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●● レビュー "Our God is Marching On!"1955年から1968年までのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の姿を追うドキュメンタリー。 タイトルの通り、モントゴメリーから始まったキング牧師の戦いが、メンフィスで暗殺されるまでを追うドキュメンタリー。冒頭からキング牧師とは対立していたストークリー・カーマイケルや他の黒人リーダーの煽るスピーチと、キング牧師のスピーチが交互に入れ替わる。キング牧師とは親交が深かったハリー・ベラフォンテのモノローグ。そして1955年にアラバマで録音されたキング牧師のスピーチが流れる。そしてバスボイコットが始まる。このような感じで、キング牧師が携わった運動を紹介する前に、俳優のモノローグが必ず入っている。黒人俳優だけでなく、ポール・ニューマンやアンソニー・クインという俳優までもが参加している。そして映し出される映像はどれも割りと時間を割いて流しており、その映像に変に音や音楽を足さないので、どれも生々しい。白人の怒声に、黒人女性の悲痛な叫び声... 公民権運動をなぜか生ぬるい軟な運動だという人がいるけれど、そんな事は決してなかった事が分かるのだ。中でも若きCT・ヴィヴィアンがアラバマ州セルマで投票運動をしていて、シェリフと対立している映像は見ものだ。そして時間を割いて抗議行進を描いているので、どこでああいう風に暴力的になったのかが分かる。悪いのは誰かなんて明確なのだ。 正式に一般公開されたのは、1970年に1日、そして2013年に1日のみである。この長い歴史の中でたった2日。こんなパワフルな映画をたった2日とは、実に悲しい事である。 冒頭でキング牧師が行った事を全てカバーしている訳ではないという注意書きがあるが、これらの偉業が一部だったとは...と思わずにはいられない重厚感ある歴史的な作品。キング牧師とはこういう人物なのだ! (Reviewed >> 12/4/14:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 この作品、私ごときは絶対に見る事が出来ない作品だと思っておりました。というのも、制作当時の1970年ですら1日の1回きりの上映。もちろんアメリカで。しかも私、まだ生まれてないしー!!という事で、もう無理ぽなんだと思っていたのです。所が!2013年、あのキング牧師の有名な「私には夢がある」のスピーチから50年だった8月28日に、選ばれし20州の映画館にてこれまた1日の1回きりの上映が決定!しかし、田舎に住んでいる私には無理ずら...と思っていたら、なんと我が州でも上映が!でも夜ー、しかも同じ州でも遠いー!真夜中の運転無理ー!という事で泣く泣く諦めていたら、DVDが出ていた!その前に!でもNETFLIXではつい先週入荷したばかりなので、気がつかなかった!(´・ω・`)ショボーンという事で見ました。ってか、NETFLIXで借りている場合じゃなかった。買うべきだった!買うー!と、なぜにこんなに興奮しているかと言うと、これはあのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の映像をまとめた作品で、しかも1回きりの上映なのにアカデミー賞にもノミネートされている作品。しかし、それ故かフィルム数が少ない為に、レアな作品となっていたのです。しかしこの映画の当時の共同プロデューサーの1人が、この作品は多くの人に見てもらうべき!と、営利目的ではない会社を設立して、こつこつ編集してここまで辿りついたのです!って書くと、私だけじゃなくみんなのテンションも上がるでしょ?マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師財団協力のもと、モントゴメリーのバスボイコットが起きた1955年から、キング牧師が短い生涯を終える1968年のメンフィスでの戦いまでの記録映像の数々で追うドキュメンタリー。ハリー・ベラフォンテやポール・ニューマンという俳優達が協力し、途中彼等のモノローグでもキング牧師の姿を振り返る。 キング牧師について、私は生涯学習だと思っている。中学の英語の教科書の後ろに載っていたキング牧師のスピーチに感動して以来、色んな文献や映画に触れてきた。あの時中学生だった私もキング牧師が亡くなった時の39歳という年齢を超えてしまった。と同時に、彼は私の年齢であそこまでの偉業と功績を残したのかぁあああ!!と、自分を情けなく思うばかりである。この歳であそこまでの断固としたビジョンと信条を持ち合わせていたなんて!私なんて映画の採点するだけでもブレブレなのに...と、いくら同年齢になったとは言え、私とキング牧師を並べようとするのがそもそも間違いでおこがましいのである!でもこの映画では、誕生日を祝って貰って、嬉しそうにはにかむキング牧師が見られる。さらには飛行機の中でカメラを前にして実に饒舌に語り、そして嬉しそうに冗談を言って笑うという人間らしい一面も見られる。私ほどアホな事は言ったり書いたりしないけれど、私と同じように人生を楽しんでいたのだ。キング牧師だって。 この映画を見て強く感じたのが、キング牧師が戦っていた相手は明白であったという事。バスでの人種差別に反対し、バスをボイコットする。アラバマのバーミングハムでの人種差別に反対し、行進で歩き続ける。アメリカ各地で起きている人種差別に反対し、ワシントンDCで集会を開きスピーチをする。アラバマのセルマでの黒人投票権を訴えて、行進で歩き続ける。シカゴでの黒人住民の非道な扱いに反対し、白人地区を歩き続ける。国内の黒人問題は蔑ろにされているのにベトナムを攻撃するベトナム戦争を反対し、声明を出す。メンフィスのゴミ収集の人々の扱いが差別的なので、訪れて指導する。どれも敵が明白であった。だからキング牧師はどうしたらいいのか?というビジョンを持ち、人々を指導し、導いた。暴力に暴力で返す事は、自分たちが正しいという信条を強く訴えられないので、非暴力を守り続けた。たまにキング牧師を穏健で柔な政策だと思っている人が居るけれど、それは決してそんな事はない!シカゴで石や物や火炎瓶を投げつけられ、最後のメンフィスでは暴力まであったのに、キング牧師は耐えた。人種差別の本当の戦場...グランドゼロを歩いてきたのがキング牧師だ。有名大学で偉そうに演説していた生ぬるい指導者たちではないのだ!暴力を暴力で返す事が本当の強さではない事、そしてそれが正義じゃない事をキング牧師は誰よりも理解していたからだ。 その証拠がこの映画には残っている。この映画では、様々な行進などの運動の記録が長々と映し出される。それだから分かった事もある。例えば、シカゴの映像などは、子供達がふざけて水遊びをしていた所に、突然やってくる警察官たち。たしかに公共の水を勝手に開けて遊んでいるのは良くない。だけど、あの後から暴力的な暴動と発展したのは、警察官たちが執拗に子供達を追い込み暴力を行使したからだ。他にもバーミングハムでの平和的な行進中、突然歩道に入り込み、先頭のキング牧師の目の前スレスレで止まる白バイ。そして投票権を訴える若き指導者CT・ヴィヴィアンに襲いかかるシェリフ達。悪いのは一目瞭然なのである。 ふと思う。今日のアメリカの姿をキング牧師が見たなら?ファーガソンで起きた略奪に、心を痛める事だろう。それと同時に警察の不必要な暴力という明確な敵を倒す為に、しっかりとしたビジョンで私達を導いてくれた事と思う。でも、もうそのキング牧師はいない。居なくなってから46年も経つ。でも私達は彼が残した文献や映画などを通じて、キング牧師に少しだけでも近づける学習能力はあるのではないか?そうやってキング牧師は生き続け、そして歩き続ける。この映画と共に。 (1308本目) |
●● トリビア キング牧師の非暴力運動を著名人たちのナレーションしているドキュメンタリー映画。オリジナル公開日は1970年3月24日の一日限り。アカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネート。1999年には国立映画登録された。 2013年、キング牧師の「I Have a Dream」スピーチの50周年となり、それを祝して各地でイベントにて1日限りの上映予定。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * Academy Awards, USA 1971 Nominated Best Documentary, Features : Ely A. Landau * National Film Preservation Board, USA 1999 Won National Film Registry |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0065944/http://en.wikipedia.org/wiki/King:_A_Filmed_Record..._Montgomery_to_Memphis Not available from Allcinema |
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