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●● レビュー He's gotta have itニューヨークでブロガーとして生活しているレイ(チャールズ・ブライス)。ブログタイトルは「黒人女性とのデートをたまに」とデート指南ブログだが、実際には女性の方から振られてばかりで、恋愛には向いていない。ライターを目指しているが、もちろん編集者からはダメ出しされる。そんな中、町であった女性に声を掛ける。ナンパだけは上手いので自信満々でいったが、相当言いくるめられて全敗。その相手は、同じくライターでしかも有名な女性ライターロシェール(デワンダ・ワイズ)だったのだ。ツイッターなどで祭り上げられるレイ。絶体絶命だったが、黒人ライターの集まりでまた再会した2人は、距離を縮めたが... 2011年のサンダンス映画祭に短編を出展していた若手監督タヒア・ジェッターが、2016年に長編を持って再びサンダンス映画祭に戻った作品。前回の短編と同じく恋愛ドラマ。今回のは割と軽めに作られた。ロマンチックコメディとはちょっと違うが、爽やか。でも一癖ある作品だ。これを見て思い出したのが、スパイク・リーの『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』。スパイクのは女性側から描いているが、こちらは男性側から描いている。スパイクのは女性の性をオープンに描き解放してあげていたが、こちらはそうしたことで「どうしようもない奴、救いようのない奴」と描いているのが面白かった。信用はそう簡単には戻らない。だからこそ普段からきっちりと生活すべきなのだと。そしてスパイクのとは明らかに違うのは、いまの時代は相手ではなくネットに自分の気持ちをあからさまにしてしまう事ですね。その悲哀が面白い。結末もありきたりではなくて、より現実的。 ネット時代の『ヒーズ・ガッタ・ハヴ・イット』。 (Reviewed >> 9/26/16:TVにて鑑賞) |
●● 100本映画 監督タヒア・ジェッターがサンダンス映画祭に出した前回のショート映画『Close. / 日本未公開 (2010)』は若い恋愛物語の観察力が面白く、そしてスタイリッシュで好きだった。今回もやはり若者の恋愛を長編映画にしてサンダンスに戻ってきた!という事で楽しみにしていた。タイトルは「自分が嫌な奴だとどうやったら分かるか?」みたいなニュアンス。現代風にとこだわったのか、SNSがメイン。というか、主人公2人ともブロガー。どうも恋愛が上手くいかない男がデート指南ブログを書いている。で、たまたま出会ってしまったのが、人気ブロガー女性。ま、上手くはいかないよねwww っていう話。でも、何となくこの映画を観ながら思い出したのが、スパイク・リーの初期作品『She’s Gotta Have It / シーズ・ガッタ・ハヴ・イット (1986)』なんですよね。語り口が似ているというか。スパイクのが80年代の女性の性を語ったならば、こちらは今世代の男を斬った、そんな感じのする映画。結末も現実的で面白かった。けど...ブロガーってそんなに儲かるの?この主人公、ブロガーってだけで働いていないんですけど!しかもあのブログ人気そこまで無さそうだよ。NYなんて1人でアパート借りるのも高いでしょ?オシャレな所で外食したりしている。っていう私もここのブログに書いているので、末端のブロガーなんですが... 映画ブログじゃなくて、デート指南ブログだと儲かるの?実は、監督のタヒア・ジェッターも昔ブロガーでした。映画制作日記みたいのを書いていたのでした。 (1500本目) |
●● トリビア 2016年のサンダンス映画祭にて上映されたインディペンデンス映画。ショート映画『Close』の新進監督タヒア・ジェッター作品。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt5280984/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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