1899
Cast >>Clark Terry, Quincy Jones, Bill Cosby, Herbie Hancock, Justin Kauflin ...
Director >>Alan Hicks
Writer >>Davis Coombe, Alan Hicks
Producer >>Quincy Jones
Genre >>Documentary
Country >>USA

 総合ポイント 5点/5点満点中
内容 >>5 演技 >>5 演出 >>5 音楽 >>5

 レビュー
"I like to think of at least my soul as being beautiful"
ジャズ・ミュージシャンのクラーク・テリーは、クインシー・ジョーンズの先生としても知られるジャズ界の巨人であった。御年89歳(撮影開始時)にして、ベッドに横たわりながら、盲目のピアニストの弟子ジャスティン・カウフリンの指導をするのだった。テリーとカウフリンの関係を4年に渡ってカメラは追う。

クラーク・テリー。その名前を聞くだけで嬉しくなるジャズファンは多いであろう。そんなテリーに「君の存在を神に感謝するよ」と言わせるのが、弟子のジャスティン・カウフリンであった。テリーはあのクインシー・ジョーンズをセントルイスで教えた人物である。デューク・エリントンのバンドに所属し、マイルス・デイビスにも影響を与えた。自分のバンドも成功させ、黒人として初めてNBCのお抱えバンドの1人となった。そんなジャズの巨人は、後継者の指導に熱心であった。糖尿病を患い、目の視力を失い、足も失いかけていた。それでも彼は指導を止めない。寧ろそれが彼の原動力となっている。それを支える妻の姿も心に染みる。そしてカウフリンもテリーの熱心な指導についていく。テリーの指導はとことん優しく楽しい。

テリーは「魂くらいは美しいと思われたい」と謙虚に語る。素晴らしい人間を見て心が暖かくなり洗われる。そして音楽を愛するという真髄を知る。良い曲を作って美しく聞かさせる事じゃないのだ。音楽の楽しさと美しさの両方を知った。
(Reviewed >> 1/16/15:DVDにて鑑賞)

 100本映画
巷では、オスカーのドキュメンタリー部門にノミネートされるだろうと言われていて実に評判がいい作品だったが、なぜかオスカーのノミネートはならず!巷ではオスカーに『Selma / 日本未公開 (2014)』がノミネートされなかった事が問題視されていて、CNNなどでも話し合いとかされていたけど、私的にはこのドキュメンタリーがノミネートされなかった方が不思議。アカデミー賞の会員には黒人が少ないとか言われているけど、このドキュメンタリーはそういう人種とかいうのを超越した素晴らしさと感動がある作品でしたよ。アカデミーもCNNも何をしみったれた事を言っているのだ!という。素晴らしい人間を見た気持ちよさのある作品です。

クラーク・テリーと言えば、ジャズに詳しい人ならすぐに分かって頂ける名前である。その位、ジャズ界ではマスト人物。ジャズの都セントルイスで生まれ育ったクラーク・テリー。小さい頃にデューク・エリントンのバンドの演奏を見て夢中になり、自分もトランペット演奏者になりたいと思った。でも家は貧しいので、トランペットなんて買ってもらえる訳がない。仕方ないので、自分でゴミを集めて手作りでトランペットを作ってしまう。しかし美しい音色など出る訳もなく、その音に悩まされた両親がお金を貯めてトランペットを買ってあげた。しかし、無数のトランペット演奏者が居るセントルイスの街では、どうにかして目立たないといけない事に気づいたテリーは独自のスタイルを見つける事に努力した。そして、憧れていたデューク・エリントンのバンドに所属できる事になった。そしてまだ無名の若いクインシー・ジョーンズやマイルス・デイビスにジャズを教えていたのだった。現役時代から後継者の育成に精を出していたテリー。89歳(撮影開始時)となったテリー。糖尿病の悪化で、ベッドの上で横になる事が多かったが、そのベッドの上でも後継者の指導に熱心であった。今は、盲目のピアニストのジャスティン・カウフリンの指導に夢中になっていたのだった...

もうね、このクラーク・テリーというミュージシャンが素晴らし過ぎで!この人ほどの音楽好きを見た事がないわ!という程。しかも滅茶苦茶優しい。怒ったりしない。こういう感じで!と自分でスキャットしながら教えてくれる。カウフリンに対してもいつも優しい。「息子みたいだよ」と言っていたけど、いや息子以上に可愛がってるでしょ!という位に優しい。自分の幸運のお守りの靴下とかを、カウフリンの大事な大会の前に送ったりする。しかも「もし今回失敗しても大丈夫。靴下ならいくつでもあるから」と励ます。そういう先生だからみんなが慕ってやってくるんですね。このテリーは今現在はアーカンソーに居て、カウフリンは実家のあるヴァージニアだったかな?結構遠くから来ている。お母さんも大変。だって運転とか全部やらないといけないし。しかもね、クインシー・ジョーンズがわざわざアーカンソーまでテリーのお見舞いにやってくるんだよ!それには心底びっくりした。しかもお互いに会った時に必ず言い合う台詞みたいのがあるの。「唇はギトギトしてるか?」とお互い言うの。トランペットとかは唇のケアも大事ですからね。なんかそのお決まりの会話とかが、90歳とかなってもやたらとカッコいいの!そしてQ御大はテリーの事を「Sac」って呼んでましたね。で、Q御大が訪ねて来た時には、カウフリンがちょうど居た時だから、テリーはさりげなくQ御大に「聴いていってよ」と、カウフリンの演奏を聞かせるんですよ。Q御大も断れませんよね。その後は...まあジャズファンの皆様ならご存知だと思います。

そしてそんなテリーを支える奥様もステキ。大変な筈だけど、いつも夫を気遣っている。テリーもいつも感謝している感じで、本当に素晴らしい夫婦!その奥様がディジー・ガレスピーに言われた言葉もカッコいい!それはいちよう伏せておきますね、実際に映画で見て欲しいから。あの頃のジャズミュージシャンのかっこ良さが凝縮された言葉でしたね。しびれます。面白いのがクインシー・ジョーンズもマイルス・デイビスも口を合わせたように「テリーは俺にとっての一番最初のアイドルだ」と言っている事。2人共「アイドル」って言葉を使ってるんですよね。英語のアイドルは日本のアイドルとはちょっと違う。本当に憧れという意味。

音楽って、聴く楽しみ、奏でる楽しみ、見る楽しみがあると思うんですが、育てる楽しみというのもあるんですね。うちの子もバンドやっているので、テリー先生に教えてもらいたい!と願わずにはいられません!自分でトランペットを作ってまで演奏したかった少年は、音楽の神様に愛され、その愛情をたっぷりと受けて、素晴らしい指導者となって音楽に貢献し尽くしている。彼の情熱を知れた事で、かなーーーり心が暖かくなりましたよ。なんでオスカーにノミネートされなかったんだぁあああ!!

 トリビア
ジャズの御大クラーク・テリーを4年追ったドキュメンタリー。テリーと一緒に演奏していたクインシー・ジョーンズがプロデューサーとしても参加!

 その他

 受賞歴
* The BEST OF SOUL
2014 Won Best Movie of the Year (Documentary)
2014 映画秘宝 私が選んだベスト10 2014年度9位

* Seattle International Film Festival
2014 Won Golden Space Needle Award Best Documentary : Alan Hicks

* Tribeca Film Festival
2014 Won Best New Documentary Director : Alan Hicks

 サウンドトラック


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Last Modified: 2014-07-01
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