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●● レビュー Birth of epitome1881年、軍法会議が行われようとしていた。将校の娘の殺人罪の容疑者の弁護を務めるのが若き熱血漢トム・カントレル中尉(ジェフリー・ハンター)だった。容疑者は第9連隊バッファロー部隊を率いるみんなから信頼されていたブラクストン・ラトレッジ一等軍曹(ウッディ・ストロード)だった。ラトレッジはきっぱりと無罪を主張するが... 名監督ジョン・フォードが監督した西部劇と法廷ドラマが混ざった社会派作品である。映画が出来た当時は60年代の黒人革命が真っ只中ではあったが、まだまだ黒人差別を扱った社会派作品は少なかったのが現状である。ましてやジョン・フォードのような有名な監督がそこに挑む事は少なかった。その中でジョン・フォードはウッディ・ストロードという名優を使い黒人の威厳を保ち、黒人問題に果敢にチャレンジし、尚西部劇を織り交ぜる事でエンタテイメント性を取り入れた面白い作品を作り上げている。しかし、そこにはやはりトム・カントレル中尉のような白人ヒーローは必要だった訳で、この方法は後の「グローリー」という作品にまで使われている。 ジョン・フォードは自分の大好きなロケーションと俳優を使い、この素晴らしい作品を作り上げた。しかしジョン・フォード監督がこの問題にチャレンジしたのが、この1作品だけというのがとっても残念でもある。 (Reviewed >> 10/1/10:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 名監督ジョン・フォードのウエスタン作品。ウエスタンと言っても普通のウエスタンとは違って、軍の法廷を舞台にした社会派ドラマ。でもジョン・フォードらしいモニュメント・バレーの壮大な姿もちゃんと美しく出てくる。今回原題の「ラトレッジ軍曹」を演じたのが「Black Jesus / 日本未公開 (1968)」のウッディ・ストロード。彼が演じたブラクストン・ラトレッジ一等軍曹は、第9連隊バッファロー部隊(黒人部隊)をリードし尊敬されていた人物。所がその英雄ゆえにたまたまいた場所と時が悪く... キャプテンとその娘を殺した罪で逮捕されてしまうのです。その弁護を買って出たのが白人の若き熱血漢トム・カントレル中尉という人物。この手の白人の上司が黒人の優秀な部下を助けるというのは、今でもある手法ですよね。同じ軍隊ものの「Glory / グローリー (1989)」がまさにその典型。「グローリー」は史実とも違うから性質が悪い。でもジョン・フォードのこの作品にはそのバツの悪さは全く感じませんでしたね。寧ろジョン・フォードの演出の上手さに拍手したくなる位。つまらない法廷シーンだけでなく、サスペンス調でありながら、ウエスタンのアクションあり、社会派ドラマを混ぜた娯楽に優れそして問題を投げかけてくる作品。これまたウッディ・ストロードの多くを語らず威風堂々たる風貌がこの役にぴったり。ファノ・フェルナンデスの老兵ぶりも中々。ちなみにファノ・フェルナンデスはプエルトリコ出身の黒人俳優。30年代からオスカー・ミショーの映画にも出演しているベテラン俳優。ジョン・フォードの黒人差別を扱った作品をもっと見たかった。名監督故にそれなりのパワーを持っていますからね。「駅馬車」とか見てファンの人々はこの作品に少し驚いたんじゃないかと思う。この位の関係性が丁度いいのかもしれませんね。この当時は(今でもか)あんまり関わるとすぐに「黒人好き」のレッテル貼られますから。この映画が出来た1960年は公民権運動が絶頂期を迎えていた頃。モントゴメリーのバスボイコットが1955年。シットインが1960年。公民権運動はジョン・フォードをも動かしたのかもしれませんね。真相は分かりませんけど。そうであって欲しい。映画が制作された年とその時代は影響されていて当然だと思うし。 (0764本目) |
●● トリビア 名監督ジョン・フォードが「バッファロー・ソルジャー」と呼ばれたアメリカの陸軍にあった黒人部隊の男が白人の女性をレイプし殺人したとの軍法会議に掛けられる話を映画にした。ウエスタン映画の伝説ウッディ・ストロード、そしてファノ・フェルナンデスが出演している。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. "Captain Buffalo" - Mack David and Jerry LivingstonSoundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0054292/http://en.wikipedia.org/wiki/Sergeant_Rutledge http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=18398 |
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