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●● レビュー No Woman, No Cryキューバの最初の女流監督サラ・ゴメスの生涯を追うドキュメンタリー。 アメリカに一番近くて、そして遠い存在であるキューバ。そこで1960年代から70年代に女性初の映画監督として活躍したのがサラ・ゴメス。しかし31歳という若さで亡くなった。しかしサラは映画によって、キューバの黒人系が抱える問題やアイデンティティについて描こうと努力していた。サラの最後の夫であり、サウンド係として一緒に映画も作っていた夫が、今回のドキュメンタリーではインタビューに答え、サラの映画について語っている。またサラの娘や息子も登場し、女性としてのサラ像が見えてくる。 ずっと遠い存在だと思っていたキューバ。キューバは映画産業には力を入れていて、日本にも映画祭等で多く公開されている。サラ・ゴメスという女性、そして監督、そしてアフロキューバ人、そして何よりキューバという国... それらが近い存在にさえ感じられるドキュメンタリー作品。 (Reviewed >> 8/8/10:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 アメリカからは近いようで遠い国キューバ。その国で女性として初めて映画監督となったのが、このサラ・ゴメスという女性。タイトルでも分かるように彼女はアフロキューバ人。所謂、キューバの黒人。そのサラが活躍していたのが60年代半ばから70年代。これからという時に31歳という若さで亡くなっております。その若き女性は、キューバでの黒人が抱える問題点などを描きたいと果敢に映画の中でチャレンジしていたようです。彼女が作った実際の映画は見た事ありませんが、このドキュメンタリーでは資料として所々を見る事が出来ます。凄いです。ものすごくカッコイイ。でも彼女自身は貧しい家から出た訳じゃなくて、中産家庭で育ったとの事。でもかなり破天荒。最後の夫となった男性は、一緒に映画に作ってる時に知り合った音響関係の人物。出会った頃は、まだサラは別の男性と結婚していたそう。ワイルドだね。でもその破天荒ぶりが、彼女の作品の芸術性をより一層際立てているように感じました。とにかくスクリーンの絵がカッコイイ。そういう映画をね、アメリカではまだメルヴィン・ヴァン・ピープルスの「Sweet Sweetback’s Baadasssss Song / スウィート・スウィートバック (1971)」が出来てなかったからね。そういう事実が更にカッコイイ。今回のドキュメンタリーはスイス人の若い女性がキューバのサラの遺族達に話しを聞いています。その最後の夫や息子や2人の娘達が登場してきます。最後には遺族がサラが映画の撮影に使った場所や出演者達に会いに行って話しを聞いたりしてます。息子は今ミュージシャンで、彼のバンドのリードボーカルの女性もサラに影響を受けた事を語ってました。彼女はキューバらしいドラムのリズムでラップする女性。その彼女が「今我々は黒人としてのアイデンティティを発展する過程に居る」と語っていた。そして最後には最後の夫は映画を撮られていて懐かしくなったのが、撮影場所に乗り込んだ時には音響の手伝いしてました。 ヨルバという言葉が何度か出てきた。アフロ・キューバ人にはヨルバの宗教が根付いているらしい。そしてやはりキューバの黒人もドラムと密接。今ではヒップホップだって根付いている。そして最後はボブ・マーリーの「No Woman, No Cry」でみんな踊る。そしてサラの娘が着ていたTシャツにはなぜかハングル文字が書いてあった。キューバってやっぱり近いようで、まだまだ知らない事が沢山あるみたい。でもすごく近づけたと思う。とにかくサラ自身の作品を見たいと心から思った。 (0743本目) |
●● トリビア スイス人のアレサンドラ・ミュラーが監督した、キューバ人女流監督サラ・ゴメスについてのドキュメンタリー。彼女の夫や子供達に話を聞いている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト Not available from IMDBhttps://en.wikipedia.org/wiki/Sara_G%C3%B3mez Not available from Allcinema |
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