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●● レビュー Songs gotta fly free like butterfliesハディ・レッドベリー(ロジャー・E・モーズリー)は、ギター片手に色々な所で歌っていた。しかしその歌う場所の環境の悪さから、ハデイはいつもナイフやピストルを持ち歩くようになっていた。ある日、女の取り合いから喧嘩になり、実家からしばらく離れるように父(ポール・ベンジャミン)から言われる。ハディはギター片手に家を離れるのだった... 一言で言ってしまえば、最高傑作。ここまで完璧な映画は見たことがない。いや、ハードコアなレッドベリーファンからしてみたら史実とは違う部分があるので戸惑うかもしれない。ブラインド・レモン・ジェファーソンとの出会いのシーンはきっと実際とは違うと思うし、12弦のギターを引き始めたエピソードも実際とは違う。でも、映画としてそのエピソードが完璧でドラマチック。映画の中で何回も脱獄を試み、看守と衝突する。その結果、彼のプライドの高さを感じる事になる。だからこそ、何度も間違いを起こしているのが容易に分かる。それで居て、ブラインド・レモンとの運転シーンは何度見ても声を出して笑ってしまう。人間らしさを見てホッとする。 そして偉大で遥かなる大地の南部の特色を生かした、監督のゴードン・パークスらしいロングショットが多い。「知恵の木」の冒頭もそうだったように、そのロングショットだけで当時の南部を画面で表しているように思える。 事実とは違っても、私が想像していた偉大なミュージシャンそのものがこの映画にはある。レッドベリーが歩んできた想像絶する人生を見て暗くなるどころか、なぜかフワフワとしたいい気持ちになる。それはきっとレッドベリーの生き方が間違ってはいたかもしれないけれど、しっかりと南部の大地に足がついていて、自分の才能にプライドを持っていたからもしれない。チェーンで繋がれても、彼の精神は強かった。その部分が黒人であるレッドベリーとミュージシャンであるレッドベリーというバランスが上手く取れていると思う。 彼は彼の曲と同じ位に蝶のような自由な人だった。 (Reviewed >> 6/20/08:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア 「知恵の木」で大手会社制作による初の黒人監督として有名なゴードン・パークスが監督した。皮肉にも、この映画で彼はその会社と制作に関する事で対立してしまい、監督を辞めてしまったという。 伝説のギターリスト、「レッドベリー」の愛称で親しまれたハディ・レッドベターの半生を描いた自伝映画で、その主演を演じたのが、「The Mack」で主人公の弟を好演していたロジャー・E・モーズリー。共演には「110番街交差点」のポール・ベンジャミンがレッドベリーの父を演じ、「ジョ・ジョ・ダンサー」のアート・エバンスがブラインド・レモン・ジェファーソンを演じた。他にも「星の王子NYへ行く」のマッジ・シンクレア、「メジャー・ペイン」のアルバート・ホール、「ゴーストバスターズ」のアーニー・ハドソン等が出演している。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. Go Down, Ol' Hannah2. Fannin' Street 3. Good Mornin' Blues 4. See That My Grave Is Kept Clean 5. The Midnight Special 6. Cotton Fields 7. The Challenge 8. Silver City Bound 9. Rock Island Line 10. Goodnight Irene 11. Black Girl 12. Green Corn 13. Bring Me a Li'l' Water, Silvy 14. Old Riley (In Dem Long Hot Summer Days) Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0074781/http://en.wikipedia.org/wiki/Leadbelly Not available from Allcinema |
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