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●● レビュー "Good Jew? He was a good human being"(Reviewed >> 1/16/19:VODにて鑑賞) |
●● 100本映画 第2次世界大戦中ドイツで起きたロミオとジュリエット『Where Hands Touch』![]() 元々古臭いラブストーリーが好き。シェークスピアとかも好きだし、『嵐が丘』とかも好き。悲劇も好きだし、ハッピーエンドも好き。映画にハマる前の小学生時代は「りぼん」を1年半ほど買って読んでいたので、古臭い少女漫画的設定も好き。そんな私が一目置いている恋愛映画監督が、『Love & Basketball / ワン・オン・ワン ファイナル・ゲーム (2000)』のジーナ・プリンス=バイスウッドと、この映画のアマ・アサンテ。この2人は、本当に少女漫画みたいな設定の映画がすこぶる上手い!プリンス=バイスウッド監督は現代的な月9みたいな少女漫画、アサンテ監督は舞台も古い古典の少女漫画を、いつか映画化して欲しい...と、私は願っております。という訳で、アマ・アサンテ監督のこの作品を。その前に、アマ・アサンテ監督はイギリス出身で元々は女優。監督に転身。実在したダイド・エリザベス・ベルの肖像画から、妄想研究して作られた物語『Belle / ベル 〜ある伯爵令嬢の恋〜 (2014)』が最高に良かったです。 第2次世界大戦末期の1944年春、ドイツ西部ラインラントで16歳になったのがレイナ(アマンドラ・ステンバーグ)。ドイツ人の母(アビー・コーニッシュ)と、アフリカ兵の間に出来たのがレイナ。ヒトラー率いるナチス国家では、レイナの身の危険を感じた母が、レイナと息子を連れてベルリンへ逃げた。しかし、そこでも心優しいユダヤ人のパン屋が店先で殺されてしまうのを目撃してしまう。ある日、ナチスの少年・少女たちが、街で大行進をしていた。怖い物見たさでレイナはその行進の後をつける。するとナチス・ドイツ軍の若い兵士ルッツ(ジョージ・マッケイ)に話しかけられる。ルッツは、家で見たビリー・ホリディの写真にレイナは似ているという。2人は次第に仲を深めていくが... ってもう、悲劇しか待っていないようなストーリーでしょ?ナチス側の人間とそうじゃない人たちなんて、もう無理って感じでしょ?でも仕方なくナチスに所属していた人も居たわけでして... 生きるために仕方ない部分もあった。あと、若いから分からず染められていたナチス色に...っていう人も居た筈。そして障害が大きい&高いほど、若い2人は燃えてしまうもの。戦争で引き裂かれるとか、壁&障害が大きすぎるし高すぎる。しかも第2次世界大戦のドイツなんて...っていうわけで、2人は燃え上がってしまうんですよね。ロミオとジュリエットなんて、ちょーーー恵まれていたじゃん!と思う訳です。レイナなんて、食べる&着るものですら無かったからね。あの時代のドイツで私が生まれていたら、生きていく自信まるで無いわ。ゲルマンだろうと、そうじゃないであろうとも。あんな戦争には一切関わりたくない。と、今回改めて思わせてもらいました。 生きていく目的とか、希望とか、色んなものを失っていきながらも懸命に生きようとしたレイナを演じたアマンドラ・ステンバーグに感動した。『The Hate U Give / 日本未公開 (2018)』といい、意志の強い女の子役は、この子しかいない!って位に合っている。お母さん役のアビー・コーニッシュも最高でした。 この映画、ジェームズ・ボールドウィンの言葉から始まります。『I Am Not Your Negro / 私はあなたのニグロではない (2016)』でも使われていたインタビュー映像の言葉。「幾度もふと思い考えることがある。この国での自分の役割、そして自分の将来がどのような形で入っているのかと」。自国によって壊された自分の将来。この2人の場合、あと1分早ければ... その1分が尊い。1分早ければ、手と手が触れ合うだけでなく、しっかり結ばれたことだろう。 (1672本目) |
●● トリビア 『ベル -ある伯爵令嬢の恋-』のアマ・アサンテ監督作品。ヒトラー政権下で、ドイツとアフリカの血を引くの女性がナチ兵士と恋をして... 2018年トロント映画祭にてワールドプレミア。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト https://www.imdb.com/title/tt1235187/https://en.wikipedia.org/wiki/Where_Hands_Touch Not available from Allcinema |
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