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●● レビュー Thelonious Himselfモダンジャズの巨匠の一人であるセロニアス・モンクを追うドキュメンタリー。使われた映像はドイツ(当時は西ドイツ)のテレビ局が1967年にモンクを6ヶ月追ったもの。 セロニアス・モンクは天才である。しかしドイツのテレビ局が追ったこの時期から、モンクの精神は少しずつ変わりつつあった。ステージの前の緊張感、アムステルダムの町で人々に気づかれた時の気まずさ、レコーディング中、ステージでも...色々な所にその片鱗が見れた。しかしステージが上手く行った後の嬉しそうな笑顔や、ステージ中の楽しそうな顔もある。このドキュメンタリーの面白さは、ただ人々が人物について語り、当時の映像を振り返るだけでなく、モンクの音楽そのものにある。他のどのドキュメンタリーよりも、モンク自身の演奏シーンが多いのだ。楽しい演奏もあれば、苦悩しながら生まれた演奏もある。 モンクを語るのに一番相応しいのは、やはりモンクの音楽そのものなのである。まずは聴け!そうなのだ。 (Reviewed >> 7/30/15:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 セロニアス・スフィア・モンク。セロニアスというとても珍しい名前もカッコイイし、モンクは修道僧でなんかモンクをより魅力的にしている。さらにはミドルネームがスフィア。もう名前からして最高にクールでカッコイイ。こんなカッコイイ名前は見たことないレベルだ。有名人になるしかない名前。名前負けしなかったセロニアス・スフィア・モンク。名前以上にそのピアノ演奏が天才的なのだ。ジャズ・ジャイアントの1人として名を残したセロニアス・モンクのドキュメンタリー。このドキュメンタリーではツアーを追ったり、レコーディングを追ったりしている。その映像は、ドイツ(当時は西ドイツ)のTV局が半年かけてアトランタやヨーロッパツアーを追ったときの映像である。舞台裏のモンクが見れる。パトロンであるニカ・ドゥ・コーニグズウォーター(パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター)にペンを貰って試し書きするシーン、そのニカの「猫屋敷」で猫を抱きながら外を眺めるモンク。そして若い時からずっとモンクを支えてきたネリー夫人。モンクよりも数倍小さいからだをフル活用して、モンクの身支度したり、飛行機のチェックインしたりと甲斐甲斐しくて可愛い。モンクに「今幾ら持ってるの?」とお金の事を聞かれた時はイラっとしていて、お金を管理している妻なら分かるわー!ってなった。天才な夫を支える妻。普通じゃない夫婦だけど、やっぱりどこか普通な夫婦な場面もあるのだ。 そして息子T.S.モンクがプライベート&父としてのモンクを語り、モンクの右腕と言ってもいいであろうチャーリー・ラウズがミュージシャンとしてのモンクを語る。この上ない布陣。このドキュメンタリーの一番の見せ場は、テオ・マセロとのレコーディングでのやりとりであろう。マセロはマイルス・デイビスも手がけた凄腕プロデューサー。マセロはレコーディング室に入ってきた瞬間から、挨拶が独特で人々を巻き込んでいる。モンクにはリハーサルなど必要ないのだ。一回の演奏に全身全霊で全てを掛ける。バンド仲間もそれは承知なのだ。なのにマセロは録音していない。激怒するモンク。この映像は音楽の歴史となった。 ニーナ・シモンの『What Happened, Miss Simone? / 日本未公開 (2015)』でも思いましたが、天才は天才にしか分からない苦悩があるのだと感じました。あの状況で一線で作曲し演奏し続けるプレッシャーって、私たちの想像以上だと... (1396本目) |
●● トリビア ジャズ・ピアノの天才セロニアス・モンクのドキュメンタリー映画。クリント・イーストウッドが制作。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0098465/http://en.wikipedia.org/wiki/Thelonious_Monk:_Straight,_No_Chaser http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=12841 |
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