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●● レビュー Racism is more stronger than the fact.1984年ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムで白人の新聞記者デボラ・サイクスがレイプされ殺された。身体的証拠も無いままに、クー・クラックス・クランの男の証言によって、ダリル・ハントという19歳の青年が逮捕され有罪となった。ハントは最初から無罪を訴えており、弁護士と地元活動家達が立ち上がり戦った20年間のドキュメンタリー。 最初の「差別は真実よりも強い」とは、ダリル・ハントと共に20年間戦い続けた地元市会議員のラリー・リトルの言葉。DNA鑑定で、ダリル・ハントが無実であると証明されたにも関わらず、上訴は取り下げられた。 この事件は、一本の電話から複雑になっていく。地元で評判の悪い男ジョニー・グレイがなぜかダリル・ハントの友人のサミー・ミッチェルを名乗って、警察に目撃の電話をした。たったこの1本の電話のせいで、ハントが捜査上に上り、運悪く本当の犯人に似ていた事で、ダリル・ハントは犯人にされて19年と半年を監獄で過ごす事になる。さらに不幸だったのが、このノースカロライナのウィンストン・セーラムという街が、未だに差別が蔓延る街だったという事。それでもハントと弁護士、そして地元活動家達は諦めなかった。 考えても見て欲しい。確かに、ダリル・ハントが一番楽しい時期である20代~30代を無実の罪で監獄で暮らす事になるのは、非常に悲しい出来事である。被害者のデボラ・サイクスに対しても、それは悲しい出来事である。彼女が本当に望んだのは、本物の犯人が罪を滅ぼして欲しいという事。彼女にとっても、ハントが監獄で過ごした19年と半年は苦痛だったに違いない。彼女側の弁護士は、そんな事もお構いなしに犯人を決めつけ、監獄に押し込めた。アメリカの陪審制度は、いいところもあるのかもしれないが、今回は悪い方が出てしまった結果だろう。しかも、今回の事件解決のきっかけになったのが、地元新聞社に勤めるフィービー・ザーウィックという女性の記事で、「差別」や「嘘」がボロボロに剥がれ、真実がむき出しになる。 弁護士は裁判での「真実」の為、活動家達は裁判での「差別」の為、そしてダリル・ハントは、たった一つの「真実」の為に20年間戦い続けた。その20年を追いかけたカメラの計り知れない真実のチカラを目の辺りにする事になる。 (Reviewed >> 5/4/07:TVにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア サンダンス映画祭に出展されたインディペンデントドキュメンタリー映画。HBOにてようやく一般公開される。 1984年ノースカロライナの青年ダリル・ハントが冤罪で20年禁固されていた話のドキュメンタリー。その1984年からダリル・ハントの姿を20年追う。 http://darrylhunt.journalnow.com/ |
●● その他 |
●● 受賞歴 * The BEST OF SOUL2007 Won Best Movie of the Year (Documentary) * Full Frame Documentary Film Festival 2006 Won Audience Award : Ricki Stern, Anne Sundberg * Independent Spirit Awards 2007 Nominated Best Documentary : Anne Sundberg, Ricki Stern * Seattle International Film Festival 2006 Won Golden Space Needle Award Best Documentary : Ricki Stern, Anne Sundberg * Sundance Film Festival 2006 Nominated Grand Jury Prize Documentary : Ricki Stern, Anne Sundberg |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0446055/http://en.wikipedia.org/wiki/Darryl_Hunt Not available from Allcinema |
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