|
|
●● レビュー "Sounds like something I'd do"もうすぐ13歳になるパグ少年を2010年春から2013年冬まで追ったドキュメンタリー。パグは地元ボルチモアに昔からあるオフロードバイクで普通の町を走り、そしてウィリーなどをしている集団「12オクロック」に憧れていた。そしてパグもその才能があったのだった... 全米には各地特徴的な文化...というか、事があったりするが、この映画はメリーランド州ボルチモアにあるオフロードバイクの集団を追っている。彼らは日曜になると普通の町中で、ウィリーなどの走行を繰り返す。警察は事故が多いので目を見張ってはいるが、追いかけると余計に事故になってしまうので、手を焼いている。実際にこの映画ではいつもパトカーや救急車のサイレンが鳴り響いている。その中でもこの映画はパグという少年を追う。悪ーーーいラップのビデオから抜け出したような言葉使いの12歳。BワードにFワードにNワードは当たり前。そんな彼の話にもイチイチイライラして「親は一体どういう教育を!」と思わずには居られない。そして母親が出てきて、やっぱり納得してしまうのだ。彼女は彼女なりに頑張ろうとはしているのかもしれないけれど、あれは...そりゃ、子供もグレるわ!と思ってしまう。でも母親が「動物が好きなんだから、獣医になりなさい!」と言われ、嫌だといっていた割には、その後に知らないおばさんに話しかけられて「将来は?」と聞かれたら、「獣医」と言ってしまう、やっぱり可愛い子供ではある。 しかし、彼らの終わりのない目的のない「ただ気持ちいいからバイクに乗る」という事だけを見せられ、そしてそれを象徴するかのような後味悪い突拍子もない最後に愕然とする。パグの将来、どうなるんだろうか?あのままグレるのか... 希望が無くて絶望的だ。 (Reviewed >> 8/20/14:DVDにて鑑賞) |
●● 100本映画 何だか気になっていた映画。やっとDVDにて発売。早速見る。そして後味の悪さにどっぷり浸かるの巻。ドキュメンタリーでここまで後味悪かったのは無いね。ボルチモア。何度も書くけど私の地元川崎の姉妹都市。そんな川崎市の姉妹都市紹介のホームページに、ボルチモアはこんな風に紹介されている。「アメリカ合衆国の東海岸に位置する国際的な工業・貿易都市です。合衆国建国の地として知られていますが、都市部の再開発計画でも世界的に注目されています。人口約64万人」。そんなボルチモアで昔から盛んなのが、バイク文化。バイクと言っても、オフロード用のバイク。彼らはそれで日曜のボルチモアの町を闊歩するのだ。普通に走るのではなく、彼らはウィリーなどを繰り返す。そして群れをなして走行するので、後ろを運転している車にとっては冷や冷や物だ。警察も長年手を焼いている。追いかければ事故になるから、追いかけないと決められているのだ。事故も実際に数多く起きている。コケたバイクが歩道に居た6歳の子をはねて殺した。そんなバイクに夢中になっているのが、もうすぐ13歳になるパグ。町で歴史ある軍団「12オクロック・ボーイズ」の一員になるのが夢。今は2輪じゃなくて、4輪のカワサキのバイクでウィリーとかしてみせていて、中々才能もあると認められている。2輪はまだ無理なので、今はもっぱら見張り役。そんなパグ少年をカメラは2010年春から2013冬まで追っていく。 普通にバイクに乗るのはもちろん良い。彼らが法律を破っているのか?というのは、多分信号無視と迷惑条例(あるか分からないけど)とかだと思う。一様軍団・集団があるけれど、他の集団と揉めたりする事もない。逆に一緒に走ったり、警察に捕まらないように協力しちゃう程。ギャングとはまた違う。映画でも紹介されていたけれど、彼らの走りを録画したYoutubeなどは全世界から注目されていて、日本からの書き込みもあるらしい。だけど...やっぱり見ていると危険だよね。実際に死亡事故まで起きている訳だし。私なんて、あの人たちの後ろを車運転しないといけないとかなったら、涙目になるわ!私、高校時代にクラスメートをバイク事故で失っているので、余計に。よくある話かも知れないが、そいつはクラスで一番いい奴だった。恋心は無かったけれど、こういう時に今でも思い出す。 という事でパグ少年。シャド・モス、元バウワウがリル・バウワウを名乗っていた頃にそっくり。しかしパグ君は、リル・バウワウの体に『Menace II Society / メナース II ソサエティー/ポケットいっぱいの涙 (1993)』のオードッグを詰め込んだような感じ程悪い!12歳にして言葉遣いは最低。FワードにBワードにNワードは当たり前。正直、彼が私の息子ならビンタしてますわ。でもそんなパグ君は、動物にやたらと詳しいリル・ムツゴロウ。なんでこんな事になってしまったんだ...と思っていたらパグの母親登場。なるほどねー!最低だわ。「私のリアリティ番組できるかもね?」と撮影にもノル気。母のココはパグを含めた4人の母。一番上の体の大きなティバは、「バイクなんて危険だから」とやらないお兄ちゃん。多分バイトして家族にお金入れていたのかな?彼が喘息で亡くなった後は、更に悪い地域に引っ越した。父親は牢屋を出たり入ったり。ココが1人で4人を育ててきた。昔はストリッパー(今は病院勤務。でもボーナス映像で分かる事で本編では分からず)。パグは、兄を失い引っ越し後辺りから更に悪くなっていく。学校もしょっちゅう停学。ココは怒るけれど、その怒り方も言葉遣い悪い。なのにパグに金歯とか入れちゃう。ココ自ら、パグの年齢を詐称してまで... 兄のお葬式でもココは殴りあいのケンカ。もう止めてくれよ!と思うが、どんどん加速していく。そんなパグ君だけど、意外と抜けている所がある。折角買ってもらった2輪バイクを、他の知らない人に貸してそのまま借りパクされてしまう。またもやお母さん口悪く激怒。そんなお母さんにも「バイクなんて将来何の役にも立たないんだから止めなさいよ!獣医になりな!」と勝手に決められる。本人はバイクで何かしたいと一様反論。でも、全然知らないオバサンにパグは話掛けられる。ちゃんと学校行ってる?と。将来何になるの?と。そんな時にパグは「獣医」と答えるのだった。子供は意外とちゃんと親の話を聞いているものですよ。だからこそ、ココがもうちょっとちゃんとした親だったら...と思ってしまう。寂れたバーでナンパされ、下手な癖にシャーデーとか歌うな!って思う訳ですよ。 で、2013年冬。パグ少年は少しだけ大人ぽくなっていた。手羽先を食べながら偉そうに語っていた。そして映像は切り替わる。夜中、友達と共にバイクを盗むのだった...「俺等がやりそうな事だろ?」と。 そこで終わる。後味悪すぎである。少しは良くなっているのかと思えば、更に悪くなっていて救いようが無くて、こっちは気分が落ち込むばかりだ。しかも映画は未完な感じで終わらせているので余計。でも未完な感じはワザとであろう。多分作っているほうもこれで終わりにしたくなかった筈。無念の結果のラストなのだと信じたい。これは酷い。余りにも酷いのだ!映画じゃなくて、この状況がね。 (1269本目) |
●● トリビア メリーランド州ボルチモアに住む13歳のパグ少年は、地元で有名なオフロードバイク・ギャング「12・オクロック・ボーイズ」に入るのが夢だった... |
●● その他 |
●● 受賞歴 |
●● サウンドトラック Soundtracks not available |
●● 関連記事 |
|
●● インフォサイト http://www.imdb.com/title/tt2420006/http://en.wikipedia.org/wiki/12_O%27Clock_Boys Not available from Allcinema |
|
|