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●● レビュー Welcome to Terminal Islandカリフォルニア政府は死刑が無くなり増えた囚人への対策として、殺人を犯し終身刑となった犯罪者達をすでに命が無くなった者とし、無人島ターミナル・アイランドに島流しにする事に決めた。岸には電気を通し、絶対に逃げられないようなっていた。そこに新しく着いたのが、カーメン(エナ・ハートマン)だった。島ではボビーという男が腕力のあるモンク(ロジャー・E・モーズリー)を手下にし、独裁体制で女囚人を奴隷のように使っていた。カーメンや他の女囚人が川で洗濯しているときに、AJ(ドン・マーシャル)の一味が助けにやってきた。島は真っ二つに分れ、一発触発の状態になり、サバイバルが始まる... 珍しく女性が監督したプロイテーション映画。点数はあまり高く出来なかったが、見所の沢山ある娯楽映画だ。女囚人エクスプロイテーションとしても面白いし、アクションプロイテーションとしても面白いし、ブラックスプロイテーションとしても面白い。島を脱出する刑務所脱出物語だと思われては困る。彼らはそこしか居場所がないのだ。一般社会ではごみ扱いされている男と女が、そこで小さな社会を作る。その社会もヒエラルキー。食うか食われるかの面白さ。女だろうか、男だろうか容赦はない。自分を能力をどう使うかだけが求められる。多少物語が散乱してくる場面もあったが、娯楽映画としては気にならない。若きトム・セレックが一人悩む医師を演じているのも見所。ラストには後の人気の片鱗を見せる活躍を見せている。 ロスト、暴力、囚人、女囚人、エロ、レイプ、奴隷、爆発、銃、ナイフ...最低な物ばかりが並ぶキーワードだけど、これがどうして面白いんだから仕方ない。ターミナルアイランドは最低な楽しい物がすべて揃っているんだから仕方ない! (Reviewed >> 1/28/11:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 偶然に見つけたブラックスプロイテーションというか、黒人が主役だけど黒人ばかりじゃないので、プロイテーション映画ですね。しかも囚人モノ。しかも男女混合。しかも無人島に投げ出されてしまうという「ロスト」状態。無人島の無法地帯で行われる男女が絡むサバイバル... と書くと面白そうでしょ?しかも、若いトム・セレックが出演。でも主役じゃない。どちらかというと、一番下のペーペー。若い頃のトム・セレックはジョージ・クルーニーにそっくりでかっこいい。しかも1人背が高い。しかも屈折した医者役。とはいえ、殺人犯。良い感じで話に絡んできます。話としては、犯罪が多発して刑務所やら監獄がパンパン状態のカリフォルニア。しかし死刑執行を違法とし、刑務所や監獄は益々膨れ上がる。そこで取った対策が、殺人を犯して終身刑となっている者達は、もう死んだと見做して、決して脱獄出来ないように島の海岸線には電気ショックを張った無人島に流す事に決めた。そこには20数名が暮らしている。今回やってきたのが、カーメンという黒人の女性。彼女が岸につくと、電気ショックか何かで死んだ囚人の遺体が至る所に浮かんでいる。最初に話しかけてきたのが、ジョージ・クルーニーそっくりなトム・セレック。みんなはあっちに居るよという事で、次の朝にカーメンは向かう。すると、その島を支配していたのが、白人の男ボビー。彼は黒人で腕力の強いモンクを手下にして島を支配し、女性囚人達を奴隷のように使っていた。しかしそのボビーに反乱して逃げ出した囚人達も居て...という感じです。 このドロドロした囚人ロスト映画を作ったのが、B級映画の神様ロジャー・コーマンの元で働いていたステファニー・ロスマン。名前でも分かる通り、女性の監督。しかも美人!彼女はこれまたロジャー・コーマンのプロダクションで働いていたチャールズ・S・スワーツと結婚。2人はディメンション・ピクチャーズ(もちろんワインスタインのディメンション・フィルムズとは別)を設立。ディメンション・ピクチャーズはあの「Dolemite / ドールマイト (1975)」を全米配給したり、「Boss Nigger / 日本未公開 (1975)」を作ったりしていた。傍から見れば、とんでもない夫婦。プロイテーション映画ファンからしたら素晴らしい夫婦である。 なのでプロイテーション好きなキーワードが満載。プロイテーションのごった煮である。女囚人で爆弾を作れちゃう爆弾娘が居たり、やたらと脱いだりするお色気女囚人が居たりと面白さは尽きない。とは言え、キワモノを極めては居ない。面白いけど、サイテー映画好きにはサッパリし過ぎてるかも。面白いんだけど、人物設定が甘いというか...あれ?あの人はあの人と出来てたんじゃないの?あれ?いつの間にあの人とあの人が...ってな事が多すぎ。そこをもっとちゃんとしていたら、もっと面白かったと思う。ま、そういういい加減な所がプロイテーションの極意ではあるんですけど... そして最後が中々良い。モンクを演じていたロジャー・E・モーズリーが最高。ちなみにモーズリーとトム・セレックは後にセレックが主演となったTVシリーズ「私立探偵マグナム」で共演。 ちなみにタイトルのターミナル・アイランドはカリフォルニアに実在する。でも無人島じゃないし、人工島。なので映画と実物は全く別モノ。そこは世界第2次大戦前には日本からの移民が漁業していた場所。でも野放しにはされてないが、連邦刑務所はその島にもある。昔にはアル・カポネやチャールズ・マンソンがそこに収容されていたらしい。 もしDVDを買うなら、トム・セレックがカバーになっているDVDはおススメしない。それはざっくりと切られている編集版だから。買うなら、映画のポスターがカバーになっているCode Red版をおススメする。こちらは画像も綺麗で、オリジナル版。しかも主役のドン・マーシャルのインタビュー付だ! (0820本目) |
●● トリビア プロイテーション映画では珍しい女流監督が制作している作品。トム・セレックが売れる前に共演者として出演している。この映画にも出演しているロジャー・E・モーズリーとその後に「私立探偵マグナム」で共演している。「The Thing with Two Heads / Mr.オセロマン/2つの顔を持つ男 (1972)」のドン・マーシャルが主役。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0070782/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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