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●● レビュー Straighten up crooked road...アメリカのロサンジェルスにて発展したギャンググループ「ブラッズ」に所属のクレ・スローアンが追うLAギャングの歴史... クレ・スローアンはロサンジェルスのワッツからちょっと外れたアセンズという地区の公園で遊んでいるうちに、その公園が「ブラッズ」の溜まり場だった事から、当たり前のように12歳にてブラッズの仲間入りをして「ボーンズ」という名前を得る。その地区で行われた映画「トレーニング・デイ」の撮影中に、撮影が無事に済むようにと、ギャング達の取り締まりをしていた。彼はたまたま少しみんなよりハンサムだったのと、自然体なカリスマ性から、監督のアントワン・ファクアに気に入られて映画に出演。それが縁で、今回の映画もファクアの協力を得て完成させた。そんな彼が追うロサンジェルスギャングの歴史。彼はギャングの始まりを、南部から渡ってきた労働移民達まで遡る。まだ白人が住んでいたサウスセントラル地区では、白人の男性達が黒人を襲う事がしばしばあった。それに自衛する目的で幾つかのグループが存在するようになった。「Slauson」というグループは後に、オークランドで組織された「ブラックパンサー」にまで影響を及ぼした。その事実を知ったクレ・スローアンの中で何かが変わり始める。それは、冒頭での彼のクレジットの仕方と、ラストのクレジットの違いを良く見て欲しい。 スローアンの時代は、黒人同士でただ殺しあっていた。昔は、仲間を守る自衛グループだったものが... 彼はさらに最大の敵とされる「クリップス」の敵地にまで向かい、彼等と直接話す。その後、彼等との喧嘩で亡くなっていった自分の仲間を思い出し、ギャングにまでなった男がカメラの前で涙を流す... 決してカッコいい姿ではない。でも彼がギャングという内側から変えようとしている姿も映し出され、観客に前向きな印象を残す。時代を経て曲っていった道を正そうとする、その姿。 「ギャング」という言葉だけに引っかかってしまうと、あまりこの映画から得る事は出来ないかもしれない。アメリカの文化や生活様式は、日本の若者にも多大なる影響を与え続けている。アメリカで存在する物は、日本でも当たり前のように存在する。日本に昔から存在する暴走族とは違う「ギャング」も海を越えて日本にやってきた。形を大きく変えて。そんな日本で「ギャング」と名乗る若者達に見てもらいたい。何が違うのかを... 歴史が違う事を。 (Reviewed >> 3/2/07:DVDにて観賞) |
●● 100本映画 Not Yet |
●● トリビア いまや世界に名の知れるギャング「ブラッズ」のメンバーであるクレ・スローアン製作によるドキュメンタリー。スローアンが俳優として、アントワン・ファクア作品の「Traning Day/トレーニング・デイ」や「The Replacement Killers」に出演したのがきっかけで、ファクアが今回のプロデュースを担当。最初は、冒頭の15分のみだったが、ファクアがそれを見て気に入り、もっと作れと金銭面や技術面をサポートした。ちなみに「トレーニング・デイ」では、撮影に協力し本物のギャングをスローアンが用意した。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 2005 Won Best Documentary American Black Film Festival2006 Won Best Documentary Hollywood Black Film Festival 2006 Won Best Documentary International Black Cinema Festival (Berlin & St Louis) |
●● サウンドトラック 1. So Many Tears - 2 PacSoundtracks not available |
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●● インフォサイト http://imdb.com/title/tt0455913/http://en.wikipedia.org/wiki/Bastards_of_the_Party Not available from Allcinema |
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