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●● レビュー Woza Mama Africaアフリカのとある村に住んでるシレの第2夫人であるコレ(ファトゥマタ・クリバリ)の元に、4人の女の子が村で伝わる伝統の割礼を怖がって逃げてきた。村では、割礼を受けていない女子はビラコロと呼ばれ、将来結婚できないと言われてきた。以前コレは、自分の娘アムサトゥの割礼を拒否した事があり、その噂を知っていた4人はコレなら守ってくれると思っていたのだった。コレは「そんな噂信じちゃいけないよ」と言いながらも、4人を保護する「モーラーデ」を始めるのだったが... この作品は「アフリカ映画の父」と呼ばれるウスマン・センベーヌの遺作となってしまった。アフリカの問題点を庶民的レベルから捉えた多くの作品は、いつも我々の胸を鋭く突き刺し、多くの観客の目をアフリカに向けさせたのが、センベーヌの作品だったように思える。今回は「女性器切除」というアフリカが抱える問題を鋭く描く。男性の割礼は、宗教的な理由から行われる事が多いが、主にアフリカで行われている女性の割礼...「女性器切除」は、古くからの伝統であり宗教とは関係ないが、「割礼」という名前の性質上、多くの人は宗教上の理由でと思わされているらしい。 センベーヌらしいなと感じたのが、もちろん扱うテーマから女性がメインになるのは当然なのだが、その女性が未来への希望へと満ち溢れている力強い女性。それでいて、その女性を助けるべく男性が居る。女性の問題だからと男性が蔑ろになっていないのがいい。また、それらの男性を演じたのがその村を離れた男性達。フランス帰りの村長の息子だったり、他から来た物売りだったりする。男性へのメッセージは、外を見て視野を広げて欲しいという事だったのかもしれない。その殻に閉じこもっていると、何が正しいのか分からなくなる事が多い。 女性は、自分の体験から苦しんでいる女性が立ち上がる。その立ち上がった勇気ある女性を見て、他の女性も立ち上がる。一夫多妻制なので、どうも男性が権力で女性を押さえつけてしまう。それは、ラジオを取り上げられて何もいえなかった女性達の姿を見ると良く分かる。ラジオはそうだったかもしれないが、自分達の体は自分達で守らなければという強い意志の現れが出てくる。立ち上がった女性達が大声で叫ぶ「ワッサ!ワッサ!(やった!)」と。そしてラストに流れる曲が「女性達は生命を生む」。女性達は子供を生み、新しい未来を作る。その未来を生み出していくためにも、自分の体を守らなくてはならない。そして世のために立ち上がり、新しい未来を作る。新しい未来の女性は、力強く「私はビラコロのままだから」と言う。そして新しい未来を作っていく男も一歩前に出る。未来の為に女性が出来る事と男性が出来る事が分かりやすく表現されている。 ウスマン・センベーヌの作品はいつも新しい生命を生み、新しい未来を作っている。力強く生きていき、正しい物に立ち上がる美徳を教えてくれる。 (Reviewed >> 9/2/07:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア アフリカ映画のパイオニアであるウスマン・センベーヌの作品。女性の割礼がテーマ。ウスマン・センベーヌの作品でも一番に賞を受けた作品。惜しくも本作品が遺作となった。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 >> Cannes Film Festival 2004 Won Prize of the Ecumenical Jury - Special Mention : Ousmane Sembene 2004 Won Un Certain Regard Award : Ousmane Sembene >> Chlotrudis Awards 2005 Nominated Best Actress : Fatoumata Coulibaly 2005 Nominated Best Movie >> European Film Awards 2004 Nominated Screen International Award : Ousmane Sembene >> Image Awards 2005 Nominated Outstanding Independent or Foreign Film >> Los Angeles Pan African Film Festival 2005 Won Jury Award : Ousmane Sembene >> Marrakech International Film Festival 2004 Won Special Jury Award : Ousmane Sembene 2004 Nominated Golden Star : Ousmane Sembene >> National Society of Film Critics Awards, USA 2005 Won Best Foreign Language Film >> Political Film Society, USA 2005 Nominated Democracy 2005 Nominated Human Rights |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0416991/http://en.wikipedia.org/wiki/Moolaad%C3%A9 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=324787 |
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