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●● レビュー "in the penitentiary, a billion dollar industry"アメリカで増え続ける刑務所に収監される人の数。南部戦争後に増え、そして1970年代のニクソン政権時には飛躍的に増え、その後も増え続けている。その背景と歴史を『グローリー/明日への行進』のエヴァ・デュヴァネイ監督が追う。 夫が刑務所に収監されてしまった妻を描いた『Middle of Nowhere / 日本未公開 (2012)』を撮る前にデュヴァネイ監督は、舞台であり故郷であるコンプトンで夫が収監されている女性たちに話を聞いて回ったという。そしてキング牧師を描いた『グローリー/明日への行進』で有名になったデュヴァネイ監督。その彼女の集大成とも言えるドキュメンタリーだ。タイトルの「13th」とは、奴隷制度を禁止する合衆国憲法修正第13条の事。しかし、黒人に至ってだけ、収監される人の数が飛びぬけて多い。奴隷制度は廃止されたけれど、名前を変えて、黒人たちを縛り付けておく法やルールがあったのだった。 私がここ10年で観た面白かったドキュメンタリー映画がギュっと凝縮されているので、時間が取れない人にはおススメ。それじゃなくても、2016年大統領選挙でのトランプ支持者と公民権運動時の差別者の対比映像は圧巻なので、絶対に見るべき! (Reviewed >> 11/7/16:VODにて鑑賞) |
●● 100本映画 Netflix独占のエヴァ・デュヴァネイ監督作品。アメリカの監獄問題を描いたドキュメンタリー。タイトルの憲法修正第13条とは、奴隷制度を禁止にした法律。しかし、奴隷という言葉は禁止になっているが、黒人にとっては奴隷制度と同じように名前を変えただけで、鎖などに繋がれているのだ!というのを描いております。正直、ここで描かれた事はアイス・キューブの名盤「Raw Footage」や、あとここ10年位の黒人系ドキュメンタリーをしっかりと見ていたので、知っていた。あとエヴァ・デュヴァネイ監督自身が『Middle of Nowhere / 日本未公開 (2012)』で描いていた事でもあるし。なので、ネット上でのこの映画の反応である「すげぇーーーぇええええ!」とまでは、驚かなかったかな。でも、この映画を観て「すげぇーーーぇええええ!」となったのは、終盤のトランプ支持者と50・60年代の差別主義者がやっている事が同じという対比映像。ビックリする位同じ。対比の仕方に「すげぇーーーぇええええ!」となりました。あれは上手い。 先に書いたように『Middle Of Nowhere』でもこの現状は描かれていた。夫が刑務所に入れられた女性の苦悩を描いた作品。その時にデュヴァネイ監督は、地元コンプトンでそのような女性たちと沢山話したと言っていた。そしてデュヴァネイ監督と言えば、日本で唯一公開されているのがキング牧師の公民権運動の戦いを描いた『Selma / グローリー/明日への行進 (2014)』。その両作品の集大成がこのドキュメンタリーとも感じた。 しかしこれ見て思ったのは、未だに日本も作られた黒人のイメージに縛られているよね。色々と。 (1510本目) |
●● トリビア ネットフリックス独占の作品。『グローリー/明日への行進』のエヴァ・デュヴァネイ監督作品。 |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
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●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt5895028/https://en.wikipedia.org/wiki/13th_(film) Not available from Allcinema |
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