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●● レビュー 「Welcome to the Future」と、主演したオマー・エプスが、試写会等で日本に訪れた時に、記者会見でこの映画を表わした言葉だ。この映画を見終えた後に、色々と調べてしまった。これは、私が感動した映画を見た後にいつもする癖。取りあえずimdbで調べてみて...っていう、いつもの癖。そして、エプスが言ったこの言葉を見つけた。私が感じていた事と全く一致していたエプスの言葉が、気に入ってしまった。小さい頃に、お父さんの横で見ていた日本の「ヤクザ映画」を思い出し、ノスタルジックな気分に浸りながらも、私が大好きな「ブラックムービー」のエネルギーとメッセージを感じた。ヤクザ映画のような仁義、そしてブラックスプロイテーションのような復讐劇。エプス扮するデニーがいつもはたけしを「アニキ」と呼んでいたのに、アニキが「お前の目をやったのは俺だ」と言った時に、デニーは自分の言葉でアニキを「My brother」と呼んだ。アニキにちょっぴり反抗心を見せながら、デニー(というか彼らアフリカン・アメリカン)の最大の尊敬心を表わす「Brother」を使ったデニーの気持ちを、武監督は見事に表わしていたと思う。そして、デニーはラストで、アニキへの尊敬を払って「アニキ」と叫ぶあたりが、実に感動的だ。ビートたけし演じる山本と、その弟分である加藤との仲や、アニキとエプス扮するデニーの仲が、実に丁寧に描かれていて心休まる演出だ。また、たけしの静かな演技と、エプスのエネルギッシュな演技が、たまに出てくるLAの海の波のようにぶつかり合っていて面白かった。また、ギャングの闘争シーン等は、エンターテイメントにあふれていたし、デニーとアニキの、賭け事シーンや加藤のバスケットのシーンは、たけしらしいコミカルさがあって、余計にラストシーンが映えた気がした。インディペンデンスのような、芸術的センスを武監督のLAの町並み使いに感じ、メジャー作品のようなエンターテイメントの要素がたっぷり詰った、この映画に、私は今後の映画の「Future」を感じた。 たけしと武監督のソウルと、エプスの魂.... このミックスさが、Futureなのである... (Reviewed >> 12/12/01) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア 日本発の作品。監督・主演は、もちろんビート・たけし。そのたけし演じる主役の人物が、兄弟のいるアメリカに渡って、オマー・エプス扮する人物と、交流するという物語。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * The BEST OF SOUL2001 Won Best Movie of the Year (Drama) 2001 Won Best Male Performance of the Year (Drama) : Omar Epps * Mainichi Film Concours 2002 Won Best Supporting Actor : Susumu Terajima |
●● サウンドトラック 1. Drifter... in Lax2. Solitude 3. Tattoo 4. Death Spiral 5. Party - One Year Later 6. On the Shore 7. Blood Brother 8. Raging Men 9. Beyond the Control 10. Wipe Out 11. Liberation from the Death 12. I Love You... Aniki 13. Ballade 14. Brother 15. Brother [Remix Version] Soundtracks from Amazon.co.jp |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0222851/http://en.wikipedia.org/wiki/Brother_%282000_film%29 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=162901 |
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