|
●● レビュー Blinded母ウィディ(メイディ・ノーマン)と娘アルバータ(メアリー・アリス)は南部からシカゴに移り住んでいた。母は娘をコントロールしようと抑圧し、自分の弟のドク(スキャットマン・クローサース)を使い監視までしようとしていた。そんな時、1人で留守番していたアルバータの元に1人の盲目の男性ブラインド・ジョーダン(リチャード・ワード)がやってきた。母には家には誰も入れないように言われていたが、アルバータはジョーダンを入れてしまう、ジョーダンはお礼に歌を歌った。その姿にアルバータは惹かれてしまう... 有名なニグロ・アンサンブル劇団による舞台。たった4人の密室劇。ニグロ・アンダンブル劇団が育てた劇作家フィリップ・ヘイズ・ディーンが書いた作品。映画俳優・監督として知られるアイヴァン・ディクソンが監督している。「舞台をそのまま」というコンセプトの元、ディクソンは母と娘のアパートという密室劇のまま、この作品を残している。4人しか出てこないこの舞台は、一人一人の俳優の力が必要になっている。その中で、メアリー・アリスは抑圧された娘をかなり情熱的に演じている。そしてメイディ・ノーマンは気味が悪い程に厳しく怖い母を演じている。そのタイトルを直訳すれば「抑制できない豚達の小屋」はつまり如何わしい場所という意味でもある。そこに吸い込まれるように入ってきたブラインド・ジョーダンの設定もまた面白かった。グレードマイグレーションで希望を持って大都市シカゴにやってきた人々の残酷な結果を見るのだ。 ニグロ・アンサンブル劇団の醍醐味。それが今の時代でも味わえる事に感動だ。 (Reviewed >> 5/20/11:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 ニグロ・アンサンブル劇団...と言えば、泣く子も黙ると言いますか...分かる人には凄く分かる凄い劇団なのである。1967年の夏に俳優のRobert Hooks (ロバート・フックス)と劇作家のダグラス・ターナー・ワード(Douglas Turner Ward)、そして劇場支配人のジェラルド・クローン(Gerald Krone)によって設立された劇団。もちろんそれ以前から黒人が劇団で活躍する事はあっても思いどうりになる事は皆無だった。ロバート・フックスとダグラス・ターナー・ワードが舞台で一緒になった時に、「いつかは黒人によって黒人の為の劇団が作りたい」という夢を一緒に持つようになって、ロバート・フックスが舞台に立ち資金を集め、ダグラス・ターナー・ワードが作品を書いていくようになった。そこで白人の劇場支配人のジェラルド・クローンの助けを借りて、この「ニグロ・アンサンブル劇団」が出来た。ここからはルイ・ゴセット・ジュニア、ローレンス・フィッシュバーン、サミュエル・L・ジャクソン、アンジェラ・バセット、そしてデンゼル・ワシントンという錚々たるメンバーを輩出している。俳優だけでなくて、チャールズ・フューラーやローン・エルダーという劇作家が育ち、彼等はオスカーの脚本部門でノミネートされている。と、まあ凄い劇団なのです。前置きが長くなりましたが、そのニグロ・アンサンブル劇団が制作の舞台。PBSが放送。PBSは「Great Performances」というタイトルで、1972年から人気の舞台やライブをTV放映しているのです。しかもこの作品の監督はIvan Dixon (アイヴァン・ディクソン)!いい俳優でもあるけれど、いい監督でもあるのです。しかも主役がMary Alice (メアリー・アリス)。しかも4人しか出てこない密室劇。凄いですよー。メアリー・アリスの演技が凄すぎる。途中、神との会話で恍惚してしまうシーンがあって、それはかなりの見もの。あの長台詞をロングショットでカメラ一台で撮り続けたのは、メアリー・アリスの女優根性と俳優でもあるアイヴァン・ディクソンとのガチンコ勝負なのですよ。それに見事にこたえてしまうのが、メアリー・アリスのカッコよさなのですよ。 物語は南部からシカゴにやってきた母と娘のアパートで起こる。何と言うか、母は娘をかなり厳しく躾けた。娘はいい年頃なのに、一人で留守番する時になると母は「いい子に留守番していたら、アイスクリーム買ってきてあげるからね」なんて言われてしまう始末。娘はそんな状況に薬を飲む程に病んでいる。そして一人留守中に来るのが、盲目のブラインド・ジョーダンという男。彼もまた南部からギター1つもって、グレースという女性を探しているのです。人は入れちゃいけないよと母に言われているのに、娘はジョーダンをアパートに入れてしまうのです... この時代の黒人舞台ドラマは面白かった...「A Raisin in the Sun / 日本未公開 (1961)」がそれらの始まり。実は続けて別の舞台の映像も見ているのですが、それも面白いのです。ニグロ・アンサンブル劇団、最高! (0857本目) |
●● トリビア ニグロ・アンサンブル劇団の有名な舞台の1つを、TV放映用に制作された作品。こちらの作品の監督は俳優としても活躍し、監督として「The Spook Who Sat by the Door / ブラック・ミッション/反逆のエージェント (1973)」等で有名なアイヴァン・ディクソン。舞台での配役はこの作品とは全く違い、オリジナルキャストはアドルフ・シーザー(Doc)、フラシス・フォスター(Alberta Warren)、モーゼス・ガン(Blind Jordan)、クラリス・テイラー(Weedy)、代役でジュリアス・ハリス(Blind Jordan)。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
|
●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0265819/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
|
|