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●● レビュー "Back to Jungle"ラリー・B・リー(クラレンス・ブルックス)は、不動産屋をしておりハーレムで一番の稼ぎで有名な人物だった。しかし不動産は表向きであり、裏では「ナンバー賭博」で儲けていた。リーが訪れたビリヤード場でケンカが勃発。そこをパンチ一発で治めた若いカーリー・ソープ(ラルフ・クーパー)を気に入り、リーは自分の会社に入れた。カーリーは最初から頭角を現した。そしてリーの彼女であるクラブシンガーであるフロー(クレオ・ハーンドン)を見かけ、いつかはあんな女性を...と思うカーリー。そんな時に、リーは働きすぎで体を崩し、その間カーリーがリーの代理となった。不満に思う部下たち、そして他のナンバー賭博の大物たち... リーが居なくなった事でバランスが悪くなり、しかもカーリーは野心溢れる策略で... 黒人版クラーク・ゲーブルと呼ばれていた稀代の2枚目俳優ラルフ・クーパー。そんな彼が得意としたのが、この映画のような闇を描いたギャング映画である。今で例えるなら...正直居ない!そのクーパーが、元々コンサート歌手で「黒人映画の父」オスカー・ミショーの映画でデビューしたジョージ・ランドルと共に制作会社を設立し、2人で脚本を書いたのがこの作品だ。舞台はニューヨークだが、撮影はロサンジェルス。ラルフ・クーパーのギャングものは、そんなに好きじゃなかったのだけど、この映画は傑作だ!「スカーフェイス」並みとまでは言わないけれど、スカーフェイスぽい!ラルフ・クーパー演じる若いカーリーがとても野心的で面白い。そしてこの時期の映画はとても音質も悪く、そして俳優の技術的にも台詞がはっきりとしていない事が多々あるが、この映画はとても聞きやすい。 もうとにかく最後がカッコいい!スカーフェイスは、ラッパー達に人気の映画であるが、多分ラッパー達はこの映画を知らない。残念である。彼等が観たら、多分真似するであろうカッコいい男がカーリーである。どーしようもない男なんだけど... (Reviewed >> 6/9/14:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 この時代にはまだまだ珍しい黒人プロデューサーと脚本家による作品。というか、元々は俳優のGeorge Randol (ジョージ・ランドル)と、この映画の主演であるRalph Cooper (ラルフ・クーパー)の2人が「ランドル=クーパー・プロダクション」を設立して制作した作品。2人については、リンク元で確認されたし。「俺たちの映画を作るんだ!」というスパイク・リーみたいなカッコいい2人が1930年代にはもう存在していたという証がこの映画。ニューヨークのハーレムが舞台だけど撮影はロサンジェルスのサンタモニカ。ラリー・B・リー(クラレンス・ブルックス)はハーレムに大きな事務所「ハリー・B・リー不動産」を構え、ハーレムでも1・2を争う資産家だった。不動産というのは表向きで、裏ではナンバー賭博(マルコムXでも有名な番号賭博ですね)の大締めの1人で牛耳っていた。リーがビリヤード場を訪れた時に、些細なケンカが起こっていて、そこに飛び込んで止めたのがカーリー・ソープ(ラルフ・クーパー)だった。そんなカーリーを気に入り、リーは自分の会社に招き入れた。リーの裕福さ、そしてリーの彼女であるフロー(クレオ・ハーンドン)を見かけたカーリーは、自分もリーのように成功する事を誓う。もうあんなジャングルみたいな生活は嫌だと。メキメキと頭角を現していくカーリー。そんな矢先にリーが働きすぎで病気になってしまう。しばらく安静が必要なリーは、カーリーを代役とした。しかしカーリーはもっと利益を得ようと、ルールから外れた事をし始めた。ナンバー賭博の大締めたちの組織「バンク・オブ・アソシエーション」の他のメンバーたちがいらだち始めていた。しかしリーは何も知らなかった。徐々にカーリーはリーが築いてきた物を奪い取っていく。そしてフローすらも、カーリーに心が移っていたが... 所謂当時のギャングもの。しかも主演のラルフ・クーパーはこういう映画ばかり作っていた。前に観た「Gang War / 日本未公開 (1940)」はあんまり好きじゃないなーと思ってしまったんだけど、これは文句なしにカッコいい!感想にも書いたけど「スカーフェイス」ばり!とか並み!とかまでは言わないけれど、スカーフェイスぽい!!何ていうか、若い男が昔貧乏だった頃には戻りたくないと必死に悪い手だろうが突っ走る姿が、トニー・モンタナぽい!「The World is yours」ですよ。まあ正直私はタイプではないのですが、ラルフ・クーパーは当時黒人版クラーク・ゲーブルとまで言われた稀代の男前!!今も変わりませんが、昔は特にすごいカッコいい訳じゃなくても色が白いというだけでモテた。ラルフ・クーパーと人気を2分していた先日残念ながらなくなってしまったHerb Jeffries (ハーブ・ジェフリーズ)も同じ理由で人気だった。何が言いたいかと言うと、NBAのブレイク・グリフィンとデンゼル・ワシントンだったとしたら、やっぱりデンゼル・ワシントンの方が男前だと持て囃されると思うんですよね。でも昔は違った。色が白いというだけで、ブレイク・グリフィンが男前だと持て囃されるという事。それは主演の女優さんについてもいえますね。何かちょっと残念な感じ。誰かに似てるんだよねー、この残念な感じ!と思っていたら思い出しました。クリス・ブラウンの彼女、カルーシェ・トランだわー。小柄でコンパクト。可愛いけど、憧れる要素なし。残念な感じは、私だけでなくて、IMDBの感想にも書かれていたね。 でも、この映画のラルフ・クーパーは本当にカッコいい!最後が特にね。トニー・モンタナのモデルかと思ったくらい。最後はトニーのように「セイ・ハロー・トゥ・マイ・フレンド!」と言ってもおかしくない位!というか、無理やり自分でアテレコしたよ。その前にね、折角手に入れたフローに「やめてー」って言われるんだけど、「あんなジャングルに戻るくらいなら死んだほうがマシ」と覚悟を決めるんですね。まあそこがカッコいい。というか、私は最後に覚悟を決める男が好きなのかもね。「Across 110th Street / 110番街交差点 (1972)」のジムもそうだった!あそこで覚悟を決めたから、あの映画大好きなんだもんね。という事で、「スカーフェイス」を崇めているラッパーのみなさん達、あなた方の先輩にこんなにトニー・モンタナみたいなカッコ良いアイコンが居ますがなー!!!しかも、そんなカッコいいパイ先が脚本・制作。クレジットはされていないけれど、監督もクーパーがしていたという。何もかもがカッコいいじゃないですかー!! (1242本目) |
●● トリビア アポロシアターの人気司会者ラルフ・クーパーがジョージ・ランドルと共に製作した作品。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック 1. "The Sweetest Moment of My Life" - Cleo HerndonSoundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0028768/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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