1869
Cast >>Rasmane Ouedraogo (Adanggaman), Albertine N'Guessan (Mo Akassi), Ziable Honore Goore Bi (Ossei), Bintou Bakayoko (Ehua), Nicole Suzis Menyeng (Adjo), Mylene-Perside Boti Kouame (Naka), Zie Soro (Sory) ...
Director >>Roger Gnoan M'Bala
Writer >>Christophe Pellet (adaptation), Jean-Marie Adiaffi, Bertin Akaffou, Roger Gnoan M'Bala
Producer >>Tiziana Soudani
Genre >>Drama
Country >>Ivory Coast

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
"I am not a Slave"
17世紀終わりのアフリカ。オセイ(Ziable Honore Goore Bi)とアドジョ(Nicole Suzis Menyeng)という若い2人は愛し合っていた。しかしお年頃でオセイは厳しい父が決めた許嫁と結婚しろ!と迫られており、それで父と母(Albertine N'Guessan)を巻き込み喧嘩になった。オセイはその夜にアドジョに会いに行き、お仕置きを食らい、オセイは家を出た。しかしその夜、村は独裁者アダンガマン(Rasmane Ouedraogo)の女戦士たち「アマゾン・ウォーリアー」にやられ、父とアドジョは殺されており、母は囚われていた。オセイはなんとか母を助けようとするが...

全米を巻き込んだブームとなった『ルーツ』の冒頭のクンタ・キンテのアフリカ篇を思わせる映画。実際にアフリカでアフリカ人たちにより作られているのが面白い。『ルーツ』のクンタ・キンテを助けたフィドラーのような老人が出てきたりと、私が書いてない部分からの展開がこれまた面白いのです。アメリカに渡ってきてからもいろいろと壮絶なドラマがあったように、アフリカでの戦いも壮絶なドラマがあった。オセイのお母さんが名演。当時の(今も?)女性にしては珍しく、お父さんには口答えするし、独裁者のアダンガマンにも盾突く。「女猿」と言われたら、「お前の方が弱虫で女猿だ!」とか面白い。

あの『ルーツ』がもっと細かく描かれて面白くない筈がない!それにしてもアフリカの家族ドラマには、日本が今はもう描いてくれない私たちがテレビに夢中になっていた頃のファミリードラマを思わせる風情とドラマがあるなと。
(Reviewed >> 2/29/16:DVDにて鑑賞)

 100本映画
今までありそうでなかった系。アフリカが描くアメリカの奴隷制度。とはいえ、アメリカでの奴隷制度を描く訳ではなく、どのようにしてアフリカの黒人たちがアメリカに連れて行かれたのかがアフリカ側から描かれている。コートジボワール出身のロジェ・ニョアン・ムバラ(フランス語のロジェが正解)が監督した作品。監督については後で...

17世紀後期のアフリカ。オセイ(Ziable Honore Goore Bi)とアドジョ(Nicole Suzis Menyeng)という若い男女がいちゃついていた。しかしオセイは、父から許嫁と早く結婚しろと迫られる。理解ある母(Albertine N'Guessan)を巻き込み、近所中が駆け付ける程の大喧嘩。それを聞いたアドジョはショックを受ける。夜になると早速許嫁と部屋に2人きりにされるオセイ。家を飛び出して、オセイはアドジョに会いに行った。しかしその帰り道に「お仕置き」と襲われた。オセイは覚悟を決めて家出をした。しかしその同じ夜、オセイたちの「豹の人々」と呼ばれる村は「アマゾン・ウォーリアー」という、独裁勢力を広げるアダンガマン(Rasmane Ouedraogo)の女戦士たちに襲われた。その音を聞いたオセイは村に戻るが、既に終わった後であった。父は死んでおり、アドジョも殺されていた。母の姿を見つける事が出来ず、アマゾン・ウォーリアーが村の人々を繋いで歩かせているのを見つけ、そこに母を見つけた。草むらで見張り、隙を見て母を助けだしたが、アマゾン・ウォーリアーの1人ナカ(Mylene-Perside Boti Kouame)に見つかってしまい、1対1の決闘となった。ナカの攻撃で劣勢になったオセイ。「殺せよ!」というが、ナカはなぜかオセイの腕を傷つけただけで、群れに戻っていた。その傷を診てくれたのは、老人のソリ(Zie Soro)であった...

やっぱりアフリカ映画は物語が凄い!圧倒的。後半の畳みかけ方が凄いのです。おー!!とかえぇえー!の連続。これはもう最後の方は凄い事になっております。想像出来ないんですよね。アメリカでの奴隷制度を描いた作品と言えば、もちろん『Roots / ルーツ (1977) (TV)』!その『ルーツ』のクンタ・キンテのアフリカでの物語を膨らませて広げたドラマがこれっていう感じですかね。クンタ・キンテがアメリカに渡ってからになってしまいますが、慣れないクンタ・キンテを面倒見るおじさんのフィドラー(ルイ・ゴセット・ジュニアの名演!)っていたじゃないですか?あのフィドラーぽいお爺さんも出てきます。アメリカに渡ってというか、連れていかれてからも壮絶なドラマがありますが、連れていかれる前のアフリカでも壮絶なドラマがあった訳です。それをアフリカらしく想像を絶する面白い物語に仕上げております。やっぱり物語を作るのは上手いなーと。

アメリカの黒人の間には奴隷を祖先に持つ人々と、そうではない人たちがいる。先日、『Finding Your Roots』というテレビ番組で自分の祖先を知ったLLクールJがこうカメラの前で語った。「俺はずっと他とは違うと思っていたんだ」と。彼がなぜそう語ったかというと、LLの祖先には奴隷じゃない人が多かった。所謂「自由黒人」だったのだ。それを知ったLLが語った言葉がそれだった。それを聞いたうちの夫が傷つきこう言った。「何を上から!奴隷じゃなかったのが偉いのか?」と。そういえば、昔、夫が若い頃に仕事だけどウキウキでアフリカ地を訪れた時に「お前ら奴隷の血だからな」とアフリカ人に言われて大変傷つきトラウマになったとも語っていた。皆が一括りにする「黒人」には、アフリカ人とアメリカ人、そして濃い色と薄い色、更には奴隷だった祖先とそうじゃない祖先をもつ人々が存在していて、それらが対立してしまう悲しいパターンもある。そんな状況をこの映画監督ロジェ・ニョアン・ムバラは、アメリカでの奴隷制度を黒人にとっての最大の悲劇として大きく捉えてて描いている事に感動した。

そのロジェ・ニョアン・ムバラは、コートジボワールの映画史の割りと早い時期である1970年代から映画を撮り始めているベテラン中のベテラン。近年でも第一線で活躍しているのが凄いですね。アフリカ映画の父ウスマン・センベーヌを輩出したセネガル同様にフランスの元植民地だったアフリカの国々は映画に対して割りと早くから取り組み成功させていますよね。このコートジボワールもそう。とは言え、フランス政府はアフリカ人の洗脳に映画を使おうとしたりというプロパガンダ的な所もあるのですが... しかしウスマン・センベーヌとかこの作品のロジェ・ニョアン・ムバラはそれらに反抗する形で映画を撮り続けたからこそ生き残った。彼ら映画人はフランスを始めとするヨーロッパに遠征して映画を学び、そしてアフリカに戻りアフリカ回帰する。この映画のロジェ・ニョアン・ムバラもフランスとスウェーデンで映画を学び、コートジボワールに戻りテレビ映画や映画を撮り続けている。

この映画はアフリカ映画のオスカーと言ってもいいフェスパコ(FESPACO)にて、撮影技術賞とオセイのお母さんを演じた女優さんが最優秀女優賞を受賞しております。うん、あのお母さん最高!女猿と言われた時に返しが最高っす!

 トリビア
コートジボワール産の奴隷を描いたドラマ作品。アフリカ映画祭最大のフェスパコにて最優秀女優賞と撮影技術賞を受賞。

 その他

 受賞歴
* Amiens International Film Festival
2000 Won Best Actor Ziable Honore : Goore Bi
2000 Won Special Jury Award : Roger Gnoan M'Bala

* Marrakech International Film Festival
2001 Won Special Jury Award : Roger Gnoan M'Bala
2001 Nominated Golden Star : Roger Gnoan M'Bala

* Ouagadougou Panafrican Film and Television Festival
2001 Won Best Actress : Albertine N'Guessan
2001 Won Best Cinematography : Mohammed Soudani

 サウンドトラック


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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt0262210/
http://en.wikipedia.org/wiki/Adanggaman
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Last Modified: 2012-05-16
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