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Cast >>Meron Getnet (Meaza Ashenafi), Tizita Hagere (Hirut Assefa) ...
Director >>Zeresenay Mehari
Writer >>Zeresenay Mehari
Producer >>Zeresenay Mehari, Mehret Mandefro, Leelai Demoz
Genre >>Drama
Country >>Ethiopia
Release (US) >>09 / 23 / 2015

 総合ポイント 4点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>4 演出 >>3 音楽 >>4

 レビュー
"I don't feel like I won anything"
エチオピアの農村で14歳になるヒルート(Tizita Hagere)が学校の帰りに男たちに誘拐された。1人の男に「お前は俺の嫁になる」と言われレイプされた。それは昔からその農村に伝わる嫁に貰う時の儀式だったのだ。次の日、男が置き忘れていったショットガンを持って必死で逃げたが囲まれた。ヒルートは夫になる予定だった男を撃って殺した。別の男たちと地元の警官に捕まった。ヒルートの弁護にやってきたのが、町で女性の弁護士をしているマエザ(Meron Getnet)だった。マエザはヒルートの正当防衛を主張した。しかし、様々な人から嫌がらせを受けるも、必死にヒルートを守り...

エチオピアで実際に起きた事件の映画化。エチオピアに古くから伝わる伝統vs現在の道徳。このマエザという女性弁護士が素晴らしかった。ヒルートは農村で生まれ育ったから、バージンで結婚しない女性はもう農村には帰る事が出来ないと言い聞かされている。でも「嫌だ」という気持ちは止める事は出来なかった。マエザはそれを「勇気」だったとヒルートに言う。ヒルートはそれが「勇気」だったとは思ってもいなかった。でもマエザもその事で色んな人を敵に回し、大変な思いをした。嫌がらせも受けたし、泣いたりもした。けど怯まなかった。マエザも「勇気」だったのだ。そして味方が居る事も知る。ヒールトにも味方はいた。

美しいカメラワークや優れた技術がある訳ではないが、美しい人々がこの映画には居た。
(Reviewed >> 9/30/16:DVDにて鑑賞)

 100本映画
エチオピア映画。サンダンス映画祭にてプレミア上映され、ワールドシネマ部門で観客賞を受賞。オスカーの外国語部門にエチオピア代表で出展されたが、ノミネートは逃した。

物語はエチオピアで実際にあった物語。エチオピアの農村では、代々、嫁に貰う時には夫となる男とその仲間たちが嫁を連れ去り、夫が嫁の処女を奪うのが習わし。14歳のヒルート(Tizita Hagere)は学校帰りに連れ去られた。けど、まだ学校が楽しい時期で、結婚なんてイヤイヤ時期。実はヒルートのお父さんも「まだ早い」と夫になる男に断りを入れていたのだ。しかし男と仲間は強行。ヒルートは泣きながら帰してくれと頼むも聞き入れてもらえず、ビンタをされてレイプ。しかし、その後に夫となる男が置いていったショットガンを持って逃走。すぐに囲まれ、ヒルートは夫となる男に向かって発砲。ヒルートは仲間や地元警察に取り押さえられ連行。そこにやってきたのが、NGO団体で女性の権利を弁護する女性弁護士団の1人マエザ(Meron Getnet)だった。ヒルートの正当防衛が認められるように尽力を尽くした。しかし村の酋長や男たちの話し合いでは、「ヒルートを殺せ!」という意見も出たが、ヒルートの年齢なども考慮して酋長が、村から出ていくこと、もう戻らない事を条件として正当防衛を認めた。しかし、実際の裁判でも検察側は「死刑」の態度を崩さず、夫になる男を殺された家族や仲間がリベンジを狙っていた。マエザは必至にヒルートを守ろうとするが...

というお話。日本にも無くしたくない守りたい伝統は沢山あるけれど、やっぱり変わらないといけない伝統もある。伝統という事だけで、人々の体が蝕まれてしまうのは、やっぱり違う。面白かったのは、村の男たちがなぜかヒルートが通っていた学校の先生(男)に責任を擦り付けようとしていた所。「伝統を守れない女を育ているのか、学校は!」と無茶ぶり。村の人々は女が勉強する事自体を良く思っていない。そして村八分なんて言葉があるけれど、何か新しい事をしようとすると反発され疎外されてしまう。でもそれを助けようとするのが、マエザという女性。村で育ってきたヒルートは何の疑いもなくマエザに「(マエザが)結婚していないのは、何か悪い事したの?結婚できなかった女性は悪い事したって事だから」と言う。思わず笑ってしまうマエザ。この2人の関係が美しかった。でも最後に「勝った気がしない」というヒルートに切なくなった。村には帰れない、妹を助ける事も出来ない。マエザ役の人、綺麗だったし聡明という感じで素晴らしかった。

ちなみにですけど、今離婚問題でお騒がせ中のアンジェリーナ・ジョリーがプロデューサーの1人で、英語ポスターは彼女の名前が監督かよ!っていう程大きな文字で載っております。が、多分制作後でプロデューサーになった名前貸しプロデューサーだと思います。好きそうじゃん、こういう女性権利モノ。

そして実際の事件では、ヒルートではなくAberash Bekeleという名前の子です。今は、自分と同じ境遇の子供たちを減らそうと頑張っている。でも、この映画は弁護士のマエザばかりが良い感じで描かれている!と怒って裁判まで起こした。監督は「もし勘違いをさせてしまったらごめんなさい」と謝罪。けど、この映画はエチオピアで中々の興行成績と収めて、まだ幼い子供たちの無理強い結婚防止の啓蒙には多いに役立ったという事。

 トリビア
エチオピア映画。14歳の少女が学校の帰り道で誘拐され、結婚を強要された男を殺して逃げる。
第87回アカデミー賞の外国語部門にエチオピアがこの映画をエントリーしたがノミネートは果たせず。サンダンス映画祭にてプレミア上映。アンジェリーナ・ジョリーが制作総指揮。

 その他

 受賞歴
* Abu Dhabi Film Festival
2014 Nominated Black Pearl Award : New Horizons Competition : Zeresenay Mehari

* Berlin International Film Festival
2014 Won Panorama Audience Award : Fiction Film : Zeresenay Mehari

* Black Reel Awards
2015 Nominated Outstanding Foreign Film : Zeresenay Mehari

* Camerimage
2014 Nominated : Best Cinematography Debut : Monika Lenczewska

* Jeonju Film Festival
2014 Nominated : Grand Prize : International Competition : Zeresenay Mehari

* Jerusalem Film Festival
2014 Nominated In Spirit for Freedom Award : Best Feature : Zeresenay Mehari

* London Film Festival
2014 Nominated : Sutherland Award : First Feature Competition : Zeresenay Mehari

* Oslo Films from the South Festival
2014 Nominated Films from the South Award : Best Feature : Zeresenay Mehari

* San Francisco International Film Festival
2014 Nominated New Directors Prize : Zeresenay Mehari

* Sundance Film Festival
2014 Won Audience Award : World Cinema - Dramatic : Zeresenay Mehari
2014 Nominated Cinematography Award : World Cinema - Dramatic : Monika Lenczewska
2014 Nominated Grand Jury Prize : World Cinema - Dramatic : Zeresenay Mehari

* World Cinema Amsterdam
2014 Won Audience Award : Zeresenay Mehari

 サウンドトラック


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*映画秘宝 10月号にてエチオピア映画『チャイルド・マリッジ- 掠奪された花嫁』について寄稿。(8/21/18)

 リンク
US Official SiteNot available

 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt2611390/
https://en.wikipedia.org/wiki/Difret
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=365095

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Last Modified: 2015-10-22
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