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●● レビュー Music for life.コンゴを愛した映像作家が出会った「スタッフ・ベンダ・ビリリ!」。彼等の大半はポリオによって車椅子生活を余儀なくされているか、貧しさ故にストリートで生活する子供達からなるストリートミュージシャンだった。 日本では既に見られなくなったポリオ。しかしアフリカや中東ではまだまだ数は少なくない。今に始まった事ではなく、あのアフリカ映画の父であるセネガルのオスマン・センベーヌの「Borom sarret / 日本未公開 (1966)」にも足を引きずる男性が出てくるし、ガーナの「Emmanuel's Gift / エマニュエルの贈り物 (2005)」も足に障害をもった男性が自転車でガーナ一周して、人々に勇気を与えた。この映画のコンゴの人々も、やはり予防接種を受けられずに、障害者として車椅子生活をしている。日本みたいに無料で予防接種も受けられないし、それで障害者となっても支援がある訳でもない。自分達で何とかしなくてはいけない。せっかくの障害者センターも火事になってしまえば、外に放り投げられる。しかし彼等は音楽を通じて、自分達を表現していく。音楽にすれば、彼等の主張に耳を傾けてくれるのだ。この映像作家は、途中でロジェという少年に出会い、ビリリに紹介する。彼はストリートで生活していた訳ではないが、やはり家庭に問題を抱えていた。そんな彼も手作りで楽器を作っていた。そのロジェが、ビリリのリーダーである「パパ・リッキー」が父親代わりとなって、このドキュメンタリーの中で著しく成長しているのが面白かった。最後には「俺がビリリを引き継ぐ」とまで言ってみせる。 このドキュメンタリーの面白さは、ビリリの奮闘だけでもない。生々しい子供達の会話や、動物園での振舞い等が、日本の子供達とは全く違う事も叩きつけられるのだ。そんな中、ビリリのメンバーは苦しみながらも、音楽で自分達をさらけ出し(ベンダ・ビリリ)していく。 (Reviewed >> 5/17/12:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 この映画の題材になったスタッフ・ベンダ・ビリリ!の皆さんはツアーで、わが町にもやってきた!ヤー!ヤー!ヤー!しかし...その日はどうしても大事な用事があった為に、行けませんでしたー。悔しさと後悔だけが残り、そのちらしを今でも取って置いてあります。このドキュメンタリー見て思った、やっぱり行っておくべきだったと!!コンゴ民主共和国のキンシャシャ。そこでの身体障害者の問題やストリートチルドレン、そして貧困の問題等が扱われたドキュメンタリー。感想にも書いたけど、コンゴだけでなく、アフリカ全体に身体障害者の問題はある。しかも今に始まった事ではなくて、昔から存在していた。アフリカ映画の父ウスマン・センベーヌの「Borom sarret / 日本未公開 (1966)」にも出てきていた。割りとショッキングな映像で脳裏にこびりついている。支援団体もないだろうし、そういう人々への知識もないので、雑に扱われていたのがショックだった。このドキュメンタリーでもそう。彼等は自分達で手作りの車椅子を作っている。自分達の運命を受け入れ、それに真っ向立ち向かっていく姿が熱い。そんな彼らは集まって音楽を奏でる。ギター等はあるが、手作りのドラムだったり、ミルク缶で作ったサトンゲという楽器だったりを演奏している。外国人向けのレストランの前等で歌って、お金を稼ぐ事もあったストリートミュージシャン達。その軍団をまとめているのが、パパ・リッキーと呼ばれる男性。ストリートチルドレン達を助けているが、自分も車椅子生活をしている男性だ。このバンドに惚れこんで、この映画やレコーディングの手助けをした男性はフランス人の白人映像作家。キンシャシャの町で撮影中に「なんで白人がビデオ撮ってるんだよ!」って、町の人に野次られると、パパ・リッキーは「うるせぇ!お前なんかカメラも見たことない田舎者のくせに!!」とたくましくやり返す。そんなリッキーに監督は1人の少年を紹介する。彼の名前はロジェ。あどけなさが残るというか、あどけなさ全開の男の子。しかし彼が一度サトンゲを奏でると、大人顔負けの音を出す。ロジェはストリートチルドレンではないが、貧しい家庭の子供。父親は母親に暴力を繰り返し、母はトラウマのために精神に病を抱えている。しかも父親が出て行ってしまったので、その母が家を支える。そんな中、レコーディングが始まる。しかし、リッキー等が住んでいた障害者用センターが火事で全焼。リッキー達は外に放り投げだされて、またレコーディングは中止。ロジェも自分の故郷の村に帰ってしまう。ほぼ1年かかって、やっとまたレコーディングが再開。リッキーはロジェを探しに行く。そうすると、ロジェがかなり成長しているのです。今度のレコーディングは、いつも練習していた動物園で開始。 まあ何が面白いって、子供達ですかね。健常者のストリートチルドレン達は、身体障害を抱える大人を助ける。そしてその身体障害を抱える大人達は、ストリートチルドレンの面倒を見る。助け合いの構図が自然と出来ている。それと同じように、暴力を振るう父と精神が病んでいる母の間で成長したロジェは、パパ・リッキーの存在を見て、自分も男として成長していく。ロジェ少年は、音楽という自己表現を見つけた。最後のヨーロッパツアーでは、見事に成長していて、素晴らしい熱いソロパフォーマンスも見せる。成長したロジェは「俺がベンダ・ビリリを引き継いでいきたい」と語る。スクリーンの中でどんどん成長していくんですわ。 (1002本目) |
●● トリビア コンゴ産のドキュメンタリー。スタッフ・ベンダ・ビリリというストリートミュージシャンたちを追っている。彼らは日本でもコンサートを実現させている。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 * Cesar Awards, France 2011 Nominated Best Documentary Film (Meilleur film documentaire) * Etoiles d'Or 2011 Won Best Documentary (Documentaire) |
●● サウンドトラック 1. Moto Moindo Black Man 2. Polio 3. Je T'Aime 4. Sala Keba 5. Moziki 6. Sala Mosala 7. NAvramandole 8. Tonkara Cardboard 9. Marguerite 10. Staff Benda Bilili 11. Mwana 12. Je T'Aime Bonus Track 13. Polio Bonus Track 14. Tonkara Bonus Track 15. Staff Benda Bilili Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt1625857/http://en.wikipedia.org/wiki/Benda_Bilili! http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=336932 |
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