争が憎い!ああ搾取が憎い!という嘆きこそが、人々をそちらに2度と向かわせない為が故なのだ。 (Reviewed >> 4/15/16:TV放映にて鑑賞) |
●● 100本映画 第2次世界大戦後のイタリアを舞台にアメリカ黒人兵と貧しいイタリア人女性が恋に落ちる物語。『道』などで知られるフェデリコ・フェリーニの脚本家時代の作品。アメリカでも日本でもメディアにはなっていない。けど、アメリカではたまーーーーーーーにTCMにて放送。というかね、前に録画しておいた時に私が見る前に夫が消してしまい、超激怒!!!!!多分あれから2年位してよーやくまた再放送された作品です。でもTCMはDVDに落とせないのですよ...(´・ω・`)本当は残して置きたい超名作。鬱展開が続きますが、ネオリアリズモ最強です!また好きなイタリア映画が増えたのでした。この感じ、第2次世界大戦後の日本でも描いてくれないだろうか?有吉佐和子の「非色」を今こそ映画化へ!!(1462本目) |
●● トリビア アルベルト・ラットゥアーダ監督・フェデリコ・フェリーニ脚本の第2次世界大戦後のイタリアを描いたネオリアリズモ作品。フェリーニの妻ジュリエッタ・マシーナも重要な助演で出演。アメリカの軍人とイタリアの貧しい女性の悲劇的な恋愛を描いた作品。アメリカ人俳優でイタリアで活躍したジョン・キッツミラーがアメリカ軍人のジェリー役。 イタリア語原題は『Senza pietà』。 日本では2001年にイタリア映画大回顧上映で上映。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0040773/https://en.wikipedia.org/wiki/Without_Pity Not available from Allcinema |
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