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●● レビュー Dedicated to the world's Black Shack Alleys1930年の夏、ジョゼ(ギャリー・カドナー)はマルチニックの広大なサトウキビ畑が広がる小さな村にチーヌお婆ちゃん(ダーリン・レジティム)と2人で暮らしていた。母親は幼い時に亡くなった。チーヌお婆ちゃんは朝から晩までサトウキビ畑で働いていて、その間ジョゼは近所の子供達と遊んでいた。いつかはお婆ちゃんを楽させたいと思っていた。ジョゼは近所に住むメドゥーズ(ドゥタ・セック)の話を聞く事が大好きだった... 少年が大人になる過程の映画は星の数ほどあるが、この映画程牧歌的で詩的で知的な映画は見当たらないと感じる。11歳のジョゼは、お婆ちゃんを愛し敬いながらも、時にはその存在を煙たく感じる事もある年頃。そのアンバランスの妙をも描写している。またカリブ海のフランス領マルチニックという国、1930年代という時代、奴隷時代、人種差別、その中で起きている皮膚の色の濃さ・薄さによる差別...貧困、等が見事に観客に理解される形で凝縮されている。でも説教臭くはない。観客はジョゼという少年に一喜一憂してしまい、最後には必ずや前向きな印象を残してくれている作品だ。 映画の始まりに「世界の黒人街の者達に捧げる」と出てくる。ジョゼがメドゥーズのアフリカの話に夢中になる。メドゥーズは彼等にとっていつか戻る場所がアフリカだと言う。我々は黒人ではないが、どことなく昔の日本の裏通りにも通じる人と人との結びをも感じさせ、万人に人間の優しさを運んでくれる作品でもある。 (Reviewed >> 8/15/08:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア 舞台となったカリブ海のマルチニック出身のユーザン・パルシーが若干25歳の時に作り上げた作品。原作を14歳の時に読んで、その時に映画化したいと思い、何度も脚本を作り上げた。 パルシーがソルボンヌ大と映画学校を掛け持ちで通っていた時のルームメートがフランソワ・トリュフォーの娘ローラと友人で、ルームメイトがローラにこの脚本を読ませたところ、ローラが大変気に入って、父のフランソワに持っていったという。そのフランソワ・トリュフォーもこの脚本を気に入って、パルシーはトリュフォーの家に呼ばれて「この脚本を映画にする時は何でも手助けをする」と約束され、実際に映画撮影クルーをセッティングしたという。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 >> Cesar Awards, France1984 Won Best First Work : Euzhan Palcy >> Venice Film Festival 1983 Won Best Actress : Darling Legitimus 1983 Won Silver Lion Best First Work : Euzhan Palcy |
●● サウンドトラック 1. バク・チ・ブク(渡し舟チ・ブク号)(マラヴォワ) 2. 南京虫のビギン(ロラン・ルイス) 3. ハイ・ライフ(グループ・スラップスキャット) 4. マン・チーヌ(チーヌばあちゃん)(グループ・アンチエ) 5. メメ・トンベ(フレール・グリヴァリエ) 6. バク・チ・ブク(渡し舟チ・ブク号)(ポロ・ロジーヌ・マリ) 7. ダイ・マン 8. ジョゼに捧ぐビギン(グループ・アンチエ) 9. コンゴよ立て(フレール・グリヴァリエ) 10. マルチニックは苦しんでいる(黒人街の住人たち) 11. 南京虫のビギン(別テイク)(ロラン・ルイス) 12. ジョゼに捧ぐビギン(別テイク)(グループ・アンチエ) Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0086213/http://en.wikipedia.org/wiki/Sugar_Cane_Alley http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22549 |
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