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●● レビュー "Music is all in discord to Louise"美貌には恵まれていたが、家庭と環境には恵まれていなかった女の子ルイーズ(ルシア・リン・モーゼス)。義理の父親スパイク(ウィリアム・E・ぺタス)からは、暴力もあった。しかしたまたまその現場を見かけたのがアルヴィン(ハリー・ヘンダーソン)で、アルヴィンはルイーズを救った。アルヴィンは音楽の才能に恵まれており、しかも裕福な家の出であった。アルヴィンが下宿していた家の家長であるグリーンさん(アン・ケネディ)は、うちの部屋を使って、その代わりにお手伝いしてね、という事で、ルイーズは暫く下宿で世話になっていた。しかしスパイクにツケを許していたエディ(ノーマン・ジョンストーン)は、綺麗なルイーズをバーで働かせてお金儲けを考えていた。ルイーズとアルヴィンは愛し合うようになり、結婚するが、とある出来事が起こり... オール・ブラック・キャストのサイレント映画。しかし監督・脚本家・プロデューサーなどの裏方は白人。しかし黒人俳優が黒人観客のために作られた作品である。恵まれない女性に白馬に乗った王子様が現れるメロドラマ。しかし、そこには一ひねりがあり、一筋縄ではいかない。中々幸せにはなれない女性。しかも結末がこれまた... 可哀想過ぎる!結局は裕福な人が恵まれてしまう。面白いんだけど、納得は出来ないよね。だけれど、当時からある黒人内の格差が見れるのが興味深い。義父からの暴力によるタイトルの「傷跡」よりも、アルヴィンからルイーズに対する格差による恥じらいからの「傷跡」が、ルイーズにとっての最大の傷となった。 舞台もフィラデルフィアで、その当時の町が垣間見られるのも面白い。 さすがに白人の脚本家が書いた作品なので、メッセージ性は説教臭くて胸には刺さってこない。しかし、珍しく貴重な作品が残っているだけでも十分な存在価値があるだろう。 (Reviewed >> 3/27/14:TV放映にて鑑賞) |
●● 100本映画 この前のオスカー・ミショーに続き、クラシック映画を。しかもこちらはサイレント映画。という事で、この時代には既にオスカー・ミショーという自主制作の黒人映画監督が誕生しておりましたが、こちらは白人の監督・脚本・制作者が作った作品。でもオール・ブラック・キャスト。まあこの後にその手の映画は多くなる。黒人の観客を狙った...というか、黒人からもお金が取れるなって、やっと分かってそこに目をつけたというか... 20年代から40年代は特にこの手が多くなり「レイス映画」と呼ばれるようになる。でもそれも50年代に入ると、シドニー・ポワチエが登場して少し事情が変わる。という事で、この映画がそれ(レイス映画)の先駆け。この映画に続いて「Hallelujah! / ハレルヤ (1929)」が制作。ってか、私は「ハレルヤ」書いてなかったね。昔に見ているので早々に書こうと思う。女の子ルイーズ(ルシア・リン・モーゼス)は色々と恵まれていなかった。育った環境が一番大きい。義父スパイク(ウィリアム・E・ぺタス)は、そんなルイーズに暴力まで振るう。たまたまその現場を目撃してしまったのが、アルヴィン(ハリー・ヘンダーソン)だった。アルヴィンはルイーズとは逆で育った環境も良く、家柄も良かった。正義心に溢れ、音楽の才能にも恵まれていた。そんなアルヴィンがルイーズを救うのは当然の事だった。ルイーズの事情を知った、アルヴィンが世話になっている下宿のおばさん(アン・ケネディ)は、そんな義父がいる家に帰らないで、うちの部屋を使いなさい、その代わりにお手伝いしてね、とルイーズを迎い入れた。そして恵まれないルイーズだが、美貌には恵まれていた。なので同情しているアルヴィンがルイーズに恋をしてしまうのは時間の問題だった。ルイーズはアルヴィンと結婚。幸せな結婚生活もつかの間。義父スパイクがお酒のツケをしているバーのオーナーであるエディ(ノーマン・ジョンストーン)は、前々から綺麗なルイーズをバーで働かせてお金儲けを考えていたのだ。エディはスパイクを脅し、ルイーズを連れ戻そうと考えていた。しかもアルヴィンは結婚した事を実家には隠していたのだった。まんまとエディとスパイクの策略がはまるが、もっと悪い事情へと向かっていくのだった... 昼ドラのようなメロドラマ。私が書いていない後の方が壮絶なのですよ。ここからまた色々と起きる。えー!っていう驚きね。その話しの展開が昼ドラ的なの。でもね、最後は悲しいね。ルイーズ、本当に恵まれていない!!やっぱり恋愛に関しては女性の方が情が強いかと... そしてタイトルの「恥の傷跡」が、ルイーズを追い込んだ。アルヴィンの心の中に潜んでいたルイーズの出自への恥。それがルイーズに傷跡を残した。そしてその傷跡ゆえに、お金に執着して落ちていった自分への恥。そんな傷跡がルイーズを破壊していく切ないドラマ。でもルイーズが全然報われないので、観客もどう感情をコントロールしたらいいのか分からなくなってしまうのです。なんだかなーと、稲川淳二になってしまう。アルヴィンとは別にお金持ちな家族が登場するんだけど、そこの家長であるお父さんがそんなルイーズの姿を見て「我々同胞達は学ぶべき事が沢山ある!」って嘆くんだけど、それもなんだかなーと思ってしまう。上からだよね...と、金がそんなに人を偉くするのか!とね、思ってしまうんですよ。いや、お父さんいい人なんだけど... ちなみにそのお父さん役のローレンス・チェスナルトはオスカー・ミショー映画の常連俳優。 フィラデルフィアの映画制作社が制作。実はこの映画会社は、黒人のヴォードヴィル俳優・コメディアンであったシャーマン・ダドリー(生まれはテキサス)が設立した会社。舞台もフィラデルフィア!! (1215本目) |
●● トリビア レイス映画の走りとなった作品。伝説的な「カラード・プレイヤーズ・フィルム・カンパニー・オブ・フィラデルフィア」が初めて制作した映画。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0018362/http://en.wikipedia.org/wiki/The_Scar_of_Shame Not available from Allcinema |
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