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●● レビュー "Lynching is a message crime"(Reviewed >> 3/15/20:TV放映にて鑑賞) |
●● 100本映画 「またか...」をいつか無くすために『Always in Season』![]() 恐らくこれから書くことは多くの人々にはあまり歯牙にもかけないことかもしれず、それゆえにこの作品への興味もないかもしれない。「またか...」そう思う人が多数であろう。その「またか...」だから問題だと言うのに。自分には関係ないことで済まされるかもしれない。でも家族だったら、恐ろしいことだ。想像もしたくない。でも、現実に起こっている。「またか...」のレベルで。そんなアメリカの日常に埋もれてしまいそうな「またか...」を追ったのが、新進監督ジャクリーン・オリーヴ。新人とインディペンデントを支援するサンダンス映画祭にて上映されたドキュメンタリー。ナレーションには、『リーサル・ウェポン』シリーズでお馴染みのベテランのダニー・グローヴァー。 2014年の夏、ノースカロライナ州ブレイデンボロという小さな街で、ブランコで首を吊られた状態で発見されたのが、17歳のレノン・レイシー。警察は自殺と断定したが、レノンを良く知る家族や友人たちは、リンチを受けた殺人だと信じている。その事件と、アメリカの歴史に影を落とす過去のリンチ事件である、1946年ジョージア州で起きたムーアのフォード橋リンチ事件、1939年フロリダで起きたクロード・ニール・リンチ事件を追っていく。 現在と過去のリンチ事件を扱っている。過去の事件はもう40年以上も前の出来事だけど、今も変わらないのが犯人は分かっているのに捕まらない。ノースカロライナで起きた現在の事件だって、このドキュメンタリーを観れば、誰が犯人かは一目瞭然だ。ドキュメンタリーの映像作家が真実に迫る事が出来るのに、なぜか警察はそれをやらない。過去と現在の両方を追ったからこそ分かる、現在にもそこにある恐怖。 そしてムーアのフォード橋リンチ事件は、地元の人たちが毎年その現場で再現しているのがビックリした。どんな悍ましい事件だったかを風化させない為に行っている。この事件では、2組の若いカップルと女性のお腹の中にいた赤ちゃんの5人が殺されている。加害者は、女性のお腹を割いて赤ちゃんを取り出して殺しているのだ。それをそのまま再現(演技)する。多くの観客が目をそむける。この再現も、最初は誰の支援も受け入れられなかった。再現する演者、特に白人の役者たちから嫌厭されてしまい、最初の時には仕方なく黒人がお面を被ってやっていた。今では、ちゃんと白人の役者が協力している。その中の1人は、親がクー・クラックス・クランのメンバーで、リンチも実際に観たことあるという人までいた。今はそういう事実があった事を伝えたいとして参加している。 時代が変わっても、変わらない悪いこともある。でも、時は確実に人々を変えていく。教育されて知ったり、世の中を見ることで日々、人は変わっていく。そうやって、いつかは「またか...」が無くなっていけばいい。でも、その前に知る事が肝心である。そういうドキュメンタリー映画だ。 (1745本目) |
●● トリビア 2014年、ノースカロライナの小さな街で、17歳のレノンが首を吊って亡くなっているのが発見された。警察はすぐに自殺と断定したが、レノンの母はそれが全く信じられなかった。母は真実を求めていく姿を追ったドキュメンタリー作品。監督はショートドキュメンタリーが評価され、PBSにて放送されたこともある、長編ドキュメンタリー初のジャクリーン・オリーブ。 2019年サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門に出展、ワールドプレミア。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト https://www.imdb.com/title/tt2352302/Not available from Wikipedia Not available from Allcinema |
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