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●● レビュー Avant GardeNYの大手広告エージェントでの会議中に、創設者が突然死んだ。その息子が、そのポストに付くと思いきや、会社の方針で投票により決める事が決まっていた。その投票で選ばれたのが、全員から投票されないと思われていた唯一の黒人のプットニー・スウォプ(アーノルド・ジョンソン)だった。彼は、会社の名前を「Truth & Soul」に変えて、多くの黒人を雇い入れたのだった... まずは製作された1969年という時代を知っておきたい。1969年には、ブラックムービーの歴史を変えた一作「Sweet Sweetback's Baadasssss Song」はまだ上映されていない。1968年にキング牧師が倒れ、丁度ブラックパワーの波が押し寄せてきたのが1969年。 この映画を製作したのが、名前でも分かる通り俳優ロバート・ダウニー・ジュニアの実の父。その彼が、黒人差別を皮肉にそして芸術的に描いている。設定が皮肉。会社のたった一人の重役が黒人である。所謂トークン・ブラック...とりあえず形として黒人を入れる...という形の裏を書いた設定。その彼が会社を変えてしまう。まずは、殆ど全編をモノクロで撮影している。それにより、逆に白と黒がハッキリ浮かび上がる。でも「Truth & Soul」が製作した広告映像だけはカラー映像である。 シドニー・ポワチエのポスターが破られる。ポワチエは、黒人の間では優等生で枠にはまった俳優だと思われていたが、それを白人の監督がしてみせた事に驚きを覚える。また「非暴力は機能してなかった事を証明したんだ、だから次は銃さ」という台詞。そしてリンカーンのポスターにダーツを刺す黒人達。役名に「~ X」が居る。「Things are Changing(物事は変わりつつある)」のポスター等... ロバート・ダウニー・シニアが、当時どのような思考に傾倒していたか、十分に分かる。当時まだ自分達の怒りを表現出来てなかった時代に、白人の監督がその形を見せている。でも、白人としての立場で、黒人の至らなさも同時に見せているのは面白いだろう。ラストすべてを手に入れた黒人達が見せる醜態。中々出来ないラストだ。 時代がこの映画を完璧にしている。映画が時代に合っているのではなく、時代が映画に合わせた、そんな感じだ。 (Reviewed >> 10/25/07:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア ロバート・ダウニー・シニア監督による皮肉映画。名前の通り、監督は俳優ロバート・ダウニー・ジュニアの実の父。元々広告関係の映像を作っていたりした。主役の声を、監督がすべてアテレコしている。 後日、メルヴィン・ヴァン・ピープルスの「Sweet Sweetback's Baadasssss Song」が息子マリオ・ヴァン・ピープルスによって「Baadasssss!」という映画が製作されたように、ロバート・ジュニアによってこの映画をリメイクさせようと計画されたが、ロバート・シニア監督により却下された。 ポスターの黒人女性は「Ganja & Hess」等に出演し、ビリー・ディ・ウィリアムスと結婚していたマーレン・クラーク。本作には出演しているがクレジット無しの小さな役だが、ポスター等に大々的にイメージが使用されている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks from Amazon.co.jp |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0064855/http://en.wikipedia.org/wiki/Putney_Swope Not available from Allcinema |
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