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●● レビュー Z's beatシアトルで自転車で警官をやっているZ(Pape Sidy Niang)は、セネガルからの移民だった。日々の警察としての仕事をしているが、自身も彼女レイチェルがZをおいて、昔の彼氏ジェフとキャンプに出かけて帰ってこない事に悩んでいた。しかも電話も掛けてこない。心配しながら、シアトルの町を駆け抜けるZ。シアトルにはZには理解出来ない、奇妙な事件が沢山起きていた... ここで描かれている犯罪や事件は実際にシアトルで起きた事だそうだ。気持ち悪い映像も多い。そして元々はジンバブエ出身のライターであるチャールズ・ムーダッドダイがシアトルのThe Strangerという新聞の警察番記者(Police Beat)として、コラムを書いていたのが元。主人公のZは英語の台詞を話し、ナレーションではセネガルのウォロフ語を話している。そのウォロフ語のナレーションが実に詩的。そしてシアトルの持つイメージそのままに映像が実に陰気で暗いのが、逆に映像をこれまた詩的で美しくしている。 Zは移民として、病んだアメリカ人の事故処理をし、それを疑問に思いながらも、自分もアメリカ人的に病んでいく。ダウンビートにした事で、詩的な魅力のある作品。 (Reviewed >> 9/28/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 不思議な映画。とーーてもね。シアトルを舞台にしたサスペンスドラマ。シアトルって、実際は絶対に違うと思うし、住めば都だと思うんだけど、曇りがちっていう情報から、何か暗いイメージあるんだよね。同じシアトルが舞台の「Chronicle / 日本未公開 (2012)」も超アホな高校生達が主人公で、アホな事ばっかりやってるんだけど、最後には病んじゃってやっぱりどんより暗かったもんね。そんな訳で、超暗いダウンビートな映画。っていうかさ、タイトルの「ポリス・ビート」のビートってビートたけしのビート、ビートを刻むのビートの意味だと思ってたんだけど、「ポリス・ビート」で警察番記者の意味らしい。それで、その「ポリス・ビート」というコラムをシアトルの週刊誌で書いていたチャールズ・ムーダッドダイがこの映画の脚本を共同で書いている。こもムーダッドダイはこの映画の主人公と同じく、アフリカからの移民。映画の主人公Zはセネガルからの移民だけど、このムーダッドダイはローデシア(現ジンバブエ)生まれ。台詞の部分が英語で、主人公のナレーションの部分がウォロフ語。ウォロフ語って、Ousmane Sembene (ウスマン・センベーヌ)の時にも思うんだけど、一人語りの時には妙な説得力というか言葉に厚みが増すように聞こえる言葉だよね。それでいてあのリズムは詩的にも聞こえる。フランス語を聞いてる時と似てるかな?フランスの植民地だったからかもしれないね。この映画の不思議さは、それだけじゃない。主人公のZはシアトルで自転車警官をやっている移民で、Zがシアトルの事件を処理していく所。Zが処理した事件は不可解な物が多い。多い茂った茂みの中に隠れていた老人、女性の声が海から聞こえてきたからと海に入っていく男性、落ちてきた木の枝で怪我したのに分からない老婆、道端で大きな鳥を殺した男、他人の家に電話を貸してと入り込んで来て気持ち悪い会話をして帰る男、血だらけの死体、自転車が整備不備で職務質問を受けて逆ギレする男、郵便トラックに発砲する男、ポルノ店に立ち入り禁止になる男、転んで倒れた時に荷物を母とその子供に取られた女性、家庭内暴力、スーパーでいきなり生肉をガッツク男、娼婦に惚れて匿ってしまう警官。って挙げてみると、血だらけの死体と家庭内暴力がまともに見えてきちゃう不思議さ。しかもこれらの事件は、実際にシアトルで起こった事件なのです。アメリカは完全に病んでますね。 でも病んでいるのはアメリカだけじゃない。セネガルからの移民のZも、そこで病んできてしまう。恋人のレイチェルがZを置いて、元彼のジェフとキャンプに出かけてしまう!お、でた、逆クリス・ブラウン!元彼だけど、何でもないからー、友達だからー的な。しかも電話しても出ない、折り返し電話も掛けてこない!私だったらこんな扱いをそのままにはしませんねー。っていうか、行かせませんから!自分が辛いの目に見えてるじゃんー。と軽く書きましたが、スクリーンの中ではZはそうとう悩み参ってましたね。だから、行かせないのよー!と私は思ってました。 この独特の雰囲気がオリジナリティあって面白かったですね。この印象的な映画のポスターのように青が印象的。英語の「ブルー」という言葉の持つ「陰気」とか「いやらしさ」が前面に出た「ブルー」。変わっていて面白い映画でした。でも不満があるのは、この主人公のZ以外、みんなルックスがイマイチ!レイチェルもジェフも、Zの相棒の警官も、その警官に恋される娼婦も!娼婦に至っては酷いレベル。どこに一目惚れするねん!と突っ込みたくなるレベル。そしてその唯一ルックスが良かったZを演じた俳優は、この映画の脚本家のブログによると2010年にタイで亡くなっているらしい。この映画のみの出演。淡々と演じていたのが印象的だった。非常に残念。 (1035本目) |
●● トリビア シアトルの週間新聞「The Stranger」のコラム「Police Beat」を元に出来た作品。そのコラムを担当しているチャールズ・ムーダッドダイが脚本も担当。 |
●● その他 なお、そのチャールズ・ムーダッドダイのブログに寄れば、主演Zを演じたPape Sidy Niangはタイで2010年に亡くなったとの事。 |
●● 受賞歴 * BendFilm Festival2005 Won Jury Prize Best Director : Robinson DevoR 2005 Won Jury Prize Best Feature : Robinson Devor *Gotham Awards 2005 Nominated Best Film Not Playing at a Theater Near You : Robinson Devor * Independent Spirit Awards 2008 Nominated Producers Award Alexis Ferris 2006 Nominated Someone to Watch Award : Robinson Devor * Seattle International Film Festival 2005 Won Seattle Filmmakers Award : Sean Kirby * Sundance Film Festival 2005 Nominated Grand Jury Prize Dramatic : Robinson Devor * Torino International Festival of Young Cinema 2005 Won FIPRESCI Prize : Robinson Devor 2005 Won Jury Special Prize 2005 Won International Feature Film Competition : Robinson Devor * Woodstock Film Festival 2005 Won Best Editing |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0383965/http://en.wikipedia.org/wiki/Police_Beat Not available from Allcinema |
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