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Cast >>Ashton Sanders (Will), Tishuan Scott (Nate), Keston John (Marcus), Bill Oberst Jr. (Burrell), Christine Horn (Rachel), Alfonso Freeman (Isaac), Raven Nicole LeDeatte (Abby) ...
Director >>Chris Eska
Writer >>Chris Eska
Producer >>Jacob Esquivel, Jason Wehling
Genre >>Drama
Country >>USA

 総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>4

 レビュー
"You can travel with me long as you want"
1864年、南北戦争も終盤を迎えていた頃、まだ少年のウィル(アシュトン・サンダース)は家族を失いおじのマーカス(ケストン・ジョン)と生活していた。マーカスとウィルは白人の逃亡奴隷を追う賞金稼ぎの白人バーレルに使われており、彼らはそれによって自由を得ようとしていたが、結局は奴隷のように使われていた。バーレルは、マーカスとウィルに別の町で墓堀の仕事をしているネイト(ティシュアン・スコット)を呼び出して来いと命令した。連れて来ないで逃げたら、2人を殺すと脅した。マーカスとウィルは、ネイトを探し見つけ出すと、ネイトの兄弟が死の床につきつつある、兄弟はネイトに会いたがっているとウィルは嘘をネイトに伝えた。3人はネイトの故郷に戻ろうとするが、途中でマーカスは白人に殺されてしまう。それでもウィルはネイトを故郷に連れ戻そうとするが、ウィルとネイトの間には不思議な関係が築かれつつあった...

『ジャンゴ』の成功により奴隷映画が近年また増えてきたけれど、この映画はその中でも異色。ごくごく真面目なドラマ作品。しかも上手い!もうすぐ南北戦争は終わりに近づいていて、それが終われば奴隷が開放されるというのを観客は理解している。しかしその奴隷制で黒人の家族はバラバラになっている。ウィルの家族もバラバラというか、ウィルとマーカスしか残っていないし、ネイトもまた家族がバラバラであった。逃亡に成功したけれど、妻とは17年も会えていない。迎えに行きたくても行けなかった。そんな中でウィルとネイトは出会ってしまうのだ。ウィルとマーカスは家族ではあるけれど、愛情はほぼ無い。マーカスは自分が生きていくのがやっとで、正直ウィルのことはどうでもいいのだ。そしてネイトが登場する。彼も生きる事に必死ではあるが、愛情のある男で、どことなくミステリアスで、何でも器用に出来るこの男はウィルにとって気になる男であった。ウィルは少年らしい真っ直ぐさをネイトに体当たりしていく。妻と家族を築けなかった男にやってくる父性。2人は欲しかったものを見つけてしまったのだ。「好きなだけ一緒に旅していいよ」と言われて、一人こっそり泣く少年の涙が、観客をたまらなくさせる。

歴史を知る。そして家族とは何か?を知る。この英語タイトル通り、救済され、そして捜し求めていたものなのだ。
(Reviewed >> 2/24/15:ストリーミングにて鑑賞)

 100本映画
ブラックムービー、及び小規模な地方系アワードでは評判良かった作品。実際に面白かった!舞台が南北戦争時代のインディペンデンス・ドラマです。

大砲や燃える音など南北戦争の戦火が続く1864年。ウィル少年(アシュトン・サンダース)は、女性宅に行きそこの小屋で寝かせてもらった。その小屋にはすでに何人かの別の奴隷が寝ていた。そして夜中こっそり抜け出した。その後は馬に乗り銃を持った白人バーレル(ビル・オバースト・ジュニア)が小屋に居た奴隷たちを捕らえた。バーレルは逃亡奴隷を捕まえてお金を稼ぐ賞金稼ぎだったのだ。ウィルはおじのマーカス(ケストン・ジョン)と共にバーレルの下で働かされていたのだった。そしてバーレルはマーカスに、別の町で墓堀をしているネイト(ティシュアン・スコット)という男を呼び出して来いと命令される。連れてくれば、今度こそ自由にさせてくれ、失敗すれば殺されると言われた。マーカスはウィルを連れてネイトの元に急ぐ。ウィルはネイトにネイトの兄弟がもうすぐ亡くなりそうで、死ぬ前にネイトと会いたいと言っているので来たと告げた。ネイトは不本意ながら2人と共に故郷に向かう。道すがらネイトとウィルは会話をしていくうちに、ウィルはネイトのその堂々とした姿に興味が出てくる。そんなウィルを見てマーカスは、ネイトを連れていかないと俺たちが殺されるので、ネイトと仲良くするなと釘を刺される。しかし、途中でそのマーカスも亡くなった。ネイトとウィルは2人で旅を続けるが...

私、アメリカの黒人と親交し始めてもう20年以上経つのですが、最初は驚いたけど、今はソレが一番好きだなーと思うのが、知らない人でも挨拶する所。いや、アメリカ人同士は知らなくても挨拶してくる。でも黒人同士はそれとも違う、何か特別な感じがする挨拶なのだ。例えば、アメリカ人同士でもアメリカでならするけれど、アメリカ人同士が東京とかですれ違ってもほぼ挨拶はしない。でも黒人同士は東京だろうがどこでもする。アメリカ人とアフリカ人がする事もある。黒人同士の挨拶に国境はない。若いころはソレを知らずに「知ってる人なの?」と尋ねた。そんな時に返って来た答えがこうだ。「もしかしたら家族だったかもしれないからね」と。そのときには「ふーん」としか思わなかったけど、今はなるほどー!と思って好きである。日本人なら自分の出自は分かっていて、家族も分かっている。しかし黒人は分からないのだ。

というのも、アメリカに住む黒人は移民でない限り、奴隷が祖先である。奴隷はアフリカのどこかで囚われ無理やり船に乗せて連れて来られた。家族ごと連れてこられるパターンもあったが、アメリカに着いた時に奴隷オークションによって、家族は無残に引き離された。そして言葉も失った。そして奴隷同士で結婚し子供が出来たとしても、引き離される事だってある。奴隷には人権などなく、人の所有物でしかなかったのだから。

この映画のウィル少年もそうだった。両親は居ない。おじのマーカスだけが唯一の家族。しかし、そのマーカスも自分が生きていく事に必死である。何しろバーレルに殺すと脅されているのだから。ウィルはマーカスが居ても孤独だった。そんな時にネイトが現れる。もし父親が居たなら、ネイトみたいな勇敢で何でも出来て優しい男であったろう...

ネイトも同じだった。1人で逃亡し成功したが孤独だった。ネイトには妻レイチェルが居たが、中々迎えにいけなかった。逃亡奴隷が貰える仕事なんて、大した賃金じゃなかったのだ。それでも必死に貯めていた。そんな時にウィルが現れる。もしレイチェルと普通に幸せに家庭を築けるなら、今頃ウィルほどの年頃の少年の息子がネイトも居たであろう...

2人は出会ってしまった。お互い欠けていたものをお互いが埋めていくのだ。血が繋がっていない即席家族。しかもたった2日だけの。そしてラストはウィルに腕を広げ家族として歓迎する人が待っている。

やっぱり彼らの挨拶は特別なのだ。もしかしたら家族かもしれない同胞たちへの「よう!」なのだ。

 トリビア
インディペンデンス系。『ムーンライト』で有名になったアシュトン・サンダース出演。南北戦争時の逃亡奴隷を描いたドラマ作品。小規模の賞レースで称賛された作品。

 その他

 受賞歴

 サウンドトラック


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http://www.imdb.com/title/tt2635006/
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Last Modified: 2015-02-27
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