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Cast >>Conrad O. Johnson Sr., Craig Baldwin, Craig Green, Bruce Middleton ...
Director >>Mark Landsman
Writer >>
Producer >>Mark Landsman, Keith Calder, Jessica Wu
Genre >>Documentary
Country >>USA
Release (US) >>09 / 23 / 2011

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>N/A 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
Those kids live it
テキサスのヒューストンの北に位置するカシミアの高校のジャズバンド。1968年、彼等は強烈な時代の変化を受け、羽ばたこうとしていた。コンラッド・O・ジョンソン先生の指導は厳しかったが、生徒が練習終わりに演奏していたファンク音楽を聴いて、先生は生徒達のやりたい音楽ファンクをやらせてみる事にした。そこで彼等は才能を発揮し、大きな大会でも優勝。ヨーロッパや日本の世界に羽ばたいたのだった...

このドキュメンタリーによれば、アメリカの高校のジャズバンドは古い歴史があり、50年代から続いているそうである。大抵はデューク・エリントンやカウント・ベイシー等のスタンダードなジャズだった。コンラッド・O・ジョンソン先生の率いたカシミア高校のジャズバンドも最初はそうだった。ジョンソン先生は黒人大学を卒業し、プロでもやっていける程だったが、結婚し落ち着く事を希望していたので、高校の音楽の先生になった。ジャズのバンドとしても大会で優勝していたが、ファンクバンドとなってからは大きな大会で優勝し、世界にまで出かける程に注目された。60年代後半から70年代前半の激動の時代に高校生だった彼等。彼等もまた公民権運動を肌で感じた子供たちだったのだ。

そのオリジナルバンドのリユニオン・ライブの映像もある。彼等は50代となっていた。当時の時代を反映した大きなアフロは姿を消し、代わりに大きなお腹が増えている。このリユニオン・ライブの指揮を執ったのが、当時の問題児だった。日本だってアメリカだって同じなのだ。加藤優はアメリカのヒューストンの小さな町カシミアにもいるのだ。
(Reviewed >> 2/15/12:DVDにて鑑賞)

 100本映画
何度か書かせてもらっている作品。思っていたよりも面白かった。ジェイミー・フォックスが制作全て終わった後に、エクゼクティブ・プロデューサーとして宣伝に精を出した。「Precious: Based on the Novel Push by Sapphire / プレシャス (2009)」のオプラ・ウィンフリーとタイラー・ペリーがそうだったように、最近流行っている宣伝方法。DVDも「ジェイミー・フォックス・プレゼンツ」だ。彼も音楽家であり、同じテキサス出身だからだ。アメリカ版金八というか、GTOというか... テキサスのヒューストンの北にあるカシミア高校のジャズバンドのドキュメンタリー。そこの顧問がコンラッド・O・ジョンソン。彼は黒人大学を卒業し、プロの演奏家になろうと思っていたが、恋に落ち結婚。家族の為に落ち着けるようにと、プロの演奏家を断念。カシミア高校の先生になった。

アメリカの高校にはジャズバンドが存在する。現在中学生のうちの子供の学校にもジャズバンドがあって、うちの子も入っている。ジャズバンドは大体スタンダードな曲を演奏する。発表会に行くけれど、うちの子が出ているパートはそりゃ夢中になって聞くし、面白いと思うけれど、他のチームが演奏している時なんて正直眠くなる。アメリカには高校のジャズバンドが50年代からあって、50年代から60年代にはみんなを夢中にさせたそうだ。まあ「みんな」と言っても、白人の人々になるのですが... 大会と言っても、優勝できるのは白人の高校バンド。カシミア高校のジャズバンドはオール・ブラックのジャズバンド。元々成績も良かったらしいが、一躍有名になったのは、1968年にファンクバンドに変化させてからの事。普通にジャズバンドとして練習をしていた生徒達。その生徒達が練習が終わると、当時人気のバーケイズやジェームズ・ブラウンのJB'sの曲を演奏して楽しんでいた。その姿を見たジョンソン先生は、子供たちに好きな曲を演奏させようと、スタンダードな曲を辞めてファンクを演奏させるようになる。この時、ちょうど公民権運動がひと段落し、ブラックパワーの真っ只中だった。そして高校生を夢中にさせていたのが、ブラックスプロイテーション。彼等は高校でも大きなアフロとベルボトムで登校していたのだった。ファンクを得た彼等は水を得た魚のように活き活きとし、ブラックパワーを実感していたのだった。そして凄いと関心したのが、ジョンソン先生は自分でファンクの曲の学校のテーマ曲まで作ってしまうのです。ジョンソン先生は、カウント・ベイシーからスカウトされた程のジャズに精通した音楽家。柔軟にファンクを作ってしまうのが凄い。

そして1972年にアラバマで行われている大きな大会に出場。当時のアラバマはジョージ・ウォレスが州知事。ジョージ・ウォレスは公民権運動では悪名高き人物。「segregation now, segregation tomorrow, segregation forever(人種隔離を今、明日にも、そして永遠に!)」と唱えた人物。高校生の彼等はビクビクしながら、アラバマを目指したそうだ。他とは明らかに違うのがカシミア高校のバンド。演奏する音楽も全く違えば、演奏する人たちも全てが黒人。明らかに彼等は大会で優勢であったが、発表をするまでにかなり長い時間を要した。そして彼等は優勝した。この優勝はもちろんその大会で初の黒人バンドの優勝となった。一躍有名になった彼等はヨーロッパでのツアーに呼ばれる。しかしお金が無かった。しかし当時のテキサスの政治家が100万円近くの資金を提供して、ヨーロッパツアーを成功させる。その後の1975年には日本にも来ているのです!

まあ音楽は書くより、聞いて観てもらった方が早い。



部活のバンドじゃないでしょ?プロでしょ?

そしてその彼等が35年を経て、ジョンソン先生の92歳のお誕生日にバンドを再結成!プロの演奏家として活躍している人も居るが、中にはもう35年間楽器から離れていた人もいる。その再結成を計画したのが、高校時代に一番ジョンソン先生を梃子摺らしたちょっと不良だったクレイグ・ボールドウィン(ピアノ)なのです。金八で言うなら加藤優。彼はジョンソン先生の息子と仲良くて、連絡取りながら、再結成をセッティング。金八とかでもそうだけど、学生時代に悪かった人ほど大人になった時に、人を思いやる大人に成長しているものですねー。私、号泣致しました... このドキュメンタリーのラストも非常ーーーーに感傷的になります。

 トリビア
テキサスの音楽家のコンラッド・O・ジョンソンがヒューストンの高校のジャズバンドを最強のファンクグループ「Kashmere Stage Band」にしたドキュメンタリー。彼等は日本の沖縄にもツアーで来ている。

テキサスで行われる映画祭「SXSW(South by Southwest)」にてLone Star States(テキサスの愛称)の観客部門を授賞した。

数多くの映画祭で上映された後、アメリカでは2011年9月23日より35館の単館にて一般上映された。

この映画の舞台テキサス出身のジェイミー・フォックスが後からエクゼクティブ・プロデューサーとして、この映画の宣伝に加わっている。

 その他

 受賞歴
* The BEST OF SOUL
2012 映画秘宝 私が選んだベスト10 2012年度6位

* Image Awards
2012 Nominated Outstanding Documentary
2011 Nominated Outstanding Documentary (Theatrical or Television)

* Independent Spirit Awards
2011 Nominated Best Documentary

* SXSW Film Festival
2010 Won Lone Star States Audience Award : Mark Landsman

 サウンドトラック


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* 映画秘宝 2011年 01月号 音楽映画カタログ特集

 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt1611180/
http://en.wikipedia.org/wiki/Kashmere_Stage_Band
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Last Modified: 2010-05-13
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