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●● レビュー All Hail the Queen!奴隷の娘イースター(ジャスミン・ガイ)はマスターの跡取り息子ジェームス・ジャクソン・ジュニアの世話係だった。しかし2人は同世代という事もあって、心惹かれあってしまう。やがてイースターは身ごもり、クイーンが生まれた。しかしジェームスは白人の別の女性と結婚するし出産する。クイーンは世話係として母屋で育てられる事になった。クイーン(ハリ・ベリー)は成長したが、誰が父なのかは知らなかった。やがて南北戦争が勃発し、ジェームスは南部軍として参加する事になり... 「ルーツ」が作家アレックス・ヘイリーの母方の壮大な物語なら、こちらは父方の祖母を追う壮絶な物語。「ルーツ」ではルビー・ディが演じていたクイーンを、こちらではハリ・ベリーが10代から40代?50代?位までを一人で演じております。さすがにハリ・ベリーの南部訛りには思わず失笑してしまいましたが、それ以外は熱演。クイーンが南部女性じゃなかったら、ベリーの演技は完璧だった。 アレックス・ヘイリーの母方は恵まれていたのもあって、雄大で壮大なアメリカの歴史を見せられている感じがしたのですが、父方は壮絶。とくにこのクイーンは時代もあって壮絶な女性の物語を見せられた感じ。なので、女性はこちらのシリーズに共感を覚えるだろう。またアレックス・ヘイリーのラブレター職人の片鱗も見える甘い台詞や物語も女性は気に入るだろう。 女性は強いと言うけれど、これを見たらさすがにそう思うしかない。でも弱さだってあるのだ。その両方がこのクイーンの生き様に見える。クイーンが頑なに大事にしていた物。それは人の命である。 (Reviewed >> 8/22/11:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 こちらはアレックス・ヘイリーの本が原作でTVの歴史を刻んだ「Roots / ルーツ (1977)」と「Roots: The Next Generations / ROOTS/ルーツ2 (1979)」に続いての作品。「ルーツ」は2作品共にヘイリーのアフリカから奴隷として連れて来られたクンタ・キンテからの母方の家族の歴史を追い続けた作品でしたが、こちらはヘイリーの父方のお婆ちゃんを描いた作品。タイトルの「クイーン」とはお婆ちゃんの名前。クイーンの出生からずーっとクイーンだけを追っていきます。なので「ルーツ」みたいな壮大なテーマではないのですが、このクイーンが生まれ育った時代が実に壮絶。クイーンはまだ奴隷制度があった時代1841年に生まれている。お母さんは奴隷の娘イースター。お父さんはイースターが世話係りをしていた、プランテーションを持つ白人主人の息子ジェームス。この映画では2人はお互いに惹かれあっていたが、身分の違いで叶わぬ恋として描かれている。クイーンの父であるジェームスは別の白人女性と結婚。そして彼女も後に女の子を出産。その生まれてきた世話係として、クイーンは母屋に引き取られていく。でもクイーンはジェームスが父親である事を教えてもらっていなかった。娘2人がティーンになった頃に南北戦争が勃発。ジェームスは南部軍として軍に入隊。戦争によって男の人が居なくなり、農作物などにも支障が出てくる。そして南部が負けて、奴隷が解放。ジェームスの奴隷もみんな離れていき、農作業が出来なくなる。ジェームスも戦争から戻るが負傷していた。クイーンだけはジェームスの所に残るが、ある事件をきっかけにジェームスの妻と喧嘩し、とうとう家を出る。彷徨いながらたどり着いた町で、クイーンと同じように色の白いアリスという女性に出会う。クイーンもパッシング(黒人である事を隠して白人として社会に溶け込む)をするが、後にバレて町を出て行く。そして見もボロボロでたどり着いた所が黒人の教会で、泣きながら助けてくれと言うけれど、白人にしか見えないクイーンに手を差し伸べる者が中々居なかった。しかし一人の黒人女性が立ち上がって助ける事になった。って全部書いちゃいそう... って、ざっと書いただけでも壮絶でしょ?この先にもまだまだ壮絶な人生が待っているのです。そのクイーンをティーンの頃から演じたのがハリ・ベリー。お見事でした。でも彼女の南部訛りだけは全然南部の人には聞こえないし、無理感が半端ない。南部女性の訛りを耳で知っている私には、笑っちゃうしかなかったです。南部訛りはシシリー・タイソンの方が上手い。彼女ニューヨーク出身なのに!とはいえ、タイソンの家族も多分元々は南部からニューヨークに渡った人だろうから、彼女も耳で知ってるんでしょうね。そうなるとハリちゃんはお母さんが白人だから、そういう訳にはいかなかった。身近ではなかったんでしょうね。でも南部訛り以外は完璧。このクイーンはいちよう「ルーツ」の続編の方にも出てくる。その時にはルビー・ディが演じていた。優しくて理解のあるお母さん。でも最後の方にはかなりボケてたんですよね。その理由も、この映画ではハッキリと描かれている。 所で感想を書いている時に、クイーンはいつ亡くなったんだろう?とふと思って調べたけど、出てこなかった。ヘイリーのお爺ちゃんでクイーンの夫になるアレックは1918年に亡くなっているらしい。でもクイーンは分からなかった。でも写真を見つけた。このリンクのブログを書いている女性は13年間自分のルーツをリサーチしている人で、なんとアレックス・ヘイリーとも親戚関係になる人。クイーンの別の息子アブナーが彼女の大伯母と結婚しているとの事。記事も凄いですよ。ジェームスは映画のようなハンサムではなかったのか...それだけは残念。 アレックス・ヘイリーが実際に本に書いたのか分からないけど、この映画での台詞はアレックス・ヘイリーがラブレター職人だったことが伺える台詞も多い。クイーンがデビットという男性と恋に落ちて、一夜を共にした時に「あなたの愛で死ぬかと思った」なんて言うんです。映画のラストの台詞も可愛い。白馬の王子を夢見ていたクイーンが言う最後の台詞に注目。 (0894本目) |
●● トリビア 空前のブームとなった『ルーツ』の続編的な作品で、今回はアレックス・ヘイリーの父方の祖母を描いた作品。主演にはハリ・ベリー。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * American Cinema Editors, USA1994 Nominated Best Edited Episode from a Television Mini-Series * Casting Society of America, USA 1993 Nominated Best Casting for TV Miniseries' * Emmy Awards 1993 Won Outstanding Individual Achievement in Hairstyling for a Miniseries or a Special 1993 Nominated Outstanding Individual Achievement in Costume Design for a Miniseries or a Special 1993 Nominated Outstanding Individual Achievement in Editing for a Miniseries or a Special - Single Camera Production 1993 Nominated Outstanding Individual Achievement in Makeup for a Miniseries or a Special 1993 Nominated Outstanding Individual Achievement in Sound Editing for a Miniseries or a Special 1993 Nominated Outstanding Miniseries 1993 Nominated Outstanding Sound Mixing for a Drama Miniseries or a Special 1993 Nominated Outstanding Supporting Actress in a Miniseries or a Special : Ann-Margret * Golden Globes, USA 1994 Nominated Best Performance by an Actress in a Supporting Role in a Series, Mini-Series or Motion Picture Made for TV : Ann-Margret * Image Awards 1995 Won Outstanding Lead Actor in a Television Movie or Mini-Series : Danny Glover 1995 Won Outstanding Lead Actress in a Television Movie or Mini-Series : Halle Berry 1995 Won Outstanding Television Movie or Mini-Series |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0105937/http://en.wikipedia.org/wiki/Alex_Haley's_Queen http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=6170 |
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