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●● レビュー "Life is traffic jam"スプーン(トゥパック・シャクール)とストレッチ(ティム・ロス)とクッキー(タンディ・ニュートン)は音楽への情熱を共用し、そしてヘロイン中毒であった。新年を迎えた頃、クッキーがオーバードーズで意識を失っている事を発見。スプーンとストレッチは病院に連れて行こうとするも、車のない2人はタクシーも中々捕まらない。病院でも中々見てもらえなかった。そんな2人は、自分達も中毒を脱却しようと、更生施設に入ろうとするが、政府施設をたらい回しされるだけだった。そんな時に、仲間のマッド(ボキーム・ウッドバイン)が殺されているのを発見し、そこにあった薬を盗んだことで、キングピンのDリパー(フォンディ・カーティス=ホール)に追いかけられ、マッドを殺した容疑者として警察からも追いかけられるのであった... トゥパック・シャクールが亡くなった数ヶ月後に公開された作品。人生は道に例えられる事が多いが、その通りである。人生は渋滞であり、グリッドロックでもある。停滞したときこそ、それを感じてしまうのである。音楽の才能を持ちながらも、ヘロインに溺れていく主人公達。道を潤滑に進んでいる時は、人はアクセルを全開にする。 やっと更生しようとした所で、職員に「お前達のタイミングで更生しようとのこのこやってきて、はいそうですかと助けてもらえると思うなよ!」という台詞もいい。中毒者にとっては止めようと思った今日は特別な日だが、職員にとってはまた別の中毒者にしかすぎないのだ。 またトゥパックとティム・ロスの関係も面白い。トゥパックは中毒ながらも、どこか平静を保っているが、ティム・ロスの役は完全に思考回路も回っていないジャンキーだ。 トゥパックもまた人生の渋滞から逃れる事が出来なかった。トゥパックはこの中で活き活きと生きている。そして生きようと必死だ。私生活はどうであれ、スクリーンの中で生きる、真のエンターテイナーだった。 (Reviewed >> Unknown:9/30/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 トゥパック・シャクールの遺作ね。(/ヘ ̄、)グスンなのにさ、最低映画と言われている「Glitter / グリッター きらめきの向こうに (2001)」のヴォンディ・カーティス・ホールが監督じゃ、期待出来ないでしょ?的にお思いの方も多いでしょう。私もそう思ってた。カーティス・ホールは俳優としては渋くて良いのにねーと思ってた。間違ってたわ。というか、この映画が認められたから、「グリッター」なんていう映画を任された訳でありまして... というか「Waist Deep / ウエスト・ディープ/L.A.の狼 (2006)」も「Redemption: The Stan Tookie Williams Story / クリップス (2004) (TV)」も面白い映画だった!「グリッター」はたまたま駄目作品だったよね。でもそのイメージが消し去られていないのが不幸。 トゥパックのスプーン(この役名がぴったり過ぎるぜ!)とティム・ロスのストレッチとタンディ・ニュートンのクッキーの3人は当時最高に熱かったスポークン・ワードのミュージシャン。クッキーがボーカルでスプーンがベース、ストレッチがピアノ。でもまだ芽は出てなくて、クラブで演奏する位。しかも3人共にどっぷりとヘロインに溺れている。新年を迎える頃にクッキーがオーバードーズで意識不明。2人は慌てて病院に連れて行こうとするも、車のない彼等はタクシーを止める事も出来ない。その時にスプーンが911(日本の110番ね)に「白人女性が革命を訴えている若い黒人の連中に襲われている!」って嘘つくのが面白い。で、やっと病院に連れて行っても、救急は一杯で見てくれない。保険も入ってるかと分からない。入ってない方が確立が高い。スプーンと受付の女性が一発触発で揉めている所に、たまたま医者が来て見てもらった。こんな状況だったので、俺達もクスリ抜いて、真面目になるか?を新年の抱負にして、次の日から政府の麻薬更生施設に入ろうとするけど、これがまた厄介。色んな役所をたらいまわしにされる。まあ色々ありまして、警官と町のキングピンの両方に追われる羽目になってしまう。この前ちょうどヤフーのニュースになってましたが、彼等の状況が正にグリッドロック状態。身動きが取れなくて動かない状態。 トゥパックがこの映画でかなり良い感じ。活き活きしてる。この映画では、一生懸命に生き延びようと必死だから余計に切なくなる。「Juice / ジュース (1992)」とか「Poetic Justice / ポエティック・ジャスティス/愛するということ (1993)」みたいな、悪ぽい役は天下一品で、これも悪ぽいけど、またちょっと違うんだよねー。この映画では駄目なティム・ロスが演じたストレッチの面倒を見るお兄さん的な所もあるんだけど、ちょっとだけアホで可愛い。「刺して!」っていう所とか最高。トゥパックは周りの環境さえ良ければ、ジェイミー・フォックスと同じように良い感じで映画と音楽を両立してたんじゃないかって思う。作品にさえ恵まれれば、オスカーだって夢じゃなかった。とまで私は言い切る。トゥパックもいいけど、タンディ・ニュートンはこういう役やらせると本当に良いよねー。彼女の場合、こういう役をやらせても下品にならない。だから良いんだ! (1036本目) |
●● トリビア ラッパーで、非常に人気のあった故トゥパック・シャクールが主演の映画。監督には、俳優もしているフォンディ・カーテイス=ホール。 監督のジョン・セイルズがキャメオ出演している。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 >> ALMA Awards1998 Nominated Outstanding Actress in a Feature Film : Elizabeth Pena >> National Board of Review, USA 1997 Won Special Recognition >> Prism Awards 1998 Won Theatrical Feature Film |
●● サウンドトラック 1. Wanted Dead Or Alive - 2Pac/Snoop Doggy Dogg2. Sho Shot - The Lady Of Rage 3. It's Over Now - Danny Boy 4. Don't Try To Play Me Homey - Dat Nigga Daz 5. Never Had A Friend Like Me - 2Pac 6. Why - Nate Dogg 7. Out The Moon (Boom, Boom, Boom) - Snoop Doggy Dogg 8. I Can't Get Enough - Danny Boy 9. Tonight It's On - Bgoti 10. Off The Hook - Snoop Doggy Dogg/Charlie Wilson/Val Young/James E. Debarge 11. Lady Heroin - J. Flex 12. Will I Rize - Storm 13. Body And Soul - O.F.T.B. 14. Life Is A Traffic Jam - Eight Mile Road 15. Deliberation - Anonymous Soundtracks from Amazon.co.jp |
●● 関連記事 |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0119225/http://en.wikipedia.org/wiki/Gridlock%27d_(1997) http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=83692 |
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