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Cast >>Pauline Malefane (Carmen), Andile Tshoni (Jongikhaya), Lungelwa Blou (Nomakhaya), Zweilungile Sidloyi (Lulamile Nkomo), Andries Mbali (Bra Nkomo), Zamile Gantana (Captain Gantana), Andiswa Kedama (Amanda), Ruby Mthethwa (Pinki) ...
Director >>Mark Dornford-May
Writer >>Mark Dornford-May, Ludovic Halevy (opera)
Producer >>Mark Dornford-May, Camilla Driver, Ross Garland
Genre >>Musical
Country >>South Africa

 総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>4 音楽 >>5

 レビュー
Interesting, and good interpretation
カルメン(ポーリン・メールファネ)は、南アフリカのケープタウンの郊外のタウンシップに住み、合唱団に入り、タバコ工場に勤めていた。強気で自由な性格ゆえ、トラブルも多かった。警察官のジョンギ(アンディール・ショニ)にも楯突く。そんな中、ジョンギを探しにノマカヤ(ルンゲルワ・ブロウ)がやってくる。彼女はジョンギの病床に臥す母親に頼まれてやってきたのだった。カルメンはまた喧嘩をし、トラブルになる。ジョンギがカルメンを連行するが、カルメンはいつものように、ジョンギを魅了し、まんまと逃げたが...

誰もが知る名作オペラ「カルメン」を南アフリカのコサ語で演出したミュージカル作品。「カルメン」には、アメリカの黒人に置き換えた名作「Carmen Jones / カルメン (1954) 」がある。この映画は南アフリカの現代に置き換えた作品。アメリカの黒人版の「カルメン」は、白人女性により近いドロシー・ダンドリッジがタイトルのカルメンを演じたが、こちらはふくよかな女性がカルメンを演じている。冒頭から、南アフリカ女性の素晴らしさを語る。近代社会が好きなような細身で、色白の女性は、南アフリカで好まれない。演じたポーリン・メールファネの歌声と、その堂々した女性の姿に圧倒される。その姿は我々がイメージする「カルメン」そのもの。そしてその魅力で、やはり男性達を魅了し翻弄していく。元々は舞台だったらしいが、映画では空間を沢山使っているのもいい。カルメンがタウンシップを颯爽を駆け回るシーンも面白い。

南アフリカの警察の腐敗に、どうにもならないタウンシップの堕落した風景、でも自由のまま生きたいと語る力強いカルメンの姿。古典オペラに現代の南アフリカの魂が宿る見事な「カルメン」の解釈だ。
(Reviewed >> 4/14/12:DVDにて鑑賞)

 100本映画
なんか最近私にはアフリカが足りないぞ...と感じてます。

なんとあの古典「カルメン」の南アフリカバージョン。しかも南アフリカの言語のひとつであるコサ語にて演じております。コサ語は、あの舌を打ち鳴らすような吸着音で有名。アメリカのコメディアンも、アフリカ人に化ける時に、あの音を真似する事が多い位、アフリカぽい言語かもしれない。その言葉で歌っていくあの「カルメン」の名曲達。あの「ハバネラ」を吸着音で歌うのが、恰幅のいいカルメン事、ポーリン・メールファネ。ジル・スコットを思わせます。ちなみに、アメリカの黒人版「カルメン」として有名なのが、あの名作「Carmen Jones / カルメン (1954)」ですね。あちらは、主演のドロシー・ダンドリッジもハリー・ベラフォンテも俳優としてだけでなく、歌手としても一流でハリー・ベラフォンテに至っては、歌手としての方がもしかしたら有名かもしれない位なのに、なぜか劇中の歌は吹き替えなんですよねー。でもこちらは出演者が歌っているようです。

内容はかなり「カルメン」とは違いますが、これもまた立派な「カルメン」なのです。アメリカ黒人版の「カルメン」の主役カルメンを演じたのは、ドロシー・ダンドリッジ。彼女はかなり白人に近い容姿の黒人。それもあって人気というのもあった。しかし、この南アフリカのカルメンはそんなの関係ない!いきなり冒頭から、南アフリカでは色が濃くて恰幅のいい、口もしっかりしていて、切れ目なのが良い!と宣言しています。切れ目という英語は、普通英語圏では我々アジア人への偏見の言葉となってますが、一方では意外と黒人の切れ目も多い。所変われば、美意識も全く違う。というか、そうやって宣言しちゃっている所が気持ちいいよね。痩せなきゃ!とか、焦っている女性達よりも、これが私の魅力なの!!って堂々としていて素敵。そういう自信がかっこ良く見える。最初は私も、いやいや「カルメン」じゃないでしょ?って思いました。さすがにね。でも、見ているうちに、彼女も立派なカルメンだわ!って思わす、かっこ良さがあるのです。

しかも物語を現代の南アフリカに据え置いている所もユニーク。葉巻工場が、タバコ工場になっているのも上手い。主役の男性は闘牛士から警察官へと変化。アメリカ黒人版の場合は、ハリー・ベラフォンテは軍人でしたよね。しかも、南アフリカの警察の腐敗も取り入れている。主役の男性の婚約者は、別の形で出てくる。アフリカの家族の密度とか固さを知れます。タロット占いも、アフリカに移れば上手く魔術師に変化します。

元々は舞台だったようですが、映画化するに当たって、これまた空間の面白さも演出。主役のカルメンがケープタウンのタウンシップを駆け回るシーンは面白い。そしてこの映画のカルメンを演じた恰幅のいい女優さんと、この映画の監督はなんと夫婦なのだそう!!監督はイギリス出身の白人男性。今は南アフリカにその女優と住んでいるらしい。2人のコンビネーションの良さもあってか、ベルリン映画祭で金熊賞を取ってます。

 トリビア
有名なオペラ「カーメン」の南アフリカバージョン。ベルリン映画祭で大賞に輝いている。

 その他

 受賞歴
* Berlin International Film Festival
2005 Won Golden Berlin Bear : Mark Dornford-May

 サウンドトラック


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 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt0445776/
http://en.wikipedia.org/wiki/U-Carmen_eKhayelitsha
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Last Modified: 2010-05-12
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