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●● レビュー ”We fed off of each other, whether it was good or bad”エリック・デイビスとダリル・ストロベリーはロサンジェルスのサウスセントラルで育った。お互いに野球選手として将来が期待されていたが、別の高校に通っていた。大会で2人は出会い、意気投合。ドラフトでは2人共に上位で指名されると言われていた。ストロベリーは1位で指名されたが、デイビスは8巡目での指名であった。デイビスはマイナーリーグでのスタートとなり失望した。しかも小都市を回るマイナーリーグは堪えた。ストロベリーも1位というプレッシャーとホームシックに悩んだ。そんな2人は共に地元サウスセントラルの「ハーヴァード・パーク」にて春のトレーニングキャンプを開催する事にした。他にも選手が集まるようになり、地元の少年達も参加するようになった。82年から94年まで、彼らが「プログラム」と呼ぶキャンプが続けられたのだった... 大都市ロサンジェルスでも悪名高いサウスセントラルにあるのが「ハーヴァード・パーク」だ。この公園を挟んで、一方がクリップスの縄張りならば、もう片一方はブラッズの縄張り。なので、子供が遊ぶ筈の公園でもイザコザが絶えず、銃弾が飛んでくる事さえあった。しかしデイビスとストロベリーにとって、そこは故郷であった。夢を叶えてプロの野球選手となったものの、そこにはプレッシャーと現実が待っていたのだった。しかし彼らにはお互いが居た。誰よりも理解してくれる友でありライバルでもあった。同じ重い病を患うほど、2人は不思議な運命で結ばれていたように感じる。 最後、ハーヴァード・パークで2人きりで会話をする。その会話は最高に楽しく、そして最高に感動する。スポーツを通して培われた最強で最高の友情を目の当たりにする感動。あんな会話が出来る2人を羨ましく感じてしまうのであった。 (Reviewed >> 8/27/14:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 野球のドキュメンタリー。私には珍しいね。私とスポーツと言えば、バスケにサッカーにフットボールだからね。今の野球で知っているのは、イチローとかそのレベル。メジャーリーグなら、ああー、マット・ケンプなら!と書きたかった所ですが、マット...以降が出ずに「マット リアーナ」で検索しました。ごめんなさい。昭和時代は、父親のせいで無理矢理見させられていて、川崎時代のロッテのリー兄妹とか巨人の鹿取(私って渋い小学生)が好きでしたが、大人になって自由になった今は全く分からないのです。昔ーーーーーーに、野球やっていた子と付き合って、性格とか顔とか滅茶苦茶タイプだったんですが、すぐにあーなんか違うなーとダメになりましたね。野球と私は肌が合わないんだと思います。肌は合わないかもですが、このドキュメンタリーは面白かった!野球の事知らない分だけ余計に面白かったのもあるのかもしれませんが... 知る喜びっていうやつです。いや、野球が...というより、サウスセントラルの事、そして友情がメインだったからかもです。この映画のタイトルになっている「ハーヴァード・パーク」は、ハーヴァード大のあるボストンではなく、ロサンジェルスのサウスセントラルにある。そう、あの悪名高いサウスセントラル。それだけで映画タイトル『South Central / サウス・セントラル (1992)』になっちゃう程のサウスセントラル!そこは公園を挟んで、片一方がクリップスの縄張りならば、反対側はブラッズの縄張りという場所。銃弾が飛び交う事もある。今でもLAタイムズはこんな犯罪マップを発表している程の悪名高い場所。そのマップ見ると、今でも1日1件どころじゃなく犯罪が起きていますね。そこで春のトレーニングキャンプを開催していたのが、エリック・デイビスとダリル・ストロベリー。2人共に出身はサウスセントラル。高校は別だったが、大会で出会ってから意気投合。同じ歳なのもあった。ストロベリーはドラフト1位で鳴り物入りでメジャーリーグ入り。しかしデイビスも高い順位でドラフトされるといわれていたが、実際には8巡目。なのでマイナーリーグからのスタート。1年目、ストロベリーはプレッシャーとホームシックに悩み、デイビスはマイナーからのスタートに苦悩した。そんな2人が一緒に始めたのが、故郷での春のトレーニングキャンプ。しかも、場所は「ハーヴァード・パーク」。他のメジャーリーガー達も集まりだし、地元の子供達も参加した。規律は厳しかったが、試合が終わればみんなでフライドチキンで和気藹々。「プログラム」と呼ばれるそれは1982年から始まり、1994年まで続いたのだった。 と、主にエリック・デイビスとダリル・ストロベリーの友情が描かれております。エリック・デイビスは知らなかったけど、ストロベリーはその可愛い名前から聞いた事あるなーと思っていたら、色々とスキャンダルのある人でそれでだった!思い出した。そして故郷に戻るという事が如何に彼らにとって大事かが分かった。この公園は知らなかったけれど、黒人移住地区にはやたらと黒人の名士の名前がついた公園とか通りが多い。私が知っているのは、エルセグンド(ATCQが財布落としたあの...)にジェシー・オーウェンズ公園があるよね。「マーティン・ルーサー・キング通り」は、全米各地にあるけれど、そこが一番荒れているというのは、黒人の人たちの定番のジョークになっちゃってるし。そこから出てきた成功者は多いけれど、誰もそこに帰ろうとはしない。でもデイビスとストロベリーは帰る。2人共に「成功して戻る事は大事だった。子供達に見せる為にね」と語っていた。そんな子供の1人が、ロイス・クレイトンという少年だった。彼はこの公園の近くに住んでいて、歩いて公園に行けば、デイビスとストロベリーが練習し、コーチまでしてくれるのだった!そんなクレイトン少年は、後に1巡目の15番で1988年にドラフトでメジャーリーグ入りした。彼以外にも、メジャーリーグで、そしてマイナーリーグで活躍した人々が、この公園に集まった。良いですよね、こういうの!最高だと思います。今でもリユニオンとかで、野球の上手いおっさん達(うん、失礼!)が集まってました。 って、デイビスとストロベリーという2人に絞って書きましたが、実際にはクリス・ブラウン(あの歌手のダメ男君ではなく)という選手もこのプログラムの設立に大きく携わっていたらしい。あんまり彼について触れられないのが残念だけど、ストロベリーは彼の事を「プログラムのハートであり魂だ」と語っていた。同名のあの人とは違って、滅茶苦茶いい人だったと語られていた。気になったので調べたら、現役を引退後に仕事でイラクに行って(多分民間人として)、そこで何度か火を浴びて、アメリカに戻ってきて亡くなっているようですね。切ない... 最後にデイビスとストロベリーがその「ハーヴァード・パーク」で2人きりで会話しているのですが、それが最高っす!詳しくは見て聞いて欲しいので書きませんが、あれが一緒にスポーツで一線で頑張ってきた2人にしか出来ない友情ってやつですか?という感じの会話です。面白い会話なんだけど、2人の本音が出ていて最高! 最近は、黒人のちびっ子達は野球離れしている!なんて言われておりますし、この映画の中でも野球の上手いおっさん達(だから失礼!)がそれを嘆いておりましたが.... 今年のリトルリーグは全員黒人のジャッキー・ロビンソン・ウェストが全米代表になったり、女の子の凄い投手モネちゃんが注目されたりと、まだまだ未来はありますよ!って書いた後に知ったんですが、私が応援しているコメディアンのジャスパー・レッドのお爺様がそのジャッキー・ロビンソン・ウェストの創設者の1人らしい!シカゴのプロジェクトで子供達の為に発足したんですって。びっくり!今回の事で、初めて知ったらしいです。そういう事ってあるんですねー。日本でも話題になってたよーと書いたら、世界中にインパクトを与えているなんて嬉しいねって書いてた。彼らはみんなの希望でしょ。私みたいに小さい頃にリー兄妹好きになっちゃう子も居るんですから... (1272本目) |
●● トリビア メジャー・リーグで活躍したエリック・デイビスとダリル・ストロベリーの関係とロサンジェルスにある「ハーヴァード・パーク」についてのドキュメンタリー。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt2378269/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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