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●● レビュー "If you are scared, you're dead!"アクセル(ジョン・カサヴェテス)は、逃れるようにして、夜遅くに波止場についた。仕事を探していたが、もう遅かったので仕方なく野宿した。朝、気のいい男に起こされた。チャーリー(ジャック・ウォーデン)の伝で仕事を手に入れたが、そのチャーリーにピンはねされる事になった。朝起こしてくれた男もそこで働いており、チャーリーとは違う班のリーダーで、トミー(シドニー・ポワチエ)という男だった。何かとアクセルに気をかけてくれて、宿まで紹介してくれたりと、友情を育んだ。しかしアクセルには秘密にしている事があり、上手く踏み込めずにいた。しかしチャーリーではなくトミーの班で働くようになってから、チャーリーがやっかみで突っかかってくる事が多くなった。しかもアクセルの秘密をチャーリーが握ってから、更に悪化していき... ジョン・カサヴェテスにシドニー・ポワチエにルビー・ディにジャック・ウォーデンに、マーティン・リット...役者揃い過ぎである。この顔ぶれだけで、どんな映画になるかなんて分かってしまうようなもの。黒人と白人の友情がとても自然体に語られている。ジョン・カサヴェテス演じたアクセルは、白人だから黒人だからという体を全く感じさせず、そしてシドニー・ポワチエのトミーも同様である。さすがの2人とマーティン・リットの演出。2人がお互いにその友情を求め合ったという関係性が心地いい。しかしさすがの社会派揃い。チャーリーの心底には憎しみが秘めていた。だからアクセルみたいな偏見のない男は嫌いだった。 本当の男の友情とは?掛け値なしに信頼でき、そして厳しい事も言い合える仲である。ラストシーンのカサヴェテスの表情を見ている同僚達の表情が悲しげだ。ああいう友情を得る事は実は難しい事を示している表情だ。だからこそ、映画の中で実現すべきだったのである。 (Reviewed >> 1/3/14:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 こちらのクラシック映画で今年の映画開き。ジョン・カサヴェテス、シドニー・ポワチエ、ルビー・ディ、ジャック・ウォーデン、マーティン・リットと名前を並べただけで、もう名作なのは当たり前でしょう!!スパイク・リーは黒人監督以外が黒人テーマの作品を撮ると、物凄くこき下ろすけど、マーティン・リットだけは別!と、あのスパイク・リーも彼の撮った作品の黒人像を褒めるほど。そのマーティン・リットの初長編作品。なのにもう凄い!ジョン・カサヴェテス演じたアクセルは、夜に何かに逃れるように波止場に着く。チャーリー(ジャック・ウォーデン)という男のツテで仕事を探していたのだった。しかし夜も遅くて、チャーリーも帰宅済み。アクセルは野宿した。朝になって、気のいい男が起こしてくれた。そしてまた事務所に出向き、チャーリーもやってきた。チャーリーは不可解な顔をしていたが、アクセルの調子に合わせ、仕事を世話し、そのチャーリーの班で波止場で列車に荷物を積む作業員として働く事になった。しかし、世の中そんなに甘くは無かった。チャーリーからしっかりとピンはねされる事を即効で知るアクセル。しかもチャーリーは人使いも荒くて人間的に嫌な奴。事務所で調子を合わせてくれたのは、ただ単にピンはね目的。がっかりするアレックス。しかもチャーリーは色々とうるさい。そんな時に優しく声を掛けてくるのが、朝起こしてくれた気のいい男性トミー(シドニー・ポワチエ)だった。トミーもチャーリーと同じく班のリーダー。チャーリーからこきを使われているアレックスを見て、「俺の班で働けよ、事務所に話しておいたから」と、アレックスに声を掛ける。最初はトミーの優しさに戸惑うアレックスだったが、次第にトミーに心を開いていく。しかしそれを横で見ていたチャーリーは気に入らず、余計にアレックスやトミーにちょっかい出すのだった。そしてアレックスには秘密があり、チャーリーはそれを知り... まー、このシドニー・ポワチエが陽気で優しくて最高!そしてシドニー・ポワチエの妻を演じさせたらピカ一のルビー・ディも当然ながらの安定感!これまたジョン・カサヴェテスが最強ね。もうラストシーンの表情とか、鬼の形相で凄い。ジャック・ウォーデンの最低男も最高です。 なんでスパイク・リーがマーティン・リットだけは認めているか?ですよね。まあ先輩(マーティン・リット)に上から目線かもしれませんが、彼が撮ってきた黒人像ってとっても自然。所謂、マジカル・ニグロとかビック・マミー的な「白人の為に尽くしますよ」感が丸でない。彼の撮る映画はいつも両者が同等。今回のこの映画では、ポワチエ演じたトミーが、カサヴェテス演じたアレックスにあそこまで尽くすことないじゃん!と感じてしまう人も居るかもだけど、それはルビー・ディの台詞にヒントが隠されている。トミーは友人を求めていた。リーダー格のトミーは他の労働者とは垣根があったのかもしれない。最後の方に明らかになるけど、そこで働く人たちはみんなよそよそしくて、仕事してお金さえもらえればいい人たち。トミーはそれを一番感じていたんでしょうね。でもアレックスは心を開いてくれた。そしてアレックスは、トミーを必要以上に黒人だと感じさせない人物でもあった。だからこそ、最後はアレックスに託す事が出来た。 名作ですな。この話でもう一回観たい!この映画を今リメイクしたら?と思ってしまい、勝手にキャスティングを考えてみた。ジョン・カサヴェテス→ベン・アフレック、ルビー・ディ→当然ケリー・ワシントン!、ジャック・ウォーデン→ラッセル・クロウ、そしてシドニー・ポワチエ→デンゼル・ワシントンと思いきや、意外とイドリス・エルバかなー。デンゼルも最高なのは分かっているけど、この世代にやらせたい!!キウェテル・イジョフォーやジェイミー・フォックスも浮かんだけど、ペントコスト司令官の上司ぷりが、また見たい! (1185本目) |
●● トリビア シドニー・ポワチエが出演している作品。ルビー・ディが共演している。「サウンダー」等で知られるマーティン・リット監督の長編デビュー作品。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 >> BAFTA Awards1958 Nominated Best Film from any Source 1958 Nominated Best Foreign Actor : Sidney Poitier |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0050347/http://en.wikipedia.org/wiki/Edge_of_the_City http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=21299 |
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