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Cast >>David Oyelowo (Martin Luther King, Jr.), Carmen Ejogo (Coretta Scott King), Common (James Bevel), Omar J. Dorsey (James Orange), Andre Holland (Andrew Young), Tessa Thompson (Diane Nash), Cuba Gooding, Jr. (Fred Gray), Keith Stanfield (Jimmie Lee Jackson), Henry G. Sanders (Cager Lee), Charity Jordan (Viola Lee Jackson), Lorraine Toussaint (Amelia Boynton Robinson), Wendell Pierce (Hosea Williams), Ledisi (Mahalia Jackson), Trai Byers (James Forman), Stephan James (John Lewis), Niecy Nash (Richie Jean Jackson), Kent Faulcon (Sullivan Jackson), Oprah Winfrey (Annie Lee Cooper), Tom Wilkinson (Lyndon B. Johnson), Tim Roth (George Wallace) ...
Director >>Ava DuVernay
Writer >>Ava DuVernay, Paul Webb
Producer >>Brad Pitt, Dede Gardner, Jeremy Kleiner, Christian Colson, Oprah Winfrey
Genre >>Drama
Country >>USA
Release (US) >>01 / 09 / 2015
Release (JP) >>06 / 19 / 2015

 総合ポイント 4.75点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>4

 レビュー
"Enough is Enough, we must stand up for it"
ノーベル平和賞の授賞式を終え、そしてアラバマのバーミングハムでは4人の少女が教会が爆破され殺された。そんな中、アニー・リー・クーパー(オプラ・ウィンフリー)がアラバマ州セルマにて投票の申請をしていた。クーパーは白人の職員に示された憲法や地方議員数などの質問には答えられたが、67人居る議員数全員の名前までは覚えておらず、投票権を却下された。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(デビット・オイェロウォ)が率いるSCLC(南部クリスチャン指導者会議)のメンバーと共に、人種差別廃止を訴える次の戦いはアラバマ州セルマとなり、彼等がやってくるが、到着早々、キング牧師はホテルのロビーで白人男性に顔を殴られる。前途多難な戦いが待っていたのだった。

キング牧師が直面した数々の戦いの中でも、厳しい戦いとなったのが、このセルマである。長く続く戦いの間で、家族間に出来た問題もあった。また戦いが激しさを増す事で、FBIからも嫌がらせを受けるようになる。自分たちのSCLCと、SNCC(学生非暴力調整委員会)との関係や連携... それらの多くの苦悩を抱えながらも、キング牧師はセルマでの戦いを率いていく。そんなキング牧師の苦悩や、しっかりとしたビジョンが明確にこの映画では描写されているのだ。妻のコレッタに不安や不満を言われた後に悩むキング牧師が歌手のマヘリア・ジャクソンに電話を掛けて歌ってもらうシーンがある。マヘリアとキング牧師の関係性だけでなく、キング牧師の心の拠り所が明確になる美しいシーンであった。そしてセルマ住民のジミー・リー・ジャクソンとその祖父と母という関係性をより深く描く事で、観客はセルマ住民の気持ちと繋がる事が出来るのだった。

ここで描かれたキング牧師は、キング牧師の一部でしかない。キング牧師はこの10倍も戦ってきたのである。けれど、この一部だけで、どれだけ壮絶な戦いだったを垣間見る事になるだろう。なぜキング牧師は死を恐れずに戦い続けたのか... そして多くの人々もまた死を恐れずに戦い続けたのか... この映画でその答えに出会えるであろう。
(Reviewed >> 1/9/15:映画館にて鑑賞)

 100本映画
行ってきましたよ、キング牧師おたくの私が、初日の初回に。他のキング牧師おたく?にまみれながら。いや実際には分かりませんけど、やっぱり初日の初回はみんなの気合が違いますよね。私と同じく「待てない!」人ばかり。まあ金曜日なので、既に引退された老夫婦が...と言うか、実際のセルマの血の日曜日をリアルタイムで知っている観客が多め。私のような知らない観客が少なめかな。私の斜め後ろも老夫婦。湿布臭い。まあ予想はしておりましたよ。映画館内が教会と化す事くらい!案の定、始まるとあちらこちらから「ザッツ・ライト!」やら相槌を打つ「あーは!」&「んーん!」の嵐。まあこのくらい賑やかな方が逆に楽しいんですよね。日本じゃ、お菓子開ける音でも「チェ」と言われてしまいますが、赤ちゃんが泣こうと会話を楽しもうと自由なアメリカの映画館の方が私は好きです。そこには一体感があって。『Red Tails / 日本未公開 (2012)』などの戦争映画を軍人と共に劇場と見る醍醐味、『スポンジ・ボブ』の映画版では子供達で満員の劇場で子供達が可愛くスポンジボブの主題歌を全員で合唱する場に居合わせた時とか、劇場で見る事の意味を改めて感じます。音がとか大画面で!とかだけじゃない映画館の存在価値。ならば、黒人映画は黒人観客と共に楽しむのがやはりベストなんですよね。って、観客にはもちろん白人の人たちも居ましたけどね。

ノーベル平和賞の式典の前、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(デビット・オイェロウォ)は慣れないアスコットタイに戸惑っていたが、夫人のコレッタ(カーメン・イジョゴー)に整えてもらっていた。そして、アラバマ州バーミングハムにある黒人教会では、爆弾により幼い4人の少女が亡くなった。同じアラバマ州セルマでは、中年の女性アニー・リー・クーパー(オプラ・ウィンフリー)が投票の手続きをしていた。クーパーは憲法を暗記し、地方議員の数も正確に言えたが、さすがにその67人の地方議員の全員の名前までは言えず、投票権を却下された。キング牧師とSCLC(南部クリスチャン指導者会議)のメンバーは次の戦いの場をセルマに決めた。セルマにはSNCC(学生非暴力調整委員会)のメンバーが先に入って投票について地元民に指導していたが、中々難しい状況であった。キング牧師がセルマに到着しホテルに入った所で、「キング牧師だろ?」と話しかけてきた白人の男にいきなり顔を殴られた。前途多難な戦いがキング牧師等には待っていたのだった...

だいたい1963年9月から1965年3月のキング牧師と公民権運動を描いた作品である。映画の中では若干時系が前後したり、ちょっとした違いがあるけれど、大体合っている。けれど、ジョンソン大統領の専門歴史家は「違うー!」と怒っているし、アンドリュー・ヤングもジョンソン大統領の部分は「ちょっと違うね」と話している。それが原因でオスカー戦線から脱落したとも言われている。この映画を観て私はすぐにジョン・ルイスの自伝「Walking with the Wind」が読みたくなったので、すぐにセルマの項を読み返しました。この映画は多分ジョン・ルイスのこの回想録を元に映画化したんじゃないかな?でもジョン・ルイスとキング牧師が車で2人で会話というのはありませんけどね。歴史や過去というのは一つの答えだけな筈なのに、国が違ったり宗教が違ったり人種が違ったりすると、そこに認識の差が生まれて一つじゃなくなっちゃう時もある。それは世界の歴史の教科書が全て同じじゃないのが証明している。じゃあ、こういう歴史映画で何が大事なのか?という事だ。この映画ではキング牧師は何を目指し、どのように戦ったのか?そこにはどんな困難があったのか?という事。確かにジョンソン大統領は「待て」とは言っていないかもしれない。言っても言わなくてもキング牧師が戦ったあの戦いの厳しさには変わりないのである。若干35歳前後だったキング牧師が人として牧師として男として何を考え、悩み、そして人々をどう導いたのか、それを監督のエヴァ・デュヴルネイは観客に見事に伝えていたのだった。

この映画では印象に残るシーンが沢山ある。やはりあの血の日曜日を再現したシーンも圧巻で再現された事でどれだけ大変だったか分かるし、バーミングハムの4人の少女のシーンはかなり衝撃的でびっくりした。ゴスペルの女王であるマヘリア・ジャクソンに電話して歌ってもらうシーンは名シーンの一つ。キング牧師と彼の右腕ラルフ・アバーナシーが刑務所内で会話するのも見所。そのシーンでは撮影技師のブラッドフォード・ヤングは、人工的な光を使わずに自然と刑務所に差し込む光だけで撮影しているようだった。それが余計に彼等の置かれた状況を過酷に見せていた。FBIから嫌がらせで盗聴テープを聞かされているコレッタ夫人の台詞も素晴らしい。なんとも言えない表情ながら毅然とキング牧師に「あなたの声くらい分かるわ」と、どちらとも取れる台詞を言うのだった。そしてやはりジミー・リー・ジャクソン家族の存在が大きい。活動家でもない一般市民がキング牧師に感動して、活動に家族で参加。しかしそこにもやはり困難や悲劇が付きまとう。お爺ちゃんが「82歳です」とキング牧師に話すシーンは涙なしにはいられない。

ただ音楽だけは1点減らさせてもらった。コモンとジョン・レジェンドの主題歌「Glory」が、ゴールデン・グローブ賞にてベスト・オリジナル・ソング賞を受賞。別にこの曲に対して1点減らした訳ではなく、公民権運動と言えば、そのマーチでみんなで合唱する歌も重要な役割を果たしたわけで、中でも「ウィ・シャル・オーバーカム」が一番有名(だからこそのジョンソン大統領のスピーチの最後の1文よね)。そしてこのセルマでは「エイント・ノーバディ・ゴナ・ターン・ミー・‘ラウンド」であった。これが出てこない事に私はすごく違和感があったので。キング牧師も参加した2回目のマーチ「ターンアラウンド火曜日」があっての3回目の成功ですからね。3回目で「エイント・ノーバディ...」が無いのがすごく残念でした!

デビット・オイェロウォというイギリス出身の俳優が演じた南部出身のキング牧師。この映画では本当に全員がいい演技をしていた。これまたイギリス出身のトム・ウィルキンソンが演じる南部出身のジョンソン大統領に、やはりイギリス出身のティム・ロスが演じる「差別を今!差別を昨日も!差別を今日も!」で知られるとことん悪い南部男ジョージ・ウォレス。そのジョージ・ウォレスとジョンソン大統領の会談のシーンで、私の斜め後ろのオジサンは「このジョージ・ウォレスって奴は...最低だな!がははああー!」と悪すぎで笑ってました。ジミー・リー・ジャクソンを演じたキース・スタンフィールドは本当に母性本能をくすぐられ泣いちゃう演技だし、アンドリュー・ヤングを演じたアンドレ・ホランドの青年を説得するシーンはヤングらしい聡明さがあって滅茶苦茶かっこよかったし、ジョン・ルイスを演じたステファン・ジェームスも小さな事からこつこつと...タイプを見事にこつこつと演じていた。若い俳優も素晴らしかった。でもやっぱりモノホンの南部出身者であるウェンデル・ピアースが一番南部の人ぽさが出てました。ハリー・ベラフォンテの名前が出た時に「バナナ・ボート」を歌い始めるの最高!

終わった後にさっきの斜め後ろのオジサンが言ってました「ラブ・イット....ベリー・グッド!ラブ・ディス・アロット(良い、最高だ!この映画大好きだ)」と。私も同じだよ、オジサン!となりました。そして今年初の映画でスタンディングオベーションでしたよ!もちろん出演者の舞台挨拶とか無いですけど!!

という訳でキング牧師の映画はまだまだ沢山ありますので、こちらにまとめてありますのでどーぞ!

 トリビア & etc...
キング牧師のアラバマ州セルマでの戦いを描く作品。ポール・グリーングラス監督が長年温めていたプロジェクトだったが、権利関係など中々進まず、泣く泣く手放した。そのような紆余曲折あったが、監督がエヴァ・デュヴルネイに決まってからはとんとん拍子で進み、オプラ・ウィンフリーがプロデューサーに就任し、出演も果たした。キング牧師役には『The Butler / 大統領の執事の涙 (2013)』のデビット・オイェロウォ。

全米公開は2014年12月25日から限定公開され、一般には2015年の1月9日からの予定。

実在する登場人物の俳優、そして関係組織のまとめのページを作りましたので、是非活用してください。

 受賞歴
* The BEST OF SOUL
2014 Won Best Male Supporting Performance of the Year : Henry G. Sanders / ヘンリー・G・サンダース
2014 Won Best Female Supporting Performance of the Year : Tessa Thompson / テッサ・トンプソン
2014 Won Best Newcomer of the Year : Stephan James / ステファン・ジェームス
2015 映画秘宝 私が選んだベスト10 2015年度7位

 サウンドトラック
1. Glory - Common & John Legend
2. Ole Man Trouble - Otis Redding
3. I've Got the New World in My View - Sister Gertrude Morgan
4. Keep on Pushing - The Impressions
5. One Morning Soon - Joyce Collins & Johnita Collins
6. Alabama Blues - J.B. Lenoir
7. Walk With Me - Martha Bass
8. House of the Rising Sun - Duane Eddy
9. Take My Hand, Precious Lord - Ledisi
10. Yesterday Was Hard on All of Us - Fink
11. Cager Lee - Jason Moran
12. Final Speech - Jason Moran
13. Bloody Sunday Parts 1-3 - Jason Moran

Soundtracks from Amazon.co.jp

 関連記事
* 映画秘宝 2015年8月号にて映画の紹介

 リンク
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 インフォサイト
http://www.imdb.com/title/tt1020072/
http://en.wikipedia.org/wiki/Selma_(film)
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Last Modified: 2014-07-10
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