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●● レビュー "Enough Suffering!"マリの首都バマコ。人々が共同で生活している住居の野外広場で、大事な裁判も行われていた。植民地時代から続く世界銀行と国際通貨基金(IMF)の腐敗は、多くのアフリカの国々を貧困に陥れた事を、双方から議論していた。しかし、そんな裁判が行われている所に住むメレ(アイッサ・マイガ)とシャカ(ティコウラ・トラオレ)夫婦には亀裂が生じ、別れそうな雰囲気であった。メレはシンガーとしてクラブなどで歌っていたが、シャカは仕事がなく無職であった。難しい問題を話し合う裁判の行方、そしてアフリカの今後、更にはメレとシャカはどうなっていくのか... この映画を一言で語るなら「ユニーク」である。この作品には唯一無二の存在で、不思議な面白さを持っている。あの場所で大事な裁判が行われている理由も分からないし、いきなりダニー・グローバー主演の西部劇が始まるのも唐突で面白い。もうとにかく分からない事だらけで、正直かなり取っ付きにくいし理解も難しい映画である事は間違いないのだけど、最後にいきなりエンディングがやってくる不思議な感じ。とにかく難しい!が、そのエンディングには納得してしまう不思議な魅力を持っている。裁判では、アフリカが抱える問題点が数多く率直に語られている。若干、その部分は長い気もするが、色んな人が色んな問題を鋭く語っている。しかもその中にも突然歌うおじさんが出てきて、これまた不思議さを醸し出しているが、何かその熱で聴いてしまうのだ。 ここで何回「不思議」と書いたか分からないが、このユニークな作品は不思議なのは間違いない。そして分かったような?分からないような?でも不思議な魅力に溢れているのも間違いない。ヘンな癖のある作品だ。 (Reviewed >> 1/23/15:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 今年のオスカーの外国語部門にノミネートされた『Timbuktu / 日本未公開 (2014)』のアブデラマン・シサコ監督の作品。『Timbuktu』が色々と話題になっておりますね。その前に丁度手に入れたので、観ておこうかと!ところがとてーーーも取っ付きにくい作品でしたよ!でも取っ付いてみると、面白い作品でしたよ!!ってか、ダニー・グローバー出ちゃってる!なんでだ!まあ後で謎解きを。マリ共和国の首都バマコ(タイトル)。その一角にある共同住居の野外広場では、国の大事な事を決める裁判が行われていた。どのように国債を払っていくのか?その前に市民への社会的な保障や医療費などはどうしていくのか?アメリカのように個人が医療費を負担して、払うか死ぬかを決めていいのか?アフリカはそんな国じゃない筈だ!と、人々は熱く議論していた。その裁判が行われている住居に住んでいるのが、メレ(アイッサ・マイガ)とシャカ(ティコウラ・トラオレ)夫婦だった。彼等には1人の娘が居たが、夫婦間は亀裂が生じていた。メレはクラブシンガーとして働いていたが、シャカは長いこと無職であった。そして次の日も裁判は続く。マリを出て職を求めて様々な国へ渡った若い男は、最終的には追い出されて、他の違法移民者と共に何週間も掛けてサハラ砂漠を歩いてマリまで帰され、30人居た仲間が最終的には10人弱となっていた話などをしていた。そんな話を聞いた一般人のおばさんが、突然裁判官たちに向かって怒りだす。「お前達は恵まれているんだから、私たちの事なんて絶対に理解出来ないんだよ!もう苦痛はごめんだよ!!」と。シャカは警察官を目指してフランス語を勉強していた。裁判の議論は続けられ、そしてメレとシャカの仲も局面を迎えていたが... もうね、なんで野外の共同住居の狭い所で大事な裁判やっているのか、そこから理解不能なの!しかも住んでいる人たちはその周りで普通に生活しているのよ。女たちは野菜を切ったりと料理していたり、子供達も泣き叫んでいる。よちよち歩きの赤ちゃんが大事な書類を持っていっちゃう。そして、この映画の主役の1人、奥様のメレはドレスを着るのに、夫のシャカじゃなくて、裁判に来ている人?アシスタント?みたいな男が、毎朝ドレスの後ろ紐を結んであげている。まあそこは夫婦の不仲を描写している訳なのですが、本当にあそこで裁判やっている意味が分からない!幾らなんでも別の場所がある筈。でもね、それが面白いんだよねー。何事にもキッチリ計画性のある我々日本人には、なんで?って事ばかり。裁判のシーンも長い。でも人々が熱くて面白い。白熱するオバサンとか、いきなりやってきて歌だけ歌って帰っていく男とか、後は名前だけ言って帰っていく男も居た!結婚式は始まるし、カオスよ。 そしてね、いきなりその共同住居でTVが運ばれて、夜にみんなでTV見るの。『Death in Timbuktu(トンブクトゥでの死)』という西部劇。その主役がダニー・グローバー!!カウボーイ役。笑った。監督もカウボーイ役でこの劇に出てるよ。ダニー・グローバーはこの映画の制作総指揮。だからゲスト出演。エリア・スレイマンも同じ西部劇でゲスト出演。しかもこの西部劇、本当にこの映画になんの関係もないの!ただ子供達が見ているってだけなのよ。凄い豪華な無駄よね。 と、本当に変な癖しかないような映画なんだけど、最後がグっときますね。シャカはフランス語頑張っていたし、娘に扇風機を持ってくる優しさもある男だったし...切ないっす。あの最後でガツン!と、それまで長く裁判で議論されていた事が一気に現実として突きつけられるんですよね。嗚呼、切ない。不思議なパワーを突きつけられる映画です! (1326本目) |
●● トリビア |
●● その他 |
●● 受賞歴 * Cesar Awards, France2007 Nominated Most Promising Actress : Aissa Maiga * Istanbul International Film Festival 2007 Won FACE Award : Abderrahmane Sissako * Lumiere Awards, France 2007 Won Best French-Language Film : Abderrahmane Sissako * Paris Cinema 2006 Won Audience Award : Abderrahmane Sissako |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt0814666/http://en.wikipedia.org/wiki/Bamako_(film) Not available from Allcinema |
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