1933
Cast >>Bayard Rustin (archive footage), Dorothy Jackson (Herself - Childhood Friend), John Rodgers (Himself - Teammate), Louis John (Himself - Nephew), Bill Sutherland (Himself - Fellowship of Reconciliation), Andrew Young (Himself), Davis Platt (Himself) ...
Director >>Nancy D. Kates, Bennett Singer
Writer >>
Producer >>Nancy D. Kates, Bennett Singer
Genre >>Documentary
Country >>USA

 総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >>4 演技 >>N/A 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
"I always been in trouble, 'cause I'm a black skinned man."
1912年にペンシルバニアにて生まれたベイヤード・ラスティン。父親の存在を知らず、母方の祖父母に育てられた。ハンサムで歌の才能があったラスティンは、オハイオの黒人大学ウィルバーフォース大学へ入る。しかし食堂での食べ物が粗末だった事に抗議して、大学を辞める事になる。ブルース歌手のジョシュ・ホワイトに認められ、NYのカフェ・ソサエティで歌うようになり、別の大学の学費を払う事が可能になった。その頃に社会主義の団体に加入。AJマスティに師事。その後に労働組合や公民権運動で知られるA・フィリップ・ランドルフの団体に加入し、社会主義とは離れる。公民権運動に精力を傾け、1963年にはワシントン行進を開催者として成功させたのだった。そして自身は同性愛者であることを早くからオープンにし、同性愛者の権利にも貢献したのだった。

ベイヤード・ラスティンは知名度こそ無いかもしれないが、このドキュメンタリーでも語れていたように40年代からずっと大きな公民権運動の出来事には彼の姿があった。キング牧師が登場する前から活躍していたのだ。スコッツボロにも関わっていたというから、彼の歴史は長い。そのキング牧師が登場してきた時にも、もちろんラスティンは兄のようにキング牧師を支えた。ラスティンもまた非暴力抵抗を支持していたのだ。しかも彼はインドに出向いている。残念ながらもうガンジーは暗殺された後であったが。そしてラスティンは公民権運動だけではなく、反核運動や同性愛者の権利にも精を出した。しかし同性愛者であった事から、変な噂を流されて、キング牧師はラスティンと距離をおかなければならない時期もあった。それでもラスティンは公民権運動の礎となるイベントを計画し続けた。

この映画タイトルのように、アメリカのある人たちにとって、ラスティンはアウトサイダー(よそ者)であったかもしれない。しかしラスティンはそんなよそ者の人々の為に最後の最後まで非暴力で戦いつづけ、人権を獲得し続けた人である。
(Reviewed >> 4/26/15:DVDにて鑑賞)

 100本映画
来ちゃった。私の第162回目位のキング牧師ブーム。だってさ、ファーガソンやボルチモアでの商店がターゲットになった暴動を見ていると、「あーーーー違う!そうじゃないんだ!」って憤っちゃうじゃないですか。そうすると、やっぱりキング牧師の本とか映画に私は走ってしまう。アメリカの黒人はなんでももっとキング牧師から学ばないんだよ!って思っちゃうんですよね。やっぱり素晴らしい指導者ですよ。キング牧師が穏健派でひ弱なイメージを持っている若者がアメリカにも多いけど、逆だからね!差別の酷い所に出向き最前線で武器を持たずに戦った戦士だぞ。ボルチモアでは警官に石やレンガにカン等が投げられていますが、キング牧師も石やレンガに爆竹なんかが飛んでくる所...包丁で刺された事すらあった中、非暴力を貫いたからこそ、彼は人々に権利や自由を勝ち与えた訳なのですぞ!アメリカは幼稚園くらいから必須科目で「キング牧師」を教えるべき!!!!!でもやらないよね、バカだから。という訳で、ベイヤード・ラスティンのドキュメンタリーを!って、どういう訳なんだよ!って声を無視して...まあまあお時間くださいな。

ベイヤード・ラスティンは1912年にペンシルバニアで生まれた(ちなみにキング牧師は1929年アトランタ生まれ)。父親は誰か分からなく、母方の祖父母に育てられる。ハンサムに成長し、歌も上手かった。高校ではフットボールもやっていて、レフトタックルだった。その後に歴史的な黒人向け大学に進み、音楽を専攻。奨学金も貰っていたらしい。しかし食堂の食事が酷かったので、抗議したら、大学に居れなくなり退学。NYに渡り、ブルース歌手ジョシュ・ホワイトに出会う。彼のお陰で当時人気のカフェ・ソサエティで歌うようになり、それにより大学にも復学(違う大学)。その頃に共産党のグループに加入。AJ・マスティに師事。40年代に南部のテネシーに旅行。そこで経験したジム・クロウ法(差別するが平等)によりバスでの隔離に抵抗し、引きずられて後ろの座席にされたらしい。そしてラスティンは同性愛者であることを隠さなかった。恥だと思っていなかったからだ。そして第2次世界大戦には、徴兵されたが、拒否。逮捕され、ケンタッキー州に収監され、所謂チェーン・ギャングとして過酷な労働を虐げられた。その前には在米日本人の強制収容にも反対し活動。そして戦争が終わった頃に、鉄道のポーターの労働組合を作ったA・フィリップ・ランドルフに師事。この頃には共産党グループから離れている。精力的に公民権運動で活動した。しかも彼の場合はそれだけじゃなく同性愛者の権利、反核運動ではフランスやアフリカにも飛び、晩年にはカンボジアやタイの子供たちの状況をよくする為に働いたりした。そんな人が、ベイヤード・ラスティン。

キング牧師が公民権運動の先導者・リーダーならば、ベイヤード・ラスティンは計画者・主催者・オーガナイザー。キング牧師が「私には夢がある」のスピーチをしたワシントン大行進は、ラスティンの計画・主催によるイベントだった。キング牧師とラスティンは17歳離れているので、キング牧師にとってラスティンはお兄さん的存在だったらしい。というか、キング牧師に非暴力を説いたのは、ラスティンだったとも言う。なにせラスティンは自分の足でインドまで出向いているからね。もうガンジーは暗殺されてしまった後だったらしいけど。ラスティンは、あのスコッツボロ(詳しくはこちら)でも活動したっていうんだから、歴史が凄いよね。キング牧師だけでなく、マルコムXとも演説したり、ブラック・パンサー時代のブラックパワー時代には、ストークリー・カーマイケルと公開討論までして、非暴力を説いた。

このドキュメンタリーでは、ラスティンの紹介に歌詞がぴったりなジョシュ・ホワイトの曲が使われたり、ワシントン大行進でラスティンを紹介するオシー・デイビスの映像があったりと、作りも最高!スパイク・リーの映画や『Ganja & Hess / ガンジャ&ヘス (1973)』でも編集アシスタントをしていたサム・ポラードが制作総指揮の一人。だからかな?と勝手に推測している。

 トリビア

 その他

 受賞歴
* Black Reel Awards
2004 Nominated Television: Best Original Program

* Cinequest San Jose Film Festival
2003 Won Best Documentary

* GLAAD Media Awards
2004 Won Outstanding Documentary

* Image Awards
2004 Nominated Outstanding TV News, Talk or Information (Series or Special)

* L.A. Outfest
2003 Won Outstanding Documentary Feature

* New York Lesbian and Gay Film Festival
2003 Won Audience Award : Best Feature

* Philadelphia International Gay & Lesbian Film Festival
2003 Won Audience Award : Best Documentary

* San Francisco International Lesbian & Gay Film Festival
2003 Won Audience Award : Best Documentary

* Sundance Film Festival
2003 Nominated Grand Jury Prize : Documentary

 サウンドトラック
1. Trouble - Josh White

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 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt0337902/
http://en.wikipedia.org/wiki/Bayard_Rustin
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Last Modified: 2015-04-27
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