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●● レビュー Good Times!!レイモンド(リー・キノネス)は、夜中にこっそりと抜け出し電車庫に忍び込んで、スプレーで描く「グラフティ」で怪傑ゾロの絵を描いていた。その絵は街での評判も良く、人々はその絵描きを「ゾロ」と読んでいた。しかし軍の訓練から帰ってきた兄に「そんなもの」と怒られ、しかも思いを寄せる別のグラフィティのローズ(レディ・ピンク)にも正体をバラす訳にもいかず、中々思いが通じなかった。そしてクラブのディクシーで、ファブ・5・フレディ(ファブ・5・フレディ)と会い、リポーターのバージニアという女性が、彼等をインタビューしたいと、ブロンクスまでやってくるが... 誰がなんと言おうと、創世記のヒップホップを鮮明に捉えた金字塔作品である事は間違いない。新しいアートの形を生み出した彼等の苦悩をも伺える。電車に書かれた「グラフィティ」は違法であり、どんなに素晴らしくてもそれがお金になり、食べていく事は出来ない。若い彼等は金持ちのパトロンに搾取されそうにもなる事が描かれているのもいい。そしてそれはブレイクダンスやDJやラッパー達も同じで、まだそれでご飯を食べていくのには大変だった。しかし、この新しいアートの形は、多くの若者達の心を鷲掴みにしたのも容易に理解出来る。グランドマスター・フラッシュの後ろを向いてDJするのは、当時の若者にとっては最高にカッコ良くて、絶対に真似したくなるのだ。 荒削りな所も、全てワイルド・スタイル!彼等のそんな所がまた生々しく、ヒップホップが楽しかった時代のノスタルジックな思いを呼び起こしてくれる。と、同時に、ノスタルジックだけでなく、この新しいアートを形成した若者達の姿に、いつ観ても何かまた新しい物が生まれる予感を感じさせてくれるのだ。 (Reviewed >> Unknown, 10/21/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 グランドマスター・フラッシュの自伝本を読んだんですよ。そんなに期待してなかったんだけど、無茶苦茶面白かった。ランDMCのDMCの本も割りと面白かったけど、フラッシュのはあの時代が鮮明に蘇ってくる。
そしたらね、この映画が無茶苦茶観たくなりまして...観ちゃいました。この映画と、「アパッチ」がやたらと聞きたくなる本なのです。フラッシュと疎遠だった父が初めて心通じ合う時がありまして、お父さんはこの「ワイルド・スタイル」もこっそり観ていたっていう部分がありましてね...思わず嗚咽です。 いやー、何度観ても面白い!日本でビデオが再発するって時にサンプル貰って観た事もあるけど、やっぱりDVDの鮮明な画像はもっといいね。しかもアメリカ版はRhinoから出ていて、最初のFBIの注意書きも洒落ている!J・エドガー・フーバーの顔にどんどん落書きされていくんですよ。Rhinoって面白い会社だよね。 ドラマ仕立てのドキュメンタリー。というか、ほぼドラマだよね。グラフィティのリー・キノネスを主役にしたヒップホップの創世記映画。グランドマスター・フラッシュの本の前半が鮮明に映像となっている。コールド・クラッシュ・ブラザースとファンタスティック・フリークスのバスケ対決とか、ああいう演出最高だね。実際はもちろんあんな感じではないし、今じゃ絶対にしない演出。だからこそあの時代ぽいんだよね。古いからいいとか、オールド・スクールこそヒップホップとか言わないけど、やっぱりラップとかも今に比べたらまだまだで...出来立て感があるよね。ああやって何もない所から苦労してここまでにしたっていうのが、やっぱり好きだ。彼等の努力と苦悩が成功へと導いた訳。グランドマスター・フラッシュも本で「オールドスクールだとは思っていないし、それに甘んじない。ヒップホップは『今』が大事」って書いていた。 最後はラッパーもグラフティもダンサーもDJもみんな日比谷野音みたいな所に集まってショーを開催。ヒップホップが一つにまとまっていた時代なんだよねー。と、やっぱりヒップホップの良さに触れられる。やっぱりヒップホップが好き! (1046本目) |
●● トリビア NYで始まったヒップ・ホップカルチャーのドキュメンタリーだが、ミュージカル調のドラマになっている。 DJのグランドマスター・フラッシュや、ダンスグループのザ・ロック・スティディ・クルー、ファブ・5・フレディ、ザ・コールド・クラッシュ・ブラザーズ、ダブル・トラブル等のオールドスクールヒップホップの面々が登場しているのでも有名。 また、スプレー缶のグラフィティ(落書きアート)の事も、かなり詳しく映画ではドラマ仕立てで紹介されている。 この作品が公開されてから25年たった2008年には25周年特別バージョンのDVDがアメリカで発売され、色々なイベントも開催された。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. "God Made Me Funky" - The Headhunters2. "Take Me To The Mardi Gras" - Bob James 3. "Good Times"- Chic 4. "Military Cut (Scratch Mix)" - Grand Wizard Theodore and K.K. Rockwell 5. "M.C. Battle" - Busy Bee and Lil' Rodney Cee with Grand Wizard Theodore 6. "Fantastic Freaks at the Dixie" - Fantastic Freaks with with Grand Wizard Theodore 7. "Subway Theme" - Fab 5 Freddy and Chris Stein 8. "Cold Crush Bros. At the Dixie" - Cold Crush Brothers 9. "Cuckoo Clocking" - Fab 5 Freddy and Chris Stein 10. "Stoop Rap" - Double Trouble 11. "Double Trouble at the Amphitheatre" - Double Trouble 12. "South Bronx Subway Rap" - Grandmaster Caz 13. "Street Rap" - Busy Bee 14. "The Chief Rocker Busy Bee, D.J. A.J. At the Amphitheatre" - Busy Bee 15. "Gangbusters Scratch Mix" - Grand Wizard Theodore and K.K. Rockwell 16. "Rammellzee and Shock Dell at the Amphitheatre" - Rammellzee and Shock Dell with Grand Mixer DXT 17. "Down By Law" - Fab 5 Freddy 18. "Basketball Throwdown" - Cold Crush Brothers and Fantastic Freaks 19. "Limo Rap" - Busy Bee and Lisa Lee 20. "Wild Style Theme Rap 1" - Grandmaster Caz and Chris Stein 21. "Wild Style Theme Rap 2" - Grandmaster Caz and Chris Stein Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 * 映画秘宝 2009年 10月号 サントラBEST200特集 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0084904/http://en.wikipedia.org/wiki/Wild_Style http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25941 |
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