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●● レビュー (Reviewed >> 3/21/21) |
●● 100本映画 "He wants me to stop singing what's in my soul."30~50年代というアメリカ激動の時代で歌い続けたビリー・ホリデイの自伝映画。アレサ・フランクリンやホイットニー・ヒューストンの自伝映画も何作も作られているが、ビリー・ホリデイもこれまた多い。何と言ってもダイアナ・ロスがビリーを演じた名作『Lady Sings the Blues / ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実 (1972)』がある。それでも再び作りたくなってしまうほどのドラマがあるビリー・ホリデイ。今回は、ヨハン・ハリ原作の『麻薬と人間 100年の物語』を、舞台戯曲家『The Topdog Diaries / 日本未公開 (2002)』のスーザン=ロリ・パークスが脚本担当、そして『Precious: Based on the Novel Push by Sapphire / プレシャス (2009)』のリー・ダニエルズ監督で映画化。ビリー・ホリデイ役に抜擢されたアンドラ・デイが、アカデミー主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ主演女優賞(ドラマ部門)受賞。 1957年5月3日、ビリー・ホリデイ(アンドラ・デイ)は、インタビューを受けていた。黒人女性であることはどういう感じなのか、そして曲「奇妙な果実」のせいでトラブル続きなのはなぜなのか? ビリーは政府が忘れがちな人権について話す。それから10年前に溯る。夫やマネージャーは、セットリストからトラブルを招くので「奇妙な果実」を外すように言うが、ビリーは歌うことを主張し、バンドメンバーのレスター・ヤング(タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ)はビリーの主張をサポートする。FBIのハリー・J・アンスリンガー(ギャレット・ヘドランド)がビリー・ホリデイをターゲットにして執拗に追いつめていく... 1957年、時は既にキング牧師が登場し、モントゴメリーのバスボイコットを成功させ、SCLCを設立していた頃。歴史の大きなうねり(特にアメリカ黒人にとって)がやってきた時。ビリー・ホリデイは、それよりもうんと前の1939年にこの「奇妙な果実」を発表している。その時のインスピレーションとなったリンチを目撃する再現シーンが、とても印象的で何より感情的でリー・ダニエルズぽい。これでもかという位に生々しい描写である。そしてこの当時のFBIお得意のスパイや潜り捜査などが、とんでもない位にしつこい。誰にも弱いところはあるので、そこを徹底的に使い溺れさせていく。どんなに潰されそうになっても、ビリー・ホリデイはビリー・ホリデイ。決して屈しない。もうラストが切なく悲しいけれど、とても爽快。確かにその通り。ビリー・ホリデイの肉体は滅びても、「奇妙な果実」は2023年の今でも名曲であり伝説であり、ビリー・ホリデイの精神がその曲とともにずっと強く生き残っていく。それを完全に全身で再現したアンドラ・デイが圧巻である。 (1797本目) |
●● トリビア |
●● その他 |
●● 受賞歴 ビリー・ホリデイの半生を『プレシャス』のリー・ダニエルズが描く。歌手アンドラ・デイがホリディを演じる。劇場公開が予定されパラマウントが権利を獲得するも、新型コロナウイルスの影響で延期となり、その後Huluも権利を獲得し、2021/02/26よりアメリカで配信開始。 |
●● サウンドトラック Soundtracks from Amazon.co.jp |
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●● インフォサイト https://www.imdb.com/title/tt8521718/https://en.wikipedia.org/wiki/The_United_States_vs._Billie_Holiday https://www.allcinema.net/cinema/376055 |
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