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●● レビュー Phenomenal Kings1974年に行われたキンシャサの奇跡と言われたモハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの一戦のドキュメンタリー。 1974年10月30日。その奇跡の一戦は行われた。歴史的事実として、我々はモハメド・アリが勝利した事は既に知っている。しかしそこまでの過程や雰囲気が美しい色で鮮明にそして克明に記録として残っているのがこのドキュメンタリーだ。ボクサーのキャリアの絶頂期に居たジョージ・フォアマンが、なぜに下り坂にいたモハメド・アリに負けてしまったのか...このドキュメンタリーがそれを教えてくれている。 モハメド・アリは並の人じゃない。驚くべき人物だ。ベトナム戦争に反対して徴兵を拒否。この戦いはモハメド・アリにとっては単なる賞金稼ぎや、チャンピオンである事を証明するだけじゃなかった。システムや大きな権力に盾突いても尚、屈しなかったあの精神力の強さ。それを証明したのがこの戦いであり、奇跡であった。 あの極限の精神力と、人々からの期待の大きさを感じながら2人は戦った。単なるボクシングの試合を超えた現象だった。だから彼等はキングになった。素晴らしい記録映画だ。 (Reviewed >> 5/31/10:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 今なぜこのタイミングでこの映画を見たのか?もちろん「Soul Power / ソウル・パワー (2008)」の日本公開を祝って観てみました。「ソウル・パワー」はこのドキュメンタリーを撮っている時の映像を使った作品。弟分的な作品。「ソウル・パワー」は十分に面白いドキュメンタリーだったけれど、やっぱりあのドキュメンタリーでもモハメド・アリが主役だなと思ってしまいました。その理由はこちらのドキュメンタリーにたっぷりありましたね。モハメド・アリは自然な策士。ボーナス映像でこのドキュメンタリーの監督レオン・ガストが言っていたけれど、モハメド・アリは撮影にも割りと積極的だったとの事。ランニングに出かける時にも時間をちゃんと教えてくれたらしい。逆にジョージ・フォアマンの方は積極的ではなかったとの事。当時の予想もほぼジョージ・フォアマンが優勢だった。けれどこのドキュメンタリーを観ているとやっぱりモハメド・アリが優勢に見える。それはアフリカの現地の人々を味方につけたのが大きいとも思う。あのアントニオ猪木の出場曲ともなった「アリ・ボンバイエ」が印象的。「アフリカは俺の故郷なんだ」と言うアリ。ああいう風にはフォアマンは言えない。あの語り口が人々を惹きつける。やっぱりあのザイール74も含めた全てが「ザ・モハメド・アリ・ショー」だったんだと思います。この映画の後日談がいいですよね。アカデミー賞のドキュメンタリー部門を授賞した時にステージでのフォアマンとアリの関係。フォアマンがアリを気遣う姿。美しすぎるでしょう。あの極限の状態で戦った男達だからこそ見せる美しさ。そういう美しい後日談だってあの一戦を時代の現象とさせているのです。 ジョージ・フォアマンはもはや「ジョージ・フォアマン・グリル」を愛想よく売る人と思っている若い子が多いと思う。あのグリルはアメリカの家庭に1台必ずあるであろう、もしくはあった事でしょう。うちも小さいのがある。前のお隣さんは野外BBQ用のいい感じのを持っていた。あのフォアマンのCMの愛想の良さで思わず買ってしまう物なのです。でもあの愛想の良さに辿り着くまでにかなり色々と思った事もあると思う。戦った後にアリについて「どうして俺がアリを憧れていたのか気付かせてくれた」なんて素直に言う、フォアマンも超カッコイイんですよ。英語の原題が示す通り、キングは一人じゃなかったという事。 やっぱり幾らウィル・スミスが頑張ってもモハメド・アリはモハメド・アリ。彼のキャラクターに敵う者は居ませんよ。 (0718本目) |
●● トリビア モハメド・アリとジョージ・フォアマンのアフリカのザイールで行われた世紀の一戦「ランブル・イン・ザ・ジャングル」や「キンシャサの奇跡」と言われる戦いの映像を納めたドキュメンタリー。オスカーのドキュメンタリー部門を受賞している。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * Academy Awards, USA1997 Won Best Documentary, Features * Broadcast Film Critics Association Awards 1997 Won Best Documentary * Directors Guild of America, USA 1997 Nominated Outstanding Directorial Achievement in Documentary : Leon Gast * Image Awards 1998 Nominated Outstanding News, Talk or Information Special * Independent Spirit Awards 1997 Won Truer Than Fiction Award : Leon Gast * Los Angeles Film Critics Association Awards 1996 Won Best Documentary * National Society of Film Critics Awards, USA 1997 Won Best Documentary * New York Film Critics Circle Awards 1996 Won Best Documentary * Sundance Film Festival 1996 Won Special Recognition : Leon Gast 1996 Nominated Grand Jury Prize Documentary |
●● サウンドトラック 1. Rumble in the Jungle - Kamaal Fareed2. Ain't No Sunshine/You - Bill Withers 3. Sweet Sixteen - B.B. King 4. The Payback - James Brown 5. I'll Be Around - Thom Bell 6. Put It Where You Want It - Joe Sample 7. I Got Some Help I Don't Need - Dave Clark 8. Doing It to Death - James Brown 9. I'm Coming Home - The Spinners 10. When We Were Kings - Brian McKnight and Diana King 11. I'm Calling (Say It Loud) - James Brown 12. Chant Not In Album 1. "Am Am Pondo" - Miriam Makeba 2. "Say It Loud, I'm Black And I'm Proud" - James Brown 3. "Young Rabbits" - The Crusaders 4. "Musical Interlude" - L'Orchestre Afrisa International 5. "In A Cold Sweat" - James Brown 6. "Gonna Have A Funky Good Time" - James Brown 7. "African Chant" - OK Jazz 8. "Rumble In The Jungle" - The Fugees featuring Q-Tip and Phife of A Tribe Called Quest, Busta Rhymes and John Forte Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0118147/http://en.wikipedia.org/wiki/When_We_Were_Kings http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=83475 |
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