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●● レビュー "Who is our Ememy? Walking Horse had a reason"1871年6月末、夜な夜な夫が居る女性宅で夫が留守中に情事を重ねていたプレイボーイなミュージシャンのイーライ・ブラウン(ロバート・ドクィ)は、怒り狂う夫たちから逃げる為に逃げた場所が軍のリクルート施設だった。そのままブラウンはテキサスにあるフォート・デイビス基地に連れて行かれる。そこでは、厳しいロバートソン軍曹(アイザック・フィールズ)がアームストロング2等兵(レイファー・ジョンソン)の助けと共に、新しい軍人を鍛えていた。ブラウンはそこでの訓練に耐え、そこで裁縫師として働いていたジュリー(ジャネー・ミッチェル)と恋に落ちて結婚する。しかしジュリーは、軍の中では嫌われていたがハッチ軍曹(リンカーン・キルパトリック)に少し気があり、ハッチ軍曹もそうだったが、気持ちを伝える前にブラウンと結婚してしまった。アームストロング2等兵は優秀だが、お酒に弱い所があり、ネイティブ・アメリカンのウォーキング・ホース(ロバート・ディックス)一家に助けてもらっていた。そんな中、ウォーキング・ホースが新しく買った馬が盗まれてしまい、助けを求めてきたが... B級映画を作っていたジョン・”バッド”・カードスによるウェスタンというか、歴史軍隊作品。この映画のように実際に黒人部隊”バッファロー・ソルジャー”は、テキサス州のフォート・デイビスにて勤務していた。その彼等が遭遇する白人の上官とネイティブ・アメリカンとの関係。ブラウンが基地についてそうそう、ロバートソン軍曹から「お前らは、軍服が着れて誇らしく誰からも好かれると思っているかもしれないが、実際には黒人だから白人には嫌われ、軍人だからネイティブにも嫌われ、そしてよそ者の軍人だからテキサスの住人も嫌われるんだ!覚えておけ!」と言われる。未だB級だとレッテルを貼られるかもしれないが、軍の内部、そしてバッファロー・ソルジャー達の苦悩と試練が見れる面白いB級だ。しかも演じていた役者達の威厳が感じられる。 冒頭の流れる素晴らしい歌から、アームストロングとウォーキング・ホースの結末は分かっていたが、それでも実に哀しい物語だ。そしてアームストロングが慰めるロバートソン軍曹に言い放つ言葉が実に切なく、そして力強い。意味の無い戦いって本当に無残な事なのだ。 (Reviewed >> 2/10/15:ストリーミングにて鑑賞) |
●● 100本映画 ”バッファロー・ソルジャー”は、”タスキーギ・エアメン”と共に黒人がアメリカの軍隊で活躍した事を示すのである。タスキーギは第2次世界大戦時(1940年代)に集められたが、このバッファロー・ソルジャーは、南北戦争時(1860年代)の黒人部隊の流れを組んでいる歴史ある黒人部隊だ。それ故にバッファロー・ソルジャーを描いた物語は数多く、その歴史舞台も多岐に渡る。ダニー・グローバーが主演のTV映画『Buffalo Soldiers / 日本未公開 (1997)』(舞台は1880年)はそのものズバリの作品だし、『Sergeant Rutledge / バファロー大隊 (1960)』(舞台は1881年)は戦いというより軍法ドラマという変り種だが、名監督ジョン・フォードが演出。スパイク・リーの『Miracle at St. Anna / セントアンナの奇跡 (2008)』は、舞台が第2次世界大戦時と1984年となっている。そして”バッファロー・ソルジャー”も”タスキーギ・エアメン”も、アメリカ軍では人種で分けていたという歴史の証明でもある。残念だけど。1871年6月の終わりごろ、ミュージシャンでプレイボーイなイーライ・ブラウン(ロバート・ドクィ)は、夫が留守中の人妻の家で情事を繰り返していた。そしていつも夫が帰って来て見つかり、ブラウンは銃を持った夫たちに追いかけられていた。逃げながら最後に辿りついたのが、軍のリクルーター施設。数日後には、テキサスにあるフォート・デイビスに連れて行かれた。そこはバッファロー・ソルジャーの第10騎馬連隊がいた。大佐や大尉は、ハッチ軍曹(リンカーン・キルパトリック)は字が読めるだけで軍曹になった事に不満があり、ロバートソン軍曹(アイザック・フィールズ)が素晴らしい真のリーダーになると期待していた。そのロバートソンはアームストロング2等兵(レイファー・ジョンソン)の助けと共に、兵卒を厳しく鍛えた。アームストロングは、ネイティブ・アメリカンのウォーキング・ホース(ロバート・ディックス)と非常に仲が良かった。ブラウンはそこでの任務にも慣れた頃、裁縫師のジュリー(ジャネー・ミッチェル)に一目惚れし、見事に結婚するまでに至った。プレイボーイだったブラウンも、今は真面目に勤務し、ジュリーの為に頑張った。しかしジュリーはブラウンに出会う前に、ハッチ軍曹に少し気があった。ハッチ軍曹もジュリーが好きだったか、結婚前にその思いを伝える事が出来なかったのだ。アームストロングの元にウォーキング・ホースがやってくる。買ったばかりの馬が盗まれたのだ。ロバートソン軍曹率いるアームストロングやブラウンは、その馬の行方を捜しにパトロールに出る事になり、ジュリーは1人留守番となった。そんな時にハッチがやってきて... と、ダニー・グローバーの『Buffalo Soldiers』と同じく第10騎馬隊H部隊が描かれている!あちらは1880年が舞台で、こちらは1871年が舞台。あちらは本当にストレートに真面目にバッファロー・ソルジャーを描いているけれど、こちらは恋愛要素を取り組みながら描いている。けれど伝えたい事は同じ。「黒人であるバッファロー・ソルジャーたちにとって誰が敵なのか?何のために戦ったのか?」という事。B級映画ばかり撮っていたジョン・”バッド”・カードス監督だけど、彼の自由さがこの映画にエンターテイメント性が出たようで、見やすい作品になっている。イーライ・ブラウンとジュリーの恋愛物語、あれ要らないと思う人がいるかもだけど、あれも重要よ。あれでブラウンが変わったんだから!でも因果応報でもあるという意味もあるし。この映画、軽そうに見えて実に色んなメッセージが詰まっている。冒頭のジョー・ウィリアムスの「Today and Tomorrow」というメロディアスな良い曲は、いきなりネタバレかよ!って感じなんですが、これがもう1回ラストに掛かると、最後のロバートソン軍曹とアームストロングの名台詞と重なり、うぅ...と泣けてきてしまうのです。分かってはいるが泣いちゃうパターン。 もう何が良いって、俳優達の演技も素晴らしい。主役のイーライ・ブラウン役のロバート・ドクィ、リーダーのロバートソン軍曹役のアイザック・フィールズ、カリスマ性がある強い男アームストロング役のレイファー・ジョンソン、そして悪役が光るリンカーン・キルパトリック。素晴らしかった!ロバート・ドクィはオリジナルの『ロボコップ』シリーズのリード巡査部長なり!レイファー・ジョンソンは彼自身の履歴書が物凄く男前!無双!!そしてリンカーン・キルパトリックよ。こういう人間的にいやらしい人を演じると最高ね!彼の『Together Brothers / 日本未公開 (1974)』で最後に汗だくで泣いている女装のオッサンが「殺して!」というシーンは最高だった! 名作じゃないかもだけど、意外と面白いパターンの映画っす!唯一残念なところがあるとしたら、ネイティブ・アメリカンのウォーキング・ホース役を白人が演じていた事かな? (1333本目) |
●● トリビア テレビドラマ「The Jeffersons」でお馴染みのハスキーボイスの女性イザベル・サンフォードや「ロボコップ」シリーズで知られるロバート・ドクィ等が出演している黒人部隊のバッファローソルジャーを描いたウエスタン・ラブストーリー映画。 「Soul Soldier」や「Buffalo Soldiers」等のタイトルでビデオが発売されている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. "Today and Tomorrow" - Joe WilliamsSoundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0069167/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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