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●● レビュー Solid remake19歳のスパークル(ジョーダン・スパークス)はシンガーソングライターになる事を夢見ていたが、厳しい母(ホイットニー・ヒューストン)の反対もあり、中々一歩が踏み出せずにいた。年の離れた姉シスター(カーメン・イジョゴー)は美貌にも才能にも勇気にも恵まれ、地元のステージ裏にスパークルと居た。シスターはそのステージでスパークルが書いた曲を歌い、成功させる。その2人を見ていたスティックス(デレク・ルーク)はマネージメントをオファーする。スティックスは、彼女達のもう一人の姉妹ドロレス(ティカ・サンプター)も含めて、3人のガールズコーラスグループを企てる。その計画が当たり、彼女達はスターダムを駆け巡るが、シスターは人気コメディアンのサテン(マイク・エプス)に見初められ、仲良くしていたリヴァイ(オマリ・ハードウィック)を捨ててしまう。しかしサテンには裏の顔もあって… オリジナルの同タイトル「スパークル」は70年代後半の隠れたカルト映画。その映画が元であの「ドリームガールズ」の舞台は作られたと言われている。オリジナルでスパークルを演じたアイリーン・キャラ、シスターを演じたロネット・マッキーは黒人の男性のアイドル的存在になった。そしてスティックスを演じたマイケル・フィリップ・トーマスの活躍は「マイアミ・バイス」などで知るところだ。オリジナルはハーレムが舞台だったが、今回は分かりやすくモータウンの本拠地のデトロイトに移し、年代もオリジナルとは10年程違う。なのであまりオリジナルに忠実には作られていない。残念ながら、オリジナルの名台詞「お母さんはゴキブリを見れば、ゴキブリだって分別できるのよ」という台詞はない。悪いサテンを意味する粋な台詞だった。しかし、母を演じたホイットニー・ヒューストンには歌がある。彼女が歌う有名なゴスペルは、やはり彼女の死を受けてか、劇場で涙を流してしまうのだ。そして今回、意外な才能を見せているのがマイク・エプス。彼の存在感と厭らしさ(良い意味での)は、この映画をミュージカル映画以上のものにしていた。 オリジナルを尊重した素晴らしい作品!という訳ではないけれど、新しい作品としてそこそこ見られる。オリジナルのようにカルト作品になるとは思えないが、ホイットニー・ヒューストンの遺作としては正解。彼女が居なくなって本当に寂しい思いを、観客はこの映画で経験することになる。 (Reviewed >> 8/19/12:劇場にて鑑賞) |
●● 100本映画 ホイットニー・ヒューストンの遺作となってしまったのがこの作品。それ故に、どうもホイットニー・ヒューストンを目で追ってしまう。ああこれからホイットニーは路線変更して、こういう女性を演じていくんだろうなって思ったら、彼女の存在が今はない事が本当に寂しく思えてきてしまいました。この映画は「Sparkle / 日本未公開 (1976)」のリメイク作品だが、別作品と考えた方がファンは楽。大筋は似ているけれど、肝心な所は変えてある。76年のオリジナルは、ハーレムが舞台で主役のスパークルは若干15歳。それ故に年の離れた長女のシスター(ややっこしい名前だけど)に憧れを抱いていて、かなりのシスコン気味。今回は分かりやすくモータウンの本拠地デトロイトが舞台で、スパークルは19歳の設定。シスターとは仲が良いが、オリジナルのようなシスコン気味ではない。オリジナルではスパークルの3姉妹とスパークルの彼スティックスとシスターの彼レヴィの5人でグループを組んでいたけど、今回は最初から3姉妹のコーラスグループ。年代設定もオリジナルは1958年でこちらは1968年と10年の差がある。史実と合うように設定を色々と変えたのでしょうね。確かに分かりやすかった。ただ私には一つだけ変えて欲しくない部分があった。お母さん役のメアリー・アリスの台詞「私は生まれてからずっとハーレムで生活してるのよ。ネズミが居ればすぐに分かるわ」という台詞。自分の娘シスターを無様な姿に変えてしまったサテンへの言葉。「あなたが悪い人なんてお見通しよ」って意味。この台詞をちょっと掠れ声のホイットニーが言ったら、迫力あるだろうなーと期待してたのですが、無かった| ̄ω ̄、|グスン ホイットニーの本業は歌手。やっぱりその歌は見ごたえありました。彼女が歌った「His Eye Is On The Sparrow」というゴスペルは、どうしても涙が出てきてしまいます。この曲は「Cabin in the Sky / キャビン イン ザ スカイ (1943)」とか「Pinky / 日本未公開 (1949)」に出演していたエセル・ウォーターズの十八番であり、彼女のお気に入りの曲。 このエセルとは違って、ホイットニーは母親の娘を思う気持ちをたっぷり込めてしっとりと歌い上げていたのが印象的。 ホイットニーを中心に書いてみたけど、この映画で文句なしに素晴らしいのは悪者サテンを演じたマイク・エプス。アイス・キューブと馬鹿やってる印象しかないけれど、この映画では非常に上手いので、正直驚いた。「Dreamgirls / ドリームガールズ (2006)」のエディ・マーフィ的な良さがありましたね。上手くいけばオスカーノミネートもあったかもしれないけれど、この映画自体が公開後数日で全く話題に上らなくなかったからね。残念!!実はマイク・エプスってあんまり好きなコメディアンでも俳優でも無かった。彼がリチャード・プライヤーの自伝でプライヤーを演じると聞いた時には「ぜーーーーーーーーったいに無理!」位に思ってました。でもマイク・エプスのプライヤーも見てみたいかも。この映画のサテンも人気コメディアン役なので余計に。 そしてこの映画で重要なのが実はタイトルの「スパークル」じゃなくて、長女のシスターって事はオリジナルと一緒。シスターを演じたのが、あのジェフリー・ライトの妻カーメン・イジョゴ。ジョーダン・スパークスやティカ・サンプターの姉だとしても、ちょっと年取ってないか?とは思ったけれど、無茶苦茶綺麗でした。 ラストがねー。何か急に時間が無くなったのか、かなり急ぎ過ぎな印象。あれれ?ってな具合に終わっていく。観客としては、えー、ちょっと待ってーってなりますわ。 (1026本目) |
●● トリビア ホイットニー・ヒューストンの遺作となった作品。オリジナルは1976年の同タイトルの作品。オリジナル作品はミュージカル「ドリームガールズ」に影響を与えた。そしてその「ドリームガールズ」の映画がヒットし、その影響でこの作品がリメイクされている。面白いめぐり合わせで作られた作品。 監督にはBETのTVシリーズや、「Jumping the Broom」を成功させたサリム・アキル。脚本にはそのアキルの妻マーラ・ブロック・アキル。 リメイクの話は10年近くあり、アリーヤの名前やアシャンティという名前が挙がっていた事もある。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック By R. Kelly1. I'm A Man - Cee Lo Green 2. Yes I Do - Carmen Ejogo 3. Running - Goapele 4. Jump - Carmen Ejogo, Tika Sumpter & Jordin Sparks 5. Hooked On Your Love - Carmen Ejogo, Tika Sumpter & Jordin Sparks 6. Something He Can Feel - Carmen Ejogo, Tika Sumpter & Jordin Sparks 7. His Eye Is On The Sparrow - Whitney Houston 8. Look Into Your Heart - Jordin Sparks 9. One Wing - Jordin Sparks 10. Love Will - Jordin Sparks 11. Celebrate - Whitney Houston & Jordin Sparks Soundtracks from Amazon.co.jp |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt1876451/http://en.wikipedia.org/wiki/Sparkle_(2012_film) Not available from Allcinema |
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