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Cast >>Donald Sutherland (Ben du Toit), Janet Suzman (Susan du Toit), Zakes Mokae (Stanley Makhaya), Jurgen Prochnow (Captain Stolz), Susan Sarandon (Melanie Bruwer), Marlon Brando (Ian McKenzie), Winston Ntshona (Gordon Ngubene), Thoko Ntshinga (Emily Ngubene) ...
Director >>Euzhan Palcy
Writer >>Colin Welland, Euzhan Palcy, Robert Bolt (uncredited), Andre Brink (novel)
Producer >>Paula Weinstein, Tim Hampton, Mary Selway
Genre >>Drama
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
Greatness of movie
1976年南アフリカ。元有名なラグビー選手で、今は学校の先生をして妻と娘と息子と共に裕福な生活をしていたベン(ドナルド・サザーランド)。ベンと同じ学校で庭師をしている真面目な男ゴードン(ウィンストン・ヌショナ)の息子ジョナサンが運悪く逮捕されてしまう。ゴードンから助けを求められたが、何も出来ずに居た。ジョナサンは学校でのデモに参加しまた逮捕された。ベンはまたも助けを求められた。そしてジョナサンはいつの間にか刑務所の中で亡くなっていた。そして情報を手に入れようとした父のゴードンも、警察によって逮捕され、刑務所で亡くなってしまう。さすがにベンは必死になり、凄腕弁護士マッケンジー(マーロン・ブランド)に頼むが、徐々にベンの生活は変化していく...

1987年の「遠い夜明け」という反アパルトヘイト映画が作られてから、アメリカやイギリスでは多くの反アパルトヘイト映画を制作していた。「遠い夜明け」がそうだったように、多くは白人の主役を置いて制作されていた。この映画もその1つに間違いない。しかしこの映画はマルチニック出身のユーザン・パルシーが監督している。彼女はこの作品でアフリカ系由来の女性として初めて大手制作会社にて映画を作った女性として歴史に名を刻んだ。その歴史的な映画は映画界最後の大物マーロン・ブランドの心を動かした。体調が優れず引退していた彼を出演させて、しかもアカデミー賞の助演にノミネートさせている。そしてパルシーはこの映画の冒頭から白人の男の子と黒人の男の子が平等に遊ばせて、強烈なメッセージをこめている。そして大人のモラルが徐々に目覚めてきた頃、その少年は既に同じように目覚めている。未来を担う子供達への希望。しかし私達に突きつける悲しい現実。それらを実にスリリングにそしてドラマチックに淡々を語っていく。

白人男性を通してモラルとは何か?正義とは何か?大人として出来る事は何か?を問いかけられる。見終えると、我々もベンと同じように感じている筈。それが映画に出来る素晴らしい事の1つ。
(Reviewed >> 4/16/11:DVDにて鑑賞)

 100本映画
さすがユーザン・パルシー!と言った所でしょうか。素晴らしい!の一言に尽きる。まだ南アフリカではアパルトヘイト政策が行われていた頃に出来た作品。元々の原作があって、それはアフリカーナーが書いている。そしてユーザン・パルシーはこの映画をもって、歴史を築いた。先日も書いた通り、アフリカ系由来の女性として初めて大手スタジオとの契約で長編映画を撮る事になった。大手=白人資本である。そしてこの映画制作のきっかけになったであろう成功させた「Cry Freedom / 遠い夜明け (1987)」と同じく、白人の視点から描かれて当然だった。実際にこの映画もドナルド・サザーランドが主役のベンを演じているし、引退していたマーロン・ブランドが出演した事で、それが宣伝に使われ、多くの白人観客が見込まれていた。でもユーザン・パルシーは見事に自分の意見や視点を映画の中に取り入れているのです。

映画は1976年の南アフリカ。ソウェト蜂起に参加したのがジョナサン。ジョナサンの父がゴードン。真面目に働く男で、ジョナサンにはそういう活動には参加して貰いたくなかった。しかしジョナサンは、アフリカーンスの言葉ではなくて、自分達本来のバンツー語で学びたいと、ゴードンに反発。次の日には父が学校に行けという教えを背いて、運動に参加する。運動は平和的な物で、子供達が歌を歌いながら訴えるというものだったが、警察が銃や催涙ガスなどで攻撃してきて、沢山の子供達が亡くなった。ジョナサンは銃砲等からは逃れたが、殺された女の子を助けようとした所で捕まってしまう。ゴードンやママが黒人の活動家スタンリーと共に警察に行くが、記録が無いと言われる。探すが全然手がかりもない。そこでゴードンは務めている学校の先生であるベンに助けて欲しいと依頼する。実はオープニングはそのベンの息子とジョナサンが仲良く遊んでいるシーンから始まり、実はジョナサンはその前にも一回運悪く逮捕されている。その時にもゴードンはベンに助けを依頼している。ベンは快く引き受け、電話を掛けたりする。自分が言えば何とかなると思っていた。しかし敵はもっと強力だったのです。そうこうしている間に、ジョナサンは死んでいた。どこに埋めたのかもすら分からない。納得いかないゴードンが、自分で極秘で色々と調べる事にした。それが気に食わない警察側は今度はゴードンを逮捕して殺してしまう。そういう出来事の数々に、ベンはこの問題へ深くのめり込んでしまうのです。同じアフリカーナからは「お前もアフリカーナになれよ!」と言われたりする。妻や娘も出来れば、今の状態のままで居たいと願っている。でもジョナサンと遊んでいた息子は違った。ベンの唯一の理解者で協力者となるのです。私はそこの部分に心打たれましたね。未来の子供達はちゃんと分かってる!だからこそ未来は明るい。

先に書いたように、この映画の原作はアフリカーナーの作家によって書かれている。原作はより白人がヒロイックで中心だった。しかしユーザン・パルシーは、黒人の登場人物にもこの映画の重要なキャラクターにした。ラストの部分は原作とは違う。ラスト誰がこの結末に決断したのか?それによってパルシーはアフリカ黒人の視点を取り入れる事に成功させた。確かにこの映画は白人が主役でヒロイックではあるけれど、他のそれらとは全く違うのです。上手く作ったなーと感心。未来への展望が含まれているオープニングの2人の子供が遊ぶシーンは眩し過ぎる位に綺麗。

 トリビア
マルチニック出身のユーザン・パルシーがアフリカ系由来の女性として初めて大手スタジオによる長編映画を制作した作品。俳優を引退し隠居生活を送っていたマーロン・ブランドがこのプロジェクトに感動し、映画に参加した。結果、ブランドにとっての最後のオスカーノミネートとなり成功させた。東京国際映画祭でも上映され、ブランドが賞を受賞し、日本でも成功させている。

物語は1976年のソウェト蜂起の頃の南アフリカの学校の先生を通してアパルトヘイトを描いている。

 その他

 受賞歴
* Academy Awards, USA
1990 Nominated Best Actor in a Supporting Role : Marlon Brando

* BAFTA Awards
1990 Nominated Best Actor in a Supporting Role : Marlon Brando

* Golden Globes, USA
1990 Nominated Best Performance by an Actor in a Supporting Role in a Motion Picture : Marlon Brando

* Political Film Society, USA
1990 Nominated PFS Award Human Rights

* Tokyo International Film Festival
1989 Won Best Actor Award : Marlon Brando

 サウンドトラック


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 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt0097243/
http://en.wikipedia.org/wiki/A_Dry_White_Season
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=11240

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Last Modified: 2011-02-17
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