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●● レビュー "Nikes on my feet"カリフォルニア州リッチモンドに住む15歳のブランドン(ジャキング・ギロリ)は小柄で内気なのでイジメられやすい。しかし大柄で女好きだけど童貞のアルバート(クリストファー・ジョーダン・ウォレス)と女からモテモテでスモークしてばかりのリコ(クリストファー・メイヤー)というかけがえのない2人の親友が居た。ブランドンにはエア・ジョーダンが無かった。彼女が出来ないのもイジメられるのも、自分にはジョーダンが無いからだと思っている。アルバートもリコもジョーダン履いているのに。何とか手に入れようとして、緊急用に貯めておいたお金に手をつけてしまう。何とかジョーダンを手に入れ、女の子にも話しかけられ、順風満帆だと思ったその矢先... オークランドから来たフラッコ(コフィ・シリボー)にジョーダンを取られてしまう。失望したブランドンは、オークランドに住む悪党で知られるマーロン(マハーシャラ・アリ)に助けを求めるが... リッチモンドやオークランドというカリフォルニア州のベイエリアを舞台にした青春アドベンチャー映画。同じくベイエリアが舞台だった『Fruitvale Station / フルートベール駅で (2013)』よろしく、ベイエリア系のヒップホップが多く使われている。というか、ベイエリアのMistah FABが映画に出演までしていて、しかも主人公の運命を変えるブートレグや窃盗品を売る面白い役でいい味を出している。しかし『フルートベル駅で』に比べると、ベイエリアに限るという拘りは無かったようで、途中途中で出てくる物語を語る言葉は、東のNasやジェイZまであった。そしてラストも、実際にはそうならないだろうなっていう現実味のない結末を迎えるけれど、このラストはラストで結構気に入った。「こうであって欲しい」という希望がみえた。希望と言えば、あの宇宙飛行士は主人公ブランドンの希望を意味していたと思う。最後は希望じゃなくて、自分にはリコとアルバートが居るんだと分かった事であの宇宙飛行士の役目は終わったのだと思った。そのリコとアルバートのキャラクターが素晴らしい。彼らが居ると台詞が軽快になり画面が明るくなって面白かった。 リコとアルバートがとにかく魅力的でカッコいい。ラストのブランドンもカッコいい。ブランドンが固執していたどのエア・ジョーダンよりも3人はカッコ良かった!プライスレス、お金じゃ買えないもの、それがリコとアルバート。お金で買えるものは、Mistah FABから買いましょう!お得です。 (Reviewed >> 12/8/16:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 私もNBA&バスケットボール厨である。とはいえ、少し間が空く期間もあった。NBA&バスケットボール厨でも、色々ある。選手厨、チーム厨、スニーカー厨、(ビデオ)ゲーム厨、トレカ厨(最近減った)などなど。私の場合は選手、およびチーム厨であろう。単純にチームと選手を応援する人である。勝ち負け以外には全く興味がない。この映画はスニーカー厨。というか、特にバスケットが好きという訳でもない(バスケは遊び程度でやっているけど)。とにかくスニーカーに取りつかれている人々である。まあでも、今のアメリカの少年たちはみんなそう。べつに取りつかれている訳でもなく、「ジョーダン」を履かないと、自分の評価を保つ事が出来ないとすら思っている。「ジョーダン」履けば、女にモテる的な男の子らしい単純な思考だ。しかしこの映画の主人公のブランドンにはジョーダンが無かった。母と2人でやっと暮らしているので、そんな余裕はない。ダッサい白い靴を履いている。親友のリコとアルバートは履いているのに... だから僕はモテないし、みんなにもイジメられる...と思ってしまっている。しかし彼の姿を見れば一目瞭然。イジメられてしまうのは、ジョーダン関係なく、みんなよりも小さい体であどけなさが残り過ぎているからだ。しかもエキセントリックなウィル・スミスの息子ジェイデン・スミス風。そりゃ、何となくイジメやすい。でも努力して何とかジョーダンを手に入れる。しかし...日が暮れる頃にはジョーダンを悪い奴らに取られてしまう。取り戻そうと躍起になるのだけど...という物語。もうとにかく、ブランドンの親友の2人が最高!滅茶苦茶いい子たち。ブランドンはそんな2人を巻き込んでしまうんですよねー。悪い子じゃないんだけど、そこがちょっと許せない。 親友のアルバートを演じたのが、なんとノートリアスBIGの息子クリストファー・ジョーダン・ウォレス。本当に良いキャラしていた。しかも童貞。絶対に友達になりたいタイプ。言う事は面白いし、そして友達思い。リコも同じく。この2人の台詞が面白いんですよねー。この映画ではもうとにかく2人が気に入った。良い奴! そしてこの映画のもう一つの主役がオークランドとリッチモンドというベイエリア。監督はそのベイエリア出身。そして今やベイエリアと言えば、Ryan Coogler (ライアン・クーグラー)監督ですね!クーグラー監督とも旧知の仲だそうです。この映画のジャスティン・ティッピング監督は見た感じ黒人ではないですが、白人という訳でもなさそう。多分、少し何かが混じっていそうかな。そして面白い台詞を書いた脚本家は白人。なので、ラスト部分は正直ありえなーい!と思ってしまいますが、あれはあれで希望が描かれているので良いです。使用されている曲もライアン・クーグラー監督よろしく、ベイエリアが多めですがそうでもなかったりします。ただ、Mistah FABが面白い役で出てきて、主人公の人生変えちゃうのが良かった! スニーカー厨でも、じゃなくても、楽しめる映画でした! (1514本目) |
●● トリビア インディペンデンス映画。2016年ロサンジェルス映画祭にて上映予定。憧れのエア・ジョーダンを手に入れた少年のアドベンチャー。オークランドが舞台。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 * 映画秘宝 2017年6月号にてブラックムービー最前線に本作について寄稿。(4/21/17) |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt4254584/https://en.wikipedia.org/wiki/Kicks_(film) Not available from Allcinema |
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